言葉の使い分け
以上・以下・未満・超えるの違い
含む・含まないの早見表と例文
結論から言うと、「以上」「以下」はその数を含み、「未満」「超える」はその数を含みません。「10人以上」は10人ちょうどから、「10人以下」は10人ちょうどまで、「10人未満」は9人まで、「10人を超える」は10人ちょうどを含まずそれより多い人数です(人数のように1ずつ数えるものの場合)。覚え方は「以」の字が付いていれば含む。そのまま使える一文は「参加者が10人以上の場合は、会議室Aをご利用ください(10人ちょうども会議室Aです)。」。このページでは、数直線の早見表、範囲の4つの組み合わせ、「超えない」「満たない」「以内」「以降」の扱い、法律の条文での読み方、場面別の例文、よくある失敗と送信前のチェックをまとめました。
結論
以上はその数を含んでそれより多い(大きい)こと、以下はその数を含んでそれより少ない(小さい)こと、未満はその数を含まずにそれより少ないこと、超えるはその数を含まずにそれより多いことを表します。文化審議会建議「公用文作成の考え方」(令和4年1月7日)でも、「以上」「以下」「以前」「以後」は起算点となる数量や日時などを含む場合に、「超える」「未満」「満たない」「前」「後」は含まない場合に用いると説明されています。
早見表:10を基準にすると、どこからどこまで?
| 書き方 | 10を含む? | 1ずつ数えると | 意味 |
|---|---|---|---|
| 10人以上 | 含む | 10、11、12… | 10と、10より多い |
| 10人を超える(10人超) | 含まない | 11、12、13… | 10より多い |
| 10人以下 | 含む | …8、9、10 | 10と、10より少ない |
| 10人未満(10人に満たない) | 含まない | …7、8、9 | 10より少ない |
| 10人を超えない | 含む | …8、9、10 | 「10人以下」と同じ |
8 9 [10] 11 12 以上 ●━━━━━━━━→ 10を含む 超える ○━━━━━━━━→ 10を含まない 以下 ←━━━━━━━━● 10を含む 未満 ←━━━━━━━━○ 10を含まない (●=その数を含む ○=その数を含まない)
含むのは「以上」「以下」、含まないのは「未満」「超える」。この二組だけ押さえれば、ほとんどの場面で迷いません。
それぞれの意味
以上:その数を含んで、それより多い
「18歳以上」は、18歳ちょうどの人も入ります。「◯万円以上」は、◯万円ちょうども入ります。
以下:その数を含んで、それより少ない
「200字以下」は、200字ちょうどまで書けます。
未満:その数を含まずに、それより少ない
「18歳未満」は、18歳になる前まで。18歳ちょうどの人は入りません。「◯に満たない」も同じ意味で、文化審議会建議「公用文作成の考え方」でも「未満」と並べて「含まない」側に挙げられています。
超える:その数を含まずに、それより多い
「2時間を超える」は、2時間ちょうどは入りません。「◯円超」「◯時間超」のように「超」の一字で書くこともあります。
超えない:その数を含む(=以下)
「超える」を打ち消した「◯を超えない」「◯を超えることができない」は、その数ちょうどまでは認められるという意味になり、「◯以下」と同じ範囲です。同じように「◯に満たない場合」の反対は「◯以上の場合」です。
範囲を書くときの4つの組み合わせ
下の端と上の端に何を付けるかで、範囲は4通りに分かれます。テストの点数(1点刻み)で比べます。
| 書き方 | 60点 | 80点 | 1点刻みなら |
|---|---|---|---|
| 60点以上80点以下 | 含む | 含む | 60〜80点 |
| 60点以上80点未満 | 含む | 含まない | 60〜79点 |
| 60点を超え80点以下 | 含まない | 含む | 61〜80点 |
| 60点を超え80点未満 | 含まない | 含まない | 61〜79点 |
区分を何段も並べる表では、「◯以上◯未満」にそろえるのがいちばん安全です。境目の数が必ずどちらか一つの区分にだけ入り、重なりも抜けも出ません。
注意
「1点刻みなら」の列は、整数しか取らないものの場合です。重さ・時間・金額の端数のように小数が出るものは、「79.5点」のような値もあり得るので、「60点以上80点未満」を「60〜79点」と言い換えないでください。
日付・期間の場合(以前・以後・以降・前・後・以内)
| 書き方 | 基準の日を含む? | 例 |
|---|---|---|
| ◯月◯日以前 | 含む | 5月1日以前=5月1日を含んで、それより前 |
| ◯月◯日以後・以降 | 含む | 5月1日以降=5月1日を含んで、それより後 |
| ◯月◯日より前・◯月◯日前 | 含まない | 5月1日より前=4月30日まで |
| ◯月◯日の後・◯月◯日より後 | 含まない | 5月1日より後=5月2日から |
文化審議会建議「公用文作成の考え方」では、「以前」「以後」は起算点の日を含み、「前」「後」は含まないと説明されています。ただし「昭和期以前」のように幅のある期間に付けると含むかどうかが分かりにくくなるとして、「大正時代が終わるまで」のように具体的に言い換える方法が示されています。
「以内」は期限の書き方でよく使いますが、いつの何時までかは読み手によって受け取り方が分かれがちです。同じ建議には、「早めに」を「1週間以内(5月14日正午まで)に」と直す例があります。「以内」と書いたら、括弧で日付と時刻を添えるのが確実です。
法律の条文で読むとどうなるか(労働基準法の例)
法律の条文でも、含む・含まないの区別がそのまま効いてきます。イベントの運営スタッフのシフトにも関わる労働基準法(昭和22年法律第49号)の条文を、e-Gov法令検索で確認しました。
| 条文 | 書き方 | 読み方 |
|---|---|---|
| 労働基準法 第34条第1項(休憩) | 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。 | 「超える」なので、労働時間が6時間ちょうどなら、この項の45分の定めには当たらない。8時間ちょうどなら、1時間ではなく45分の定めのほうになる。 |
| 労働基準法 第61条第1項(深夜業) | 使用者は、満十八才に満たない者を午後十時から午前五時までの間において使用してはならない。(以下略) | 「満たない」は「未満」と同じで、18歳ちょうどの人は含まない。 |
注意
ここでは言葉の読み方の説明にとどめています。第61条には条文の続きにただし書があり、ほかの条文や規程も関係するので、実際のシフトや契約は専門家や担当窓口に確認してください。社内規程や契約書の条件も、その文書の中の定義を先に確かめます。
そのまま使える場面別の例文
イベントの案内文(最少催行の条件)
定員:◯名(先着順)
お申込みが◯名に満たない場合は、開催を見送ることがあります。その場合は◯月◯日(◯)までにご連絡いたします。
参加条件(年齢)
◯歳以上の方にご参加いただけます(◯歳ちょうどの方も対象です)。
会場の案内(子どもの入場)
◯歳未満のお子さまは、保護者の方と一緒にご入場ください。
料金の案内(区分)
参加費:中学生以上 ◯円/小学生 ◯円/未就学児 無料
※学年は、開催日時点の学年でご判断ください。
社内通知(稟議の基準)
物品の購入は、1件◯万円以上の場合に稟議を提出してください。◯万円未満の購入は、課長の承認で手配できます。
経費精算のルール
1回の会食が1人あたり◯円を超える場合は、事前に部長の承認を得てください(◯円ちょうどの場合は、事前承認は要りません)。
募集要項(対象)
対象:入社◯年目以上の社員(◯年目の方も対象です)
取引先へのメール(送料の条件)
ご発注数が◯個以上の場合は、送料を弊社で負担いたします。◯個未満の場合は別途送料を申し受けますので、あらかじめご了承ください。
取引先へのメール(変更の受付期限)
数量の変更は、◯月◯日(◯)17時まで承ります。それ以降のご変更は、追加の費用がかかる場合がございます。
キャンセル規定
開催日の◯日前以降のキャンセルは、参加費の全額を申し受けます(◯日前当日のお申し出も含みます)。
アンケート・応募フォーム(文字数)
ご意見は200字以内でご記入ください(200字ちょうどまで入力できます)。
社内チャット(作業時間)
作業が2時間を超えそうなときは、途中で一度共有してください。2時間ちょうどで終わる見込みなら、そのまま進めて大丈夫です。
人員配置の目安
来場見込みが◯人以上◯人未満ならスタッフ◯名、◯人以上ならスタッフ◯名を配置します。
報告書・議事録(結果の書き方)
回答者のうち、満足度が「4」以上の人は◯人でした(「4」と「5」を合わせた人数です)。
注意
定員や申込み条件を書く案内文の全体はセミナー案内文の例文、出店や参加の条件を並べる募集要項は出店者募集の文章と募集要項にまとめています。期限を営業日で数えるなら営業日計算ツールが使えます。
イベントの仕事での使い方(場面別の例文)
イベントの現場では、境目の数を誰がどう読むかで、受付・会場・見積・精算の判断が変わります。ここでは、プロデューサーやディレクターが実際にやり取りする場面ごとに、送る相手と手段を決めた例文をまとめました。数はすべて◯にしているので、案件の数に置き換えてください。
参加条件と開催条件(年齢・最少人数)
- 【メール/申込者へ・申込受付の自動返信】本イベントは◯歳以上の方が対象です(開催日当日に◯歳の方もご参加いただけます)。受付で年齢の分かるものを確認させていただく場合があります。
- 【メール/申込者へ・開催◯日前の判定後】お申込みが開催条件の◯名以上に達したため、予定どおり開催いたします。当日のご来場をお待ちしております。
- 【チャット/クライアント担当者へ・告知文の確認依頼】告知文の開催条件は「◯名以上で開催」としています。◯名ちょうどの場合も開催、という理解で相違ないかご確認ください。
- 【口頭/受付スタッフへ・開場前の朝礼】年齢の条件は「◯歳以上」なので、◯歳の方はそのまま通してください。◯歳未満と分かった方だけ、本部に無線で確認をお願いします。
会場の定員・収容人数の書き方
- 【メール/会場担当者へ・下見の前】ホールAの収容人数◯名は、スタッフや登壇者を含む人数でしょうか。来場者だけで◯名まで入れる、という理解でよいか確認させてください。
- 【チャット/制作チームへ・告知ページの修正】定員の表記を「◯名程度」から「定員◯名(先着順・◯名に達した時点で締め切り)」に直してください。
- 【口頭/入場管理スタッフへ・本番中】客席が◯名に達したら、次の方からは立ち見エリアへ案内してください。◯名目の方までは客席に通して大丈夫です。
- 【メール/クライアントへ・レイアウト案の送付時】スクール形式なら◯名以下、シアター形式なら◯名以下で配置できる案です。それぞれの人数を超える場合は、別の部屋との併用をご相談させてください。
見積の条件(人数・時間で変わる部分)
- 【メール/クライアントへ・見積書の送付時】本見積は参加者◯名以上◯名未満を前提としています。◯名未満または◯名以上になった場合は、スタッフ人数と備品を見直し、再見積をお送りします。
- 【メール/クライアントへ・条件の補足】会場の利用時間が◯時間を超える場合は、延長分を追加費用としてご請求します。◯時間ちょうどで撤収が完了する場合は、追加はありません。
- 【チャット/社内の営業担当へ・見積作成の依頼】先方に出す条件は「◯名未満は追加料金」で統一してください。「◯名以下」と書くと◯名ちょうどの扱いが変わるので、表記を合わせてほしいです。
- 【口頭/クライアントとの打合せ】スタッフは来場◯名ごとに1名の配置を考えています。◯名を超えた時点で1名追加、という数え方です。
申込締切・変更受付の「以降」「まで」
- 【メール/参加者へ・リマインド】お申込みは◯月◯日(◯)◯時まで受け付けています。◯時を過ぎてからのお申込みは、当日受付のみのご案内となります。
- 【メール/出展者へ・出展者マニュアルの送付時】出展内容の変更は◯月◯日(◯)◯時まで承ります。それより後のご変更は、印刷物には反映できませんのでご了承ください。
- 【チャット/運営チームへ・締切当日】申込フォームは◯日◯時に閉じます。◯日の◯時ちょうどに届いたものまでは受付扱いにしてください。
- 【メール/クライアントへ・人数確定の依頼】最終の参加人数は◯月◯日(◯)◯時までにお知らせください。それ以降の増減は、手配済みのお弁当の数には反映できない場合があります。
景品・会費・参加費の区切り
- 【メール/参加者へ・懇親会の案内】会費は社会人◯円、学生◯円です。◯歳未満のお子さまは無料ですので、参加人数とあわせて年齢をお知らせください。
- 【チャット/運営チームへ・抽選会の準備】景品は、来場者が◯名以上なら全◯本、◯名未満なら◯本に減らします。判定は◯時の受付人数で行います。
- 【口頭/受付スタッフへ・会費の受け取り】◯名以上のグループは団体料金です。◯名ちょうどのグループも団体料金で受けてください。
- 【メール/クライアントへ・ノベルティの発注確認】ノベルティは◯個以上で単価が下がる条件です。今回はちょうど◯個での発注ですが、「以上」なのでこの数も対象となり、下がった単価が適用されます。
Point
境目の数ちょうどの扱いを、一文で書き添える。「◯名ちょうども開催」「◯時ちょうどまで受付」のように書いておくと、当日の現場で判断に迷う場面が減ります。
料金・区分表のテンプレート
区分を並べる表は、下の端を「以上」、上の端を「未満」にそろえ、最後の段だけ「以上」で閉じます。
| 区分 | 条件 | 内容 |
|---|---|---|
| A | ◯人未満 | (内容) |
| B | ◯人以上◯人未満 | (内容) |
| C | ◯人以上◯人未満 | (内容) |
| D | ◯人以上 | (内容) |
上の段の「未満」の数と、次の段の「以上」の数を同じ数にするのがコツです。違う数にすると、その間の数がどの区分にも入らなくなります。
よくある失敗と直し方
| 失敗しやすい書き方 | 何が問題か | 直し方 |
|---|---|---|
| 10人以下は小会議室、10人以上は大会議室 | 10人ちょうどが両方に入る | 10人以下は小会議室、10人を超える場合は大会議室 |
| ◯万円以上◯万円以下、◯万円以上◯万円以下…(区分が続く表) | 境目の金額が二つの区分に重なる | 「◯万円以上◯万円未満」にそろえる |
| 1〜4人/6〜10人 | 5人がどこにも入らない | 「5人未満/5人以上」のように境目を一つにする |
| 10人未満(10人を含む) | 「未満」は含まないので矛盾する | 10人以下 |
| ◯日以降(ただし◯日は除く) | 「以降」はその日を含むので読みにくい | ◯日より後/◯日の翌日から |
| ◯歳以下は無料(小学生を想定) | 年齢の数と、伝えたい対象がずれやすい | 小学生以下は無料(未就学児を含みます)のように対象を言葉でも書く |
| 3日以内に返信 | いつから数えて何時までかが分からない | ◯月◯日(◯)17時までに返信 |
| 小数が出る値を「60〜79」と言い換え | 79.5のような値が抜ける | 「60以上80未満」のまま書く |
送信前チェックリスト
- 境目の数(10人ちょうど、◯日当日など)が、どの区分・どちらの扱いに入るか一文で説明できる
- 区分の表は「以上〜未満」にそろえ、上の段の「未満」と次の段の「以上」が同じ数になっている
- 「以内」「以降」には、日付と時刻を括弧で添えた
- 小数や端数が出る値を、整数の範囲に言い換えていない
- 年齢・学年など、数より言葉のほうが伝わる条件は、対象を言葉でも書いた
- 社内規程・契約書・法令の条件は、その文書の定義を確認した
- 迷いそうな相手向けに「(◯を含みます)」を書き添えた
覚え方
「以」が付いたら含む。「以上」「以下」「以前」「以後」「以降」はどれも、基準の数や日を含みます。
「未満」は「未だ満たない」。まだその数に届いていないので、その数は入りません。「超える」は「飛び越える」。その数を越えた先からなので、その数は入りません。
Point
「以」は含む、「未満」と「超える」は含まない。表は「以上〜未満」でそろえ、迷う相手には「(10人を含む)」と書き添える。
この記事の要点
- 以上・以下はその数を含む。
- 未満・超えるはその数を含まない。超えないは「以下」と同じ。
- 日付の以前・以後・以降はその日を含み、前・後は含まない。
- 区分の表は「以上〜未満」でそろえると境目が重ならず、抜けもない。
- 「以内」には日付と時刻を添える。誤解されそうなら「(◯を含む)」と書き添える。
FAQ
よくある質問
含みます。「10人以上」は10人と10人より多い人数、「10人以下」は10人と10人より少ない人数です。文化審議会建議「公用文作成の考え方」でも、起算点となる数量や日時を含む場合に用いると説明されています。
境目の数を含むかどうかです。「10人以下」は10人を含み、「10人未満」は10人を含みません(人数なら9人まで)。
これも境目の数を含むかどうかの違いです。「10人以上」は10人を含み、「10人を超える」は10人を含みません(人数なら10人ちょうどは入りません)。
含みます。「超える」を打ち消しているので、その数ちょうどまでは入り、「◯以下」と同じ範囲になります。
人数のように1ずつ数えるものなら同じ範囲です。ただし時間・重さ・金額の端数のように小数が出るものでは同じになりません。元の書き方のまま使うのが確実です。
含みます。文化審議会建議「公用文作成の考え方」では「以後」は起算点の日を含むと説明されています。その日を含めたくないときは「◯日より後」「◯日の翌日から」と書くと誤解されにくくなります。
期限や文字数でその数ちょうどまでを指して使われますが、いつから数えて何時までかは読み手によって受け取り方が分かれます。「3日以内(◯月◯日17時まで)」のように具体的な日時を添えてください。
参加条件・定員・見積の人数条件・申込締切など、境目で判断が分かれる場面で使います。区分を並べるときは「◯名以上◯名未満」にそろえ、「◯名ちょうども開催」「◯時ちょうどまで受付」のように、境目の数の扱いを一文で書き添えると、クライアントや当日のスタッフとの認識違いを防げます。
「◯円以上◯円未満」のように、下の端を「以上」、上の端を「未満」にそろえます。上の段の「未満」と次の段の「以上」を同じ数にすると、境目が重ならず抜けもありません。