言葉の使い分け
以外と意外の違い
使い分け・例文・言い換え一覧
結論から言うと、「それを除いたほか」なら「以外」、「思っていたのと違う・予想していなかった」なら「意外」と書きます。迷ったら「◯◯を除いて」と言い換えて通じれば「以外」、「思いのほか」と言い換えて通じれば「意外」です。「いがいと簡単だった」「いがいに早く終わった」は、どちらも「意外」。たとえば「関係者以外の方の立ち入りはご遠慮ください」(関係者を除く)、「作業が意外に早く終わりました」(思ったより早く)と書き分けます。このページでは、早見表、形ごとの使い方、場面別の例文とそのまま使えるテンプレート、言い換え一覧、よくある誤変換、送信前のチェックリストをまとめました。
結論
以外は、ある物事を除いた、それ以外のもの・ほかのもの。意外は、思っていたことや予想と違っていること。「以外」は前に名詞や動詞を置いて範囲を区切るのに使い、「意外」は「意外な」「意外に」「意外と」「意外だ」の形で様子や感想を表します。
30秒でわかる違い(早見表)
| 以外 | 意外 | |
|---|---|---|
| 意味 | それを除いたほか | 思っていたこと・予想と違う |
| 言い換え | ◯◯を除いて/◯◯のほか | 思いのほか/予想外に/想定より |
| 前に来るもの | 名詞・動詞(関係者以外/待つ以外に) | 前に語を付けず単独で使う |
| よくある形 | ◯◯以外の/◯◯以外は/◯◯以外に | 意外な/意外に/意外と/意外にも/意外性 |
| 例 | ご本人以外の受け取りはできかねます。 | アンケートでは意外な結果が出ました。 |
Point
前に「何を除くか」が書いてあれば以外、なければ意外。「関係者いがい」「それいがい」のように前に語が付いていれば「以外」、文頭や「いがいと」「いがいな」の形なら「意外」です。
それぞれの意味と使い方
以外(それを除いたほか)
「以外」は、前に置いた物事を除いた、そのほかのものを表します。「関係者以外」「平日以外」「それ以外」「担当者以外」のように、名詞などのあとに付いて範囲を区切るのが基本です。「以外」の前に置いたものは含まれません。「会員以外」は「会員でない人」を指します。
動詞のあとに付けて「待つ以外に方法がない」「お願いする以外にない」と言うと、「それしか手がない」という意味になります。
「以上」「以下」は基準の数を含むのに対し、「以外」は基準を除くので、取り違えないよう気をつけます。範囲の言い方は以上・以下・未満の違いにまとめています。
意外(思っていたのと違う)
「意外」は、思っていたことや予想とは違っていることを表します。「意外な結果」「意外に多い」「意外と簡単」「意外だった」「意外性」のように、様子や受けた印象を言うときに使います。良い方向にも悪い方向にも使えます。
「意外」は前に語を付けずに使います。「予想意外」「想定意外」とは書かず、「予想外」「想定外」と書きます。
形ごとの使い方一覧
| 形 | どちら | 例文 |
|---|---|---|
| ◯◯以外の+名詞 | 以外 | 担当者以外のメンバーにも共有しました。 |
| ◯◯以外は | 以外 | 土日以外は、9時から受付を開けています。 |
| ◯◯以外に(ほかに) | 以外 | メール以外にお電話でも承ります。 |
| 〜する以外にない | 以外 | 現時点では、先方の回答を待つ以外にありません。 |
| 意外な+名詞 | 意外 | 意外な点に課題が見つかりました。 |
| 意外に/意外と | 意外 | 準備は意外に時間がかかりました。 |
| 意外にも | 意外 | 意外にも、平日の参加者が多くなりました。 |
| 意外だ・意外でした | 意外 | この結果は、私にとって意外でした。 |
| 意外性 | 意外 | 企画に意外性を持たせたい。 |
注意
「以外に」と「意外に」はどちらも文として成り立ちます。前に名詞があって「◯◯のほかに」の意味なら「以外に」、「思ったより」の意味なら「意外に」です。
場面別の例文(ビジネス)
案内・掲示で範囲を区切る(以外)
本資料は社外秘のため、プロジェクト関係者以外の方への転送はお控えください。
当日は、受付の時間以外はロビーに入ることができません。ご了承ください。
会場内は、指定の場所以外での飲食をご遠慮いただいております。
日程調整(以外)
◯月◯日(◯)以外でしたら、いずれの日程でも伺うことができます。ご都合のよい日をお知らせいただけますと幸いです。
午前中以外でしたら、オンラインでの打ち合わせに対応できます。
手段・条件を示す(以外)
メール以外のご連絡方法をご希望の場合は、お電話でも承っております。
恐れ入りますが、未開封の商品以外は返品をお受けできかねます。
ご本人以外の方がお受け取りになる場合は、委任状をご用意ください。
社内連絡(以外)
本件は、営業部以外の部署にも関係するため、全体に共有します。
◯◯さん以外の方は、引き続き通常の業務をお願いします。
予想と違ったことを報告する(意外)
アンケートでは、想定と異なり、◯◯への満足度がもっとも高い結果となりました。意外な結果でしたので、次回の企画で理由を詳しく確かめます。
作業は想定より早く進み、◯日には完了する見込みです。
見積もりの段階では見落としていましたが、輸送の手配に思いのほか時間がかかることがわかりました。
振り返り・会議で(意外)
意外にも、オンライン参加の方の質問がもっとも多くなりました。
意外な点として、資料を事前にお送りした回のほうが議論が短く済みました。
相手の指摘を受けて(意外は避ける)
ご指摘いただいた点は、私どもでは気づいていなかった視点で、大変参考になりました。
注意
相手の意見や成果に「意外でした」と書くと、期待していなかったように受け取られることがあります。社外には「気づいていなかった視点で」「大変参考になりました」のように書くほうが無難です。日程の候補の書き方は日程候補のメールの例文を参考にしてください。
日常会話での例文
- 以外:日曜以外なら空いているよ。/朝の8時以外ならいつでも電話していいよ。/君以外に頼める人がいない。
- 意外:この料理、意外と簡単に作れた。/彼が料理好きなのは意外だった。/意外に近くて、歩いて10分で着いた。
そのまま使えるテンプレート
立ち入り・利用範囲の案内(以外)
【お知らせ】
◯月◯日(◯)は、点検作業のため、関係者以外の方の立ち入りをご遠慮いただいております。
ご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
日程の返信(以外)
◯◯様
日程のご提案をありがとうございます。
◯月◯日(◯)以外でしたら、いずれの日時でも伺うことができます。
ご都合のよい日時をお知らせいただけますと幸いです。
予想と違った結果の報告(意外を言い換え)
◯◯の件、結果をご報告します。
当初の想定と異なり、◯◯の数値が予想を上回りました。
要因として◯◯が考えられるため、来週までに詳しく確認し、改めてご報告します。
言い換え一覧
| 元の言葉 | 言い換え | 向く場面 |
|---|---|---|
| 以外 | ◯◯を除いて/◯◯を除く | 条件や対象をはっきり示す案内 |
| 以外 | ◯◯のほか | 付け加える意味を出したいとき |
| 以外 | ◯◯でない方 | 人を対象にした案内(例:会員でない方) |
| 意外と・意外に | 思いのほか/想定より/予想以上に | 社外向けのメール・報告書 |
| 意外な | 予想外の/想定外の | 結果や事態を客観的に伝えるとき |
| 意外と | 案外 | 会話・社内のくだけた連絡 |
「意外と」は会話でよく使う言い方で、改まった文書では少しくだけて見えると感じる人もいます。社外向けの文書では「思いのほか」「想定より」「予想以上に」に言い換えると落ち着きます。
よくある誤変換と直し方
| 迷いやすい書き方 | 一般的な書き方 | 考え方 |
|---|---|---|
| 以外と簡単に終わった | 意外と簡単に終わった | 思っていたより、の意味なので「意外」 |
| 関係者意外立入禁止 | 関係者以外立入禁止 | 関係者を除く、の意味なので「以外」 |
| それ意外の方法 | それ以外の方法 | それを除いたほか、の意味なので「以外」 |
| 予想以外の結果 | 予想外の結果/意外な結果 | 予想と違う、の意味なら「予想外」「意外」 |
| 以外にも多くの方にご参加いただいた | 思いのほか多くの方にご参加いただいた | 予想を上回った意味なら「意外にも」だが、社外向けには「思いのほか」が無難 |
| 会員以外(会員を含むつもりで) | 会員を含め、どなたでも | 「以外」は前の語を含まないので、含めたいときは別の言い方にする |
| 待つ意外にない | 待つ以外にない | それしか手がない、の意味なので「以外」 |
「以外に」と「意外に」は、どちらも文として成り立つので変換ミスに気づきにくい組み合わせです。「この作業以外に時間がかかるものはありません」(ほかには無い)と「この作業は意外に時間がかかります」(思ったよりかかる)では意味が変わるので、送る前に読み返します。
送信前のチェックリスト
- 前に名詞・動詞が付いた「いがい」が「以外」になっている(関係者以外・それ以外・待つ以外に)
- 「いがいと」「いがいな」「いがいにも」が「意外」になっている
- 「予想以外」「想定以外」と書いていない(正しくは予想外・想定外)
- 「◯◯以外」で、◯◯を含めたい意図になっていない
- 社外向けの文書で「意外と」を使うなら、「思いのほか」「想定より」に言い換えられないか確かめた
- 相手の意見や成果に「意外でした」と書いていない
覚え方
共通の「外」ではなく、前の字に注目すると覚えやすくなります。
| 言葉 | 注目する字 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 以外 | 以(もって) | 「以上」「以下」「以内」の仲間。範囲を区切る言葉で、その外側 |
| 意外 | 意(こころ・おもい) | 「意見」「意図」の意。思っていたことの外側=予想外 |
Point
迷ったら、範囲の「以」なら以外、思いの「意」なら意外と思い出してください。
この記事の要点
- 以外は前の物事を除いたほか(関係者以外・それ以外・待つ以外に)。前の語は含まない。
- 意外は思っていたことと違うこと(意外な結果・意外と簡単)。前に語を付けない。
- 「いがいと」「いがいに(思ったより)」は「意外」。「予想いがい」は「予想外」。
- 社外向けの文書では「意外と」より「思いのほか」「想定より」が落ち着く。
- 「以外に」「意外に」はどちらも文になるので、送る前にチェックリストで読み返す。
FAQ
よくある質問
「思っていたより」という意味なので「意外と」と書きます。「以外」は「それを除いたほか」という意味なので、この場面では使いません。
関係者を除いたほかの人、という意味なので「関係者以外」と書きます。
含みません。「会員以外」は会員でない人を指します。含めたいときは「会員を含め」のように別の言い方にします。
どちらも「思っていたより」という意味で使えます。改まった文書ではどちらも「思いのほか」「想定より」に言い換えると落ち着きます。
誤りではありませんが、会話寄りの言い方なので、改まった文書では少しくだけて見えると感じる人もいます。社外向けには「思いのほか」「想定より」と書くと落ち着きます。
予想と違う、という意味なら「予想外」と書きます。「予想以外」と書くと「予想を除いたほか」という意味になり、伝えたいことと合いません。
「関係者以外」「関係者のほか」はどちらも使われますが、「以外」は除くことをはっきり言うときに、「ほか」は付け加えるときに使いやすい言葉です。範囲を明確にしたい案内文では「以外」が向いています。
どちらも「思っていたのと違う」ことを表しますが、「案外」は「案外簡単だった」のように副詞として使うことが多く、「意外性」にあたる言い方はありません。社外向けの文書では、どちらも「思いのほか」に言い換えると落ち着きます。