言葉の使い分け
「締め切り」「締切」「〆切」の違い
公用文とメールでの書き方
結論:意味は同じで、違うのは書き方だけです。迷ったら次の4つで決めてください。
①メール・一般向けの案内の本文は「締め切り」
②官公庁の公用文では名詞を「締切り」、「しめきりび」は「締切日」
③動詞はどの文書でも「締め切る」「締め切りました」
④「〆切」は手書きのメモや付箋だけ。社外の文書には使わない
このページでは、それぞれの根拠(内閣告示・内閣訓令・内閣法制局長官決定・文化審議会建議)、場面別の早見表、そのまま使える例文20本、よくある失敗とチェックリストを並べました。「デッドライン」「期限」との意味の違いはデッドラインの意味と使い方にあります。
結論
「締め切り(しめきり)」は、受け付けや提出などを打ち切ること、またその期日を表す名詞です。「締める」と「切る」が合わさった複合の語なので、内閣告示「送り仮名の付け方」の通則6の本則では「締め切り」と書き、読み間違えるおそれのない場合は許容として送り仮名を省くことができます。官公庁の文書では、文化審議会建議「公用文作成の考え方」と「公用文における漢字使用等について」(平成22年内閣訓令第1号)により、名詞は「締切り」と書きます。
まず結論:場面別にこう書く
| 書く場面 | 名詞(しめきり) | 「しめきりび」 | 動詞 |
|---|---|---|---|
| 取引先へのメール、一般向けの案内文 | 締め切り | 締め切り日(「締切日」でも可) | 締め切る |
| 官公庁の告示・通知・募集要項(公用文) | 締切り | 締切日 | 締め切る |
| 表の欄名、見出し、申込書の項目 | 締切(短くしたいとき) | 締切日 | (使わない) |
| 社内のチャット、手書きのメモ、付箋 | 〆切も使われる | 〆切日も使われる | 締め切る |
Point
動詞だけは場面を問わず「締め切る」。名詞を「締切」にそろえている文書でも「受付を締切ました」とは書きません。
4つの書き方の違い
締め切り:送り仮名をすべて送る書き方
「締める」の「め」と「切る」の「り」をどちらも残した形です。内閣告示「送り仮名の付け方」の通則6の本則どおりの書き方で、学校で習う書き方と一致します。読み手を選ばないので、社外へのメールや一般の人に向けた案内はこれにしておけば迷われません。
締切り:公用文で決まっている書き方
「公用文における漢字使用等について」(平成22年内閣訓令第1号)は、活用のない複合の語のうち読み間違えるおそれのない語は送り仮名を省くとして、該当する語を列挙しています。その一覧に「締切り」が入っています。官公庁の募集や通知でこの形を見かけるのはこのためです。
締切:送り仮名をすべて省いた書き方
「送り仮名の付け方」の許容では、複合の語の送り仮名を省いた形も認められています。「申込締切」「原稿締切」のようにほかの語と続けるとき、表の欄名や見出しでよく使われ、社内の文書ルールで「締切」にそろえている会社もあります。ただし公用文で名詞を単独で書くときは「締切」ではなく「締切り」です。
〆切:記号を使った略した書き方
「〆」は「しめ」と読ませる略した書き方です。手書きのメモや付箋、親しい間柄のやり取りで使われ、正式な文書の書き方ではありません。取引先に出す文書や案内では「締め切り」か「締切」で書きます。
根拠:送り仮名のルールはどこに書いてあるか
「どれが正しいか」は、どの文書のルールに従うかで変わります。もとになっている決まりは次の4つです。
| 決まり | 書いてあること | 「しめきり」への当てはめ |
|---|---|---|
| 「送り仮名の付け方」(昭和48年内閣告示第2号)通則6 | 複合の語は、それぞれの単独の語の送り仮名に従う(本則)。読み間違えるおそれがなければ省いてよい(許容) | 本則は「締め切り」。許容で「締切り」「締切」も誤りではない |
| 「公用文における漢字使用等について」(平成22年内閣訓令第1号) | 公用文では、列挙した活用のない複合の語について許容を適用して送り仮名を省く | 公用文の名詞は「締切り」 |
| 「法令における漢字使用等について」(平成22年 内閣法制局長官決定) | 慣用が固定している語は通則7により送り仮名を付けない、として例を挙げる | 例の中に「締切日」がある |
| 文化審議会建議「公用文作成の考え方」(令和4年1月7日) | 動詞は本則で書く。一般の人に向けた解説・広報では学校教育で学ぶ表記を用いた方が良い場合がある | 動詞は「締め切る」。一般向けなら「締め切り」も選べる |
注意
「公用文作成の考え方」は、通則7に当たる語かどうかは通則7や「法令における漢字使用等について」に挙げられた例で確認できる、と書いています。「締切日」が送り仮名なしになるのはこの例に入っているためです。
「締切日」「申込締切」など、ほかの語と続けるとき
| 書きたい語 | メール・一般向けの本文 | 公用文 | 表の欄名・見出し |
|---|---|---|---|
| しめきりび | 締め切り日/締切日 | 締切日 | 締切日 |
| もうしこみしめきり | 申し込みの締め切り | 申込みの締切り | 申込締切 |
| しめきりじこく | 締め切りの時刻 | 締切りの時刻 | 締切時刻 |
| げんこうしめきり | 原稿の締め切り | 原稿の締切り | 原稿締切 |
| しめきりまぢか | 締め切り間近 | 締切り間近 | 締切間近 |
本文では「申し込みの締め切り」と「の」でつないで送り仮名を残すと読みやすく、欄名では「申込締切」と漢字だけで短くするのが収まりのよい分け方です。表の「公用文」の列は、内閣訓令の一覧に「申込み」「締切り」があるので、その形に合わせています。
動詞「締め切る」の書き方
| 形 | 書き方 | 例文 |
|---|---|---|
| 言い切り | 締め切る | 定員になり次第、受付を締め切る。 |
| 丁寧 | 締め切ります | ◯月◯日(◯)◯時に受付を締め切ります。 |
| 過去 | 締め切りました | 定員に達したため、受付を締め切りました。 |
| 受け身 | 締め切られる | 応募は◯日に締め切られる予定です。 |
| 名詞と続ける | 締め切った後 | 締め切った後のお申し込みはお受けできません。 |
公用文でも動詞は本則で書くので、「締切る」「締切ました」とは書きません。名詞を「締切り」と書く文書の中でも、動詞は「締め切る」です。
そのまま使える例文20
イベント・セミナーの案内
① お申し込みの締め切りは◯月◯日(◯)◯時です。定員に達した時点で受付を締め切りますので、お早めにお申し込みください。
② 参加をご希望の方は、◯月◯日(◯)◯時までにお申し込みフォームからご登録ください。
③ 締め切りが近づいてまいりました。まだお申し込みでない方は、◯月◯日(◯)◯時までにお手続きをお願いいたします。
受付終了・満席のお知らせ
④ ◯月◯日のセミナーは、定員に達したため受付を締め切りました。多数のお申し込みをいただき、ありがとうございました。
⑤ 本日◯時をもちまして、◯◯の受付を締め切りました。結果は◯月◯日(◯)までにメールでお知らせします。
締め切りの延長・前倒し・変更
⑥ 多数のお問い合わせをいただいたため、応募の締め切りを◯月◯日(◯)◯時まで延長いたします。
⑦ 会場の都合により、お申し込みの締め切りを◯月◯日(◯)から◯月◯日(◯)に早めることになりました。ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。
⑧ 先日ご案内した提出の締め切りに誤りがありました。正しくは◯月◯日(◯)◯時です。お詫びして訂正いたします。
社内メール・チャット
⑨ 件名:【◯日◯時締め切り】◯◯アンケートご回答のお願い
◯◯に関するアンケートへのご回答をお願いします。締め切りは◯月◯日(◯)◯時です。
⑩ 経費精算の締め切りは毎月◯日です。今月分は◯日(◯)◯時までに申請してください。
⑪ (チャット)明日◯時が〆切です。まだの方はよろしくお願いします。
取引先へのメール
⑫ 原稿の締め切りは、◯月◯日(◯)◯時と承知しております。変更がございましたら、お知らせいただけますと幸いです。
⑬ 社内での手配に時間を要するため、恐れ入りますが、ご回答の締め切りを◯月◯日(◯)◯時とさせていただけますと幸いです。
⑭ 締め切りまでにお送りできず、申し訳ございません。◯月◯日(◯)◯時までには必ずお送りいたします。
⑮ お見積もりの提出締め切りが◯月◯日(◯)◯時に迫っておりますので、念のためご連絡いたしました。
募集要項・申込書・スケジュール表
⑯ 申込締切:◯月◯日(◯)◯時(必着)
⑰ 原稿締切:◯月◯日(◯)/校正戻し:◯月◯日(◯)
⑱ 締切日を過ぎて届いたものは受け付けません。
官公庁の文書(公用文の形)
⑲ 申込みの締切りは、◯月◯日(◯)とする。
⑳ 締切日までに提出がない場合は、辞退したものとみなす。
注意
締め切りが近い相手への声のかけ方は催促メールの例文やリマインドメールの例文、アンケートの回答をお願いする文面は社内アンケートの依頼文にあります。締め切りまでの日数を数えるなら営業日計算ツールが使えます。
イベントの仕事での使い方
イベントの準備では、見積もり、登壇資料、出店・協賛の申し込み、会場への人数連絡と、相手ごとに違う締め切りが同時に動きます。どれも「何を・誰が・いつまでに・どうやって出すか」を一文に入れておくと、確認の往復が減ります。場面ごとの言い方を、メール・チャット・口頭・募集ページに分けて並べました。
見積書・企画書の提出期限(制作会社・協力会社とのやり取り)
(メール・協力会社へ)◯◯展示会のブース施工について、お見積もりの提出をお願いいたします。社内の稟議にかけるため、締め切りは◯月◯日(◯)◯時とさせてください。仕様は添付の図面と要件シートのとおりです。
(メール・発注元から受けて)企画書の提出締め切りは◯月◯日(◯)◯時と承知いたしました。予算の内訳は別紙にまとめ、同じメールでお送りいたします。
(チャット・社内)◯◯社コンペの企画書、社内レビューの締め切りを◯日(◯)◯時にします。先方への提出は◯日(◯)◯時なので、それまでに修正を戻します。
(口頭・定例会議で)見積もりの締め切りは◯日の◯時です。間に合わない項目があれば、概算で先に出して、確定版は後から差し替える形でお願いします。
登壇資料・出演者プロフィールの締め切り(登壇者・出演者の事務所へ)
(メール・登壇者へ)当日投影するスライドの締め切りは◯月◯日(◯)◯時です。会場のPCで事前に表示を確かめるため、ファイルは指定のフォルダにアップロードをお願いいたします。
(メール・出演者の事務所へ)告知ページと配布パンフレットに載せるプロフィール文と写真の締め切りは◯月◯日(◯)◯時です。文字数の目安と写真の形式は添付の依頼書にまとめました。
(メール・リマインド)スライドの締め切りが◯月◯日(◯)◯時に迫ってまいりました。仮の版でもかまいませんので、一度お送りいただけますと、表示の確認を先に進められます。
(チャット・社内)◯◯さんのプロフィール、締め切りを過ぎてもまだ届いていません。パンフレットの入稿が◯日なので、今日中に事務所へ電話で確認します。
出店者・協賛企業の申込締切の告知
(募集ページの項目)出店申込締切:◯月◯日(◯)◯時(フォーム受付分まで)
(メール・出店候補へ)◯◯マルシェの出店のお申し込みは◯月◯日(◯)◯時に締め切ります。区画の数に限りがあるため、締め切り前でも埋まり次第、受付を終了いたします。
(メール・協賛候補へ)協賛のお申し込みの締め切りは◯月◯日(◯)◯時です。ロゴの掲出は印刷物の入稿に合わせるため、締め切りの後にお申し込みいただいた場合は、Webでの掲出のみとなります。
(メール・締め切り後)出店のお申し込みは、◯月◯日(◯)◯時をもって締め切りました。結果は◯月◯日(◯)までに、ご登録のメールアドレスへお送りいたします。
会場・ケータリングへの最終人数の連絡期限
(メール・会場担当者へ)懇親会の最終人数のご連絡は、◯月◯日(◯)◯時が締め切りと伺っております。その時点の申込者数をもとに、締め切りまでにご連絡いたします。
(電話・口頭で確認)最終人数の締め切りは◯日の◯時でよろしいでしょうか。その後の増減は、どこまで対応していただけるかも伺えますか。
(チャット・社内)会場への最終人数の連絡、締め切りは◯日(◯)◯時です。参加申し込みのフォームはその前日の◯時に締め切って、人数を確定させます。
(メール・参加者へ)お弁当の数を会場に伝える締め切りの都合で、参加・不参加のご回答は◯月◯日(◯)◯時までにお願いいたします。
注意
社外へのメールは本文を「締め切り」、募集ページや申込書の欄名は「出店申込締切」のように「締切」、と役割を決めておくと、告知の文面がそろいます。社内のチャットで「〆切」を使っていても、そのまま取引先への文面に貼り付けないよう気をつけます。
よくある失敗と直し方
| よくある書き方 | 気になる点 | 直した形 |
|---|---|---|
| 受付を締切ました | 動詞の送り仮名が抜けている | 受付を締め切りました |
| 一通の中に「締め切り」「締切」「〆切」が混ざる | 表記がそろわず、雑な印象を持たれることがある | 本文は「締め切り」、欄名は「締切」と役割で決めてそろえる |
| (取引先への案内で)〆切は◯日です | 略した書き方で、くだけて見える | 締め切りは◯日です |
| 締め切りは◯日です(時刻なし) | その日の朝なのか夜なのかが相手によって違って受け取られる | 締め切りは◯月◯日(◯)◯時です |
| 締め切りを延長しました。新しい締め切りは◯日です | 元の日付がなく、どこからどこへ延びたのか分からない | 締め切りを◯月◯日(◯)から◯月◯日(◯)◯時に延長しました |
| (公用文で)締切は◯日とする | 公用文の名詞は「締切り」 | 締切りは◯日とする |
| (公用文で)締切り日 | 「締切日」は送り仮名を付けない語として例に挙がっている | 締切日 |
| (郵送の募集で)締め切りは◯月◯日です | 届いた日で切るのか、消印の日で切るのかが分からない | ◯月◯日(◯)必着/◯月◯日(◯)消印有効 |
注意
表記よりも行き違いが起きやすいのは時刻と受付方法の書き忘れです。「◯日まで」だけでなく、時刻、郵送なら必着か消印有効か、フォームなら何時に閉じるかまで書きます。
送る前のチェックリスト
- 読み手は誰か(社外・一般の人なら「締め切り」、官公庁の文書なら「締切り」)を決めた
- 本文と欄名で書き方を分けるなら、そのルールが一つの文書の中でそろっている
- 動詞を「締め切る」「締め切りました」と書いている
- 社外に出す文書に「〆切」が残っていない
- 日付に曜日を添え、時刻まで書いた
- 郵送なら「必着」か「消印有効」かを書いた
- 延長・変更のときは、変更前と変更後の日付を両方書いた
覚え方
「締める」+「切る」と元の二つの動詞を思い浮かべると、送り仮名をすべて送った「締め切り」が書けます。動詞はこの形から外れません。
そのうえで、本文は「締め切り」、欄名は「締切」、役所の文書は「締切り」と「締切日」、メモは「〆切」と置く場所で決めておくと迷いません。
Point
迷ったら本文は「締め切り」、動詞は「締め切る」。一つの文書の中ではそろえる。
この記事の要点
- 「締め切り」「締切り」「締切」「〆切」は意味は同じで、送り仮名の付け方が違うだけ。
- メールや一般向けの案内の本文は「締め切り」が無難(内閣告示の本則どおり)。
- 公用文では名詞を「締切り」(内閣訓令の一覧)、「しめきりび」は「締切日」と書く。
- 動詞はどの文書でも「締め切る」「締め切りました」。
- 表記よりも大事なのは日付・曜日・時刻と受付方法まで書くこと。
FAQ
よくある質問
どちらも誤りではありません。内閣告示「送り仮名の付け方」の本則では「締め切り」で、読み間違えるおそれがなければ送り仮名を省く許容も認められています。社外向けの本文では「締め切り」、表の欄名では「締切」と使い分けると読みやすくなります。
名詞は「締切り」です。「公用文における漢字使用等について」(平成22年内閣訓令第1号)で、送り仮名を省く語の一覧に入っています。「しめきりび」は「締切日」、動詞は「締め切る」と書きます。
公用文では「締切日」です。「法令における漢字使用等について」で、送り仮名を付けない語の例に挙がっています。一般のメールなら「締め切り日」でも「締切日」でもかまいませんが、一つの文書の中ではそろえます。
社内のメモや親しい間柄のチャットでは使われていますが、略した書き方なので、取引先への文書や正式な案内では「締め切り」か「締切」で書くのが無難です。
「締め切る」です。文化審議会建議「公用文作成の考え方」は、名詞で送り仮名を省く語でも、動詞は本則に従って書くとしています。
よいです。許容の範囲の書き方なので、社内ルールがあればそれに従います。その場合も動詞は「締め切る」と書きます。
「何を・誰が・いつまでに・どうやって出すか」を一文に入れます。登壇資料なら提出先のフォルダ、出店の申し込みならフォームで何時まで受け付けるか、会場への人数連絡ならその後の増減の扱いまで書くと、確認の往復が減ります。表記は、社外のメール本文は「締め切り」、募集ページの欄名は「締切」とそろえます。
意味の違いは、デッドラインの意味と使い方の記事で「締切」「期限」「納期」と並べて整理しています。このページでは表記の選び方を扱っています。