敬語
「本年もお世話になりました」の言い換え
目上への言い方と返し方の例文
「本年もお世話になりました」は、その年の終わりに、一年分の感謝をまとめて伝える言葉です。取引先・お客様・上司など目上の相手にそのまま使えます。そのまま使える一文は「本年も大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。」。今年初めて取引した相手には「本年も」の「も」が合わず、年が明けてからは「昨年中は」に変えます。このページでは、言葉の意味と使える場面の表、丁寧さ別の言い換え、場面別のメール例文、言われたときの返し方をまとめました。
結論
「本年」は「今年」の改まった言い方です。「本年もお世話になりました」は、今年も一年間、相手に助けてもらったことへの感謝を過去形でまとめる言い方で、年末のメールや挨拶の決まり文句として使われます。前の年から付き合いがある相手には「本年も」、今年からの相手には「本年は」を使います。
「本年もお世話になりました」の意味と使える時期
「お世話になりました」は、相手に助けてもらったこと・面倒を見てもらったことへのお礼を、ひと区切りついたものとして伝える言い方です。ふだんのメールの書き出しで使う「お世話になっております」が「今も続いている」ことを表すのに対し、こちらは年の終わりという区切りで一年分を振り返ります。
使う時期は、その相手と年内最後にやり取りするときです。12月でも年内にまだ何度もやり取りが続くなら、最後の一通まで取っておくと言葉が生きます。「お世話になっております」の使い方は「お世話になっております」の意味と使い方にまとめています。
Point
「本年も」は去年からの相手、「本年は」は今年からの相手。年が明けたら「昨年中は」「旧年中は」に言い換えます。
使える場面・言い換えたほうがよい場面
| 場面 | 使い方 | 例 |
|---|---|---|
| 前年から付き合いのある取引先 | そのまま使える | 本年も大変お世話になりました |
| 今年初めて取引した相手 | 「も」を「は」に | 本年は大変お世話になりました |
| 今年一つの案件だけ関わった相手 | 案件名を入れる | このたびの◯◯では大変お世話になりました |
| 上司・先輩(社内) | 使える | 今年も一年、大変お世話になりました |
| 部下・後輩(社内) | 「ありがとう」のほうが自然なことが多い | 今年もいろいろとありがとう |
| 年が明けてから | 過去の年に言い換える | 昨年中は大変お世話になりました |
| 退職・異動で最後になる相手 | 年末の言葉ではない | これまで大変お世話になりました |
注意
退職や異動の最終日の「お世話になりました」は、年末の挨拶とは別のものです。言い方は退職の挨拶の例文を見てください。
言い換え一覧(丁寧さの段階つき)
| 言い方 | 丁寧さ | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| 本年中は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます | 最も改まった言い方 | 挨拶状・お客様向けの文書 |
| 本年も格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました | 改まった言い方 | お客様・取引先への年末のメール |
| 本年中は大変お世話になりました | 改まった言い方 | 取引先・上司への挨拶 |
| 本年も大変お世話になりました | 丁寧 | 社内外どちらにも使いやすい |
| 今年も一年、大変お世話になりました | 丁寧(話し言葉寄り) | 口頭・社内の上司 |
| 今年もいろいろとありがとうございました | 標準 | 社内の先輩・同僚 |
| 今年もありがとう | くだけた言い方 | 同僚・後輩・親しい相手 |
「本年中は」は「今年一年のあいだ」をはっきり示す改まった言い方で、手紙や挨拶状に向きます。「ご厚情」「お引き立て」は改まった文書向けの言葉なので、ふだんのメールでは「大変お世話になりました」で十分です。お客様向けの「ご愛顧」との使い分けは「ご高配」と「ご愛顧」の違いにあります。
決まり文句だけで終わらせず、今年助けてもらった具体的なことを一つ添えると、形だけの挨拶になりません。
場面別のメール例文
前年から付き合いのある取引先へ
件名:年内最後のご連絡(株式会社△△ □□)
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
本年も大変お世話になりました。
特に◯月の◯◯では、急な日程の変更にも快くご対応いただき、本当に助かりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年初めて取引した相手へ
件名:本年のお礼(株式会社△△ □□)
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
本年は◯◯のご縁をいただき、大変お世話になりました。
初めてのお取引にもかかわらず、細かなご相談にも丁寧にお答えいただき、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
一つの案件だけ関わった相手へ
件名:◯◯の件のお礼
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
このたびの◯◯では大変お世話になりました。おかげさまで、無事に終えることができました。
また機会がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
寒さが厳しくなってまいりましたので、どうぞご自愛のうえ、良いお年をお迎えください。
お客様への改まったお礼
件名:本年のご愛顧へのお礼
◯◯様
いつも◯◯をご利用いただき、ありがとうございます。
本年も格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました。
来年も皆様のお役に立てるよう努めてまいりますので、変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
上司へ(社内)
件名:今年一年のお礼
◯◯課長
お疲れさまです。□□です。
今年も一年、大変お世話になりました。
◯◯の担当になってから、判断に迷うたびに相談に乗っていただき、ありがとうございました。
来年もご指導のほど、よろしくお願いいたします。
年が明けてから(言い換えの例)
件名:新年のご挨拶(株式会社△△ □□)
◯◯様
新年あけましておめでとうございます。株式会社△△の□□です。
昨年中は大変お世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
注意
社内の部下・チームに向けた一年のお礼は一年のお礼を伝える社内メール、年明けの挨拶メールは新年の挨拶メールの例文にまとめています。
よくある間違い
| 書きがちな言い方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| (今年からの相手に)本年もお世話になりました | 「も」は前の年からの付き合いを前提にした言い方 | 本年は大変お世話になりました |
| (年明けに)本年もお世話になりました | 年が明けると「本年」は新しい年を指す | 昨年中は大変お世話になりました |
| (上司に)今年もお世話様でした | 「お世話様」は目上には軽いと受け取る人もいる | 今年も大変お世話になりました |
| 本年もお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします | 年末に「本年も」を二度使うと、どの年を指すか分かりにくい | 本年もお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします |
| 決まり文句だけを並べる | 誰にでも送れる文面に見える | 今年助けてもらった具体的なことを一つ添える |
「本年もお世話になりました」と言われたときの返し方
返すときは「こちらこそ」から始めて、同じくお礼を返します。相手が具体的に触れてくれたことがあれば、それに一言応えると丁寧です。
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご丁寧にありがとうございます。
こちらこそ、本年は大変お世話になりました。
◯◯の件では、こちらの急なお願いにも合わせていただき、ありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
口頭なら「こちらこそ、大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします」で十分です。
この記事の要点
- 「本年もお世話になりました」は一年分のお礼を年末にまとめて伝える言葉。目上にも使える。
- 今年からの相手には「本年は」。「も」は前の年からの付き合いが前提。
- 年が明けたら「昨年中は」に言い換える。
- 改まった文書では「本年中は格別のご厚情を賜り」。ふだんのメールは「大変お世話になりました」で十分。
- 返すときは「こちらこそ、本年は大変お世話になりました」。
FAQ
よくある質問
使えます。取引先・お客様・上司への年末の挨拶としてそのまま使える丁寧な言い方です。改まった文書では「本年中は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます」とします。
「も」は前の年からの付き合いを前提にした言い方なので、今年からの相手には「本年は大変お世話になりました」とするほうが自然です。
年が明けると「本年」は新しい年を指すので、「昨年中は大変お世話になりました」「旧年中は大変お世話になりました」と言い換えます。
「こちらこそ、本年は大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします」と、「こちらこそ」から始めて同じくお礼を返します。
意味は同じで、「本年」のほうが改まった言い方です。取引先へのメールや文書では「本年」、口頭や社内では「今年」を使うことが多いです。