ビジネス用語
ベンダーとは?意味と使い方
取引先・発注先の呼び方と例文
「ベンダー」は、製品やサービスを売る・提供する会社のことです。日本語に言い換えるなら「販売元」「納入業者」「取引先」。使った一文は「申込システムのベンダーを三社に絞って、見積を比べましょう。」。特に IT の仕事では、システムやソフトウェアを開発・販売する会社を指して使われることが多い言葉です。社内では便利な言葉ですが、相手の会社に向かって「ベンダーさん」と呼ぶと、気にする人もいます。このページでは、意味と語源、似た呼び方との違い、会議・メール・チャットの例文、相手に向けた呼び方をまとめました。
結論
「ベンダー」は英語のvendorから来た言葉です。vendor は一般に物を売る人・売り手・販売業者を表します(自動販売機を表す vending machine も同じ系統の語です)。日本の職場では、製品やサービスを自社に納める会社、IT の分野ではシステム・ソフトウェア・機器を提供する会社を指して使われます。
「ベンダー」の意味と語源
英語の vendor は、品物を売る側を表す語として使われます。日本語の「ベンダー」も売る側・提供する側の会社を指し、自社から見て買う・発注する相手を呼ぶときに使われます。
業界によって、指す相手が少しずつ違います。
| 業界・場面 | 指している会社 | よくある言い方 |
|---|---|---|
| IT・システム | システムやソフトウェアを開発・販売する会社 | ITベンダー、システムベンダー |
| 製造・調達 | 部品や資材を納める会社 | 部品ベンダー、ベンダーの選定 |
| 小売・流通 | 店に商品を納める問屋・メーカー | ベンダーとの商談 |
| イベント・催し | 機材・設営・ケータリングなどを提供する会社 | 外部ベンダー、ベンダーの手配 |
Point
「ベンダー」は「売ってくれる側・納めてくれる側の会社」。自社が発注する立場から見た呼び方です。
注意
屋外のイベントなどで出店する人・屋台の店主を「ベンダー」と呼ぶこともあります。出店者を集める話は出店者募集の文章と募集要項にまとめています。
使い方の例文(会議・メール・チャット)
会議で(社内)
参加者の管理システムは、今のベンダーとの契約が年度末で切れるので、ほかのベンダーの提案も聞いてから決めたいと考えています。
音響と照明は別々のベンダーに頼むと当日の連絡が増えるので、まとめて受けてもらえるところを探しましょう。
チャットで(社内)
フォームの不具合、ベンダー側の問題か、こちらの設定の問題か切り分けてもらえますか?
ケータリングの業者さん、前回と同じところにお願いする方向で見積をもらっておきます。
メールで(社内の上司へ)
件名:申込システムの選定についてのご報告
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
来期の申込システムについて、◯社から提案と見積をいただきました。
・A社:費用は抑えられるが、英語の申込画面がない
・B社:英語に対応、導入までの期間が長め
・C社:現在の取引先。移行の手間が少ない
比較表を添付いたしましたので、ご確認いただけますでしょうか。
メールで(取引先へ・呼び方を言い換えた形)
件名:◯◯運営に関わる皆さまとの事前打ち合わせのご案内
関係各社の皆さま
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯月◯日(◯)の◯◯に向けて、設営・音響・ケータリングをご担当いただく皆さまとの事前打ち合わせを行います。
・日時:◯月◯日(◯)◯時から
・場所:◯◯(オンライン参加も可能です)
お忙しいところ恐縮ですが、ご出席いただけますと幸いです。
注意
取引先に向けた文面では「ベンダー各位」とせず、「関係各社の皆さま」「協力会社の皆さま」とすると角が立ちません。イベントの外注先の選び方はイベント協力会社の選び方、提案の頼み方はイベントのRFP・提案依頼書の書き方を参考にしてください。
似た言葉・呼び方との違い
| 言葉 | 表す内容 | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| ベンダー | 製品・サービスを売る・提供する会社 | IT・調達の社内の話 |
| サプライヤー | 原材料・部品・商品を供給する会社 | 製造・調達の話 |
| メーカー | 製品をつくる会社 | 製品の出どころを言うとき |
| 取引先 | 取引のある会社全般(売る側・買う側の両方) | 社内外どちらにも使いやすい |
| 委託先・外注先 | 業務を任せている会社 | 業務委託・外注の話 |
| 協力会社・パートナー | 一緒に仕事を進める会社(敬意を込めた呼び方) | 相手に向けた文面 |
「ベンダー」と「サプライヤー」はどちらも自社に何かを提供する会社ですが、IT の仕事では「ベンダー」、製造の仕事では「サプライヤー」がよく使われる、という傾向で使い分けられています。「取引先」は売る側にも買う側にも使えるので、迷ったときに使いやすい言い方です。外部に業務を任せること自体の言い方はアウトソーシングの意味と使い方にまとめています。
社外・目上の人に使ってよいか
「ベンダー」は IT・調達の分野では普通に使われる言葉で、それ自体が失礼な言葉ではありません。ただ、発注する側から見た呼び方なので、相手の会社に向かって「ベンダーさん」「ベンダー各位」と書くと、立場の上下を感じさせると気にする人もいます。相手に向けては会社名か、次のような言い方が無難です。
| 相手・場面 | おすすめの言い方 |
|---|---|
| 社内の会議・資料 | ベンダー/取引先/◯◯(会社名) |
| 相手の会社に向けたメール | ◯◯株式会社 ◯◯様/貴社 |
| 関係する複数の会社への一斉連絡 | 関係各社の皆さま/協力会社の皆さま |
| お客様への説明 | システムの提供元/製造元 |
| カタカナ語に慣れていない相手 | 取引先/納入業者/販売元 |
使うときに気をつけたいこと
| ありがちな言い方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| 相手の会社に「ベンダーさん」 | 発注する側からの呼び方で、上下を感じさせると気にする人もいる | ◯◯さん(会社名)/御社(文書では貴社) |
| ベンダーに丸投げしておきます | 相手に任せきりにしている印象を与え、確認も漏れやすい | ◯◯までは先方、◯◯は社内で確認します |
| 「ベンダーのせいで遅れた」と社外に説明 | 責任を外に押しつけているように聞こえる | 自社の窓口として、遅れの経緯と今後の対応を説明する |
| 業者・ベンダー・パートナーを一通の中で混ぜる | 同じ会社を指しているのか分かりにくい | 一通の中では呼び方をそろえる |
注意
発注する側と受ける側の取引には、守るべきルールがある場合もあります。発注の条件の決め方で迷ったら制作会社・フリーランスへの発注と下請法を参考に、担当部署へ確認してください。発注の連絡そのものは発注メールの例文にまとめています。
この記事の要点
- 「ベンダー」は製品やサービスを売る・提供する会社。
- 日本語なら「販売元」「納入業者」「取引先」。
- IT の仕事ではシステム・ソフトウェアを提供する会社を指すことが多い。
- 製造では「サプライヤー」、迷ったら「取引先」が使いやすい。
- 相手の会社には「ベンダーさん」と呼ばず、会社名や「関係各社の皆さま」で。
FAQ
よくある質問
製品やサービスを売る・提供する会社のことです。IT の仕事では、システムやソフトウェアを開発・販売する会社を指して使われることが多い言葉です。
どちらも自社に何かを提供する会社を指します。IT の分野では「ベンダー」、製造や調達の分野では原材料・部品を納める会社を「サプライヤー」と呼ぶことが多い、という使い分けの傾向があります。
失礼な言葉ではありませんが、発注する側からの呼び方なので、立場の上下を感じさせると気にする人もいます。相手に向けては会社名や「御社」(文書では「貴社」)、複数の会社には「関係各社の皆さま」とするのが無難です。
「販売元」「納入業者」「提供元」「取引先」などに言い換えられます。社外のメールでは「取引先」や会社名を使うと自然です。
設営・音響・照明・ケータリングなど、イベントに必要な機材やサービスを提供する会社を指すことが多いです。屋外の催しでは、出店する店を「ベンダー」と呼ぶこともあります。