見積
イベント見積書の書き方と記入例
費目一覧・備考の文例・チェックリスト
イベントの見積書で揉めるのは、金額の高さより「これは入っていると思っていた」という認識のズレです。この記事では、そのまま写して使える記入例と備考欄の文例を先に示し、費目の一覧、形式別の注意、提出前の確認までを順に扱います。
結論
イベント見積書は①書式(宛名・見積番号・発行日・有効期限・合計金額と税の表示)②内訳(大項目→細目ごとに数量・単位・単価・金額)③条件(含むもの・含まないもの・前提条件・追加費用の条件・支払条件)の3層で書きます。金額の妥当性より先に問われるのは③で、ここが空欄の見積書は精算で揉めます。
結論:見積書は3つの層で書く
| 層 | 書くもの | ここが抜けると |
|---|---|---|
| ①書式 | 宛名、件名、見積番号、発行日、有効期限、発行者、合計金額(税抜か税込かを明示) | どの版の見積かが分からず、古い金額で発注される |
| ②内訳 | 大項目→細目、数量・単位・単価・金額、小計 | 総額しか議論できず、減額が値引きの話になる |
| ③条件 | 含むもの、含まないもの、前提条件、追加費用の条件、支払条件 | 「入っていると思った」で精算時に揉める |
Point
迷ったら③の「含まないもの」から書き始めてください。範囲の外側が決まると、内訳に何を立てるべきかも自然に決まります。
記入例:社内表彰式(ホテル宴会場・1日)の見積書
架空の案件で、内訳の書き方を示します。金額は案件ごとに大きく変わるため伏せ字にしています。実際には、取った見積と自社の過去案件の精算から埋めてください。
| 大項目 | 細目 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 企画・制作費 | 企画・構成、台本作成 | 1 | 式 | ◯◯ | ◯◯ |
| 投影資料・受賞者紹介映像の制作 | 6 | 本 | ◯◯ | ◯◯ | |
| 会場費 | 宴会場使用料(搬入出を含む時間帯) | 1 | 日 | ◯◯ | ◯◯ |
| 会場備品使用料(演台・プロジェクター) | 1 | 式 | ◯◯ | ◯◯ | |
| 設営・施工費 | ステージ背面パネル・看板 | 1 | 式 | ◯◯ | ◯◯ |
| 設営・撤去作業 | 1 | 式 | ◯◯ | ◯◯ | |
| 会場図面の作成 | 1 | 式 | ◯◯ | ◯◯ | |
| 音響・照明・映像 | 音響機材+オペレーター | 1 | 式 | ◯◯ | ◯◯ |
| 映像送出機材+オペレーター | 1 | 式 | ◯◯ | ◯◯ | |
| 運営費 | ディレクター | 2 | 人日 | ◯◯ | ◯◯ |
| 受付・誘導スタッフ | 6 | 人日 | ◯◯ | ◯◯ | |
| 司会者 | 1 | 名 | ◯◯ | ◯◯ | |
| 記録撮影(写真) | 1 | 式 | ◯◯ | ◯◯ | |
| 制作物・印刷 | 式次第・席次表の印刷 | 1 | 式 | ◯◯ | ◯◯ |
| 表彰状・目録のデザイン | 1 | 式 | ◯◯ | ◯◯ | |
| 出演費 | 表彰プレゼンター(外部ゲスト)出演料 | 1 | 名 | ◯◯ | ◯◯ |
| 同 交通費・宿泊費 | 1 | 式 | 実費 | 実費 | |
| 管理費 | 進行管理・手配管理(上記の合計×◯%) | 1 | 式 | — | ◯◯ |
| 小計 | ◯◯ | ||||
| 消費税 | ◯◯ | ||||
| 合計(税込) | ◯◯ |
備考欄の記入例(この案件の場合)
- 本見積の有効期限は発行日から◯日です。
- 会場使用料は会場の◯月◯日時点の料金表に基づきます。
- 搬入は前日◯時以降、撤去は当日◯時までの前提です。時間帯が変わる場合は人件費を再見積します。
- 受賞者紹介映像は◯本、修正は各2回までを含みます。
- 含まないもの:飲食(会場と直接ご契約)、参加者の交通費、記録映像の編集、写真の二次利用の許諾取得、表彰の副賞。
- ゲストの交通費・宿泊費は実費でご請求します。
- お支払い:開催月末締め、翌月末払い。
注意
数量の単位は「人日」「台・日」「本」「部」のように、増減したときに計算し直せる単位で書きます。「1式」は中身が増減しない作業に限ると、仕様変更の話し合いが楽になります。
費目一覧:10の大項目と細目
大項目を固定しておくと、案件が変わっても抜けに気づけます。細目は案件に合わせて足し引きしてください。費目の考え方はイベント予算の立て方と内訳にもまとめています。
| 大項目 | 主な細目 | 単位の例 | 抜けやすいもの |
|---|---|---|---|
| 会場費 | 施設使用料、付帯設備・備品使用料、控室 | 日・時間・室 | 搬入出の時間帯の使用料、延長料金 |
| 企画・制作費 | 企画構成、台本、投影資料、映像、サイン類のデザイン | 式・本 | 修正回数を超えた分 |
| 運営費 | ディレクター、進行、受付、誘導、司会、記録撮影 | 人日・名 | 前日リハーサルの人件費、スタッフの食事 |
| 設営・施工費 | ステージ、背面パネル、造作、看板、電気工事、レンタル什器、設営撤去 | 式・台・日 | 会場図面の作成、廃材・ごみの処理 |
| 音響・照明・映像 | 音響機材、照明機材、プロジェクター・LED、オペレーター | 式・台・日 | リハーサル日の機材費、予備のマイク |
| 配信費 | 配信機材、配信オペレーター、回線、配信プラットフォーム | 式・日 | 会場の回線工事、アーカイブの編集 |
| 制作物・印刷 | パンフレット、名札、式次第、ノベルティ | 部・個 | 刷り直し、配送費 |
| 告知・集客費 | 特設サイト、広告出稿、プレスリリース配信 | 式・月 | 申込フォームの運用、問い合わせ対応 |
| 出演費 | 出演料、交通費、宿泊費、食事、控室の飲料 | 名・式 | マネージャー同行分の交通費 |
| 管理費・諸経費・保険 | 進行管理費、イベント保険、雑費、予備費 | 式 | 保険、雨天時の追加資材 |
イベントの形式ごとに増える費目と、備考に書く条件
| 形式 | 増える費目 | 備考に書いておく条件 |
|---|---|---|
| セミナー・講演会 | 登壇者の出演料、投影機材、受付 | 登壇者数、質疑の有無、資料の印刷部数 |
| 展示会ブース | ブース施工、電気工事、什器レンタル、運搬 | 主催者規定の電源容量、搬入出の時間帯、施工の指定業者 |
| 式典・表彰式 | 台本、映像、表彰状・目録、記録撮影 | リハーサルの日時、受賞者数、副賞を含むか |
| 懇親会・パーティー | 飲食、司会、余興、装飾 | 人数の確定日、追加人数の単価、持込料 |
| 屋外イベント | テント・仮設設備、電源車・発電機、警備、仮設トイレ | 荒天時の判断時刻と中止時の費用、許認可の取得者 |
| オンライン・ハイブリッド | 配信機材、配信オペレーター、回線、スタジオ | 回線の手配者、視聴者数の想定、アーカイブを含むか |
屋外や道路の使用を伴う場合、許可の取得を誰が行うかで見積の範囲が変わります。必要な手続きはイベントの許可・届出一覧にまとめています。
書式の必須項目と書き方
| 項目 | 書き方 | 抜けると起きること |
|---|---|---|
| 宛名・件名 | 会社名+部署名+担当者名、案件名・開催日・会場名 | 並行案件で取り違える |
| 見積番号・版 | 「EST-◯◯-02(第2版)」のように版を付ける | 古い版で発注される |
| 発行日・有効期限 | 発行日から◯日、または「◯月◯日まで」 | 数か月後に同じ金額を求められる |
| 合計金額と税の表示 | 小計・消費税・合計を分け、税抜か税込かを明記 | 税込と税抜の取り違えで差額が出る |
| 内訳 | 大項目→細目、数量×単価 | 減額の相談が値引きの話になる |
| 含むもの | 作業範囲、修正回数、立会日数 | 範囲外の作業を無償で求められる |
| 含まないもの | 別途費用・別途契約になるもの | 精算で最も揉める |
| 前提条件 | 搬入出時間、電源容量、指定業者の有無、人数 | 条件が変わっても増額を説明できない |
| 追加費用の条件 | どうなったら、いくら(どの単価で)追加になるか | 追加のたびに一から交渉になる |
| 支払条件 | 締め日と支払日、着手金の有無 | 資金繰りが狂う |
| 発行者 | 会社名、住所、担当者、連絡先 | 問い合わせ先が分からない |
内訳の組み方:大・中・小の見出しと「一式」の使い方
内訳は大項目(費目)→中項目(場所や演目)→細目(作業・機材)の3段にすると、相手が「この演目をやめたらいくら下がるか」を自分で読めるようになります。中項目は、会場が複数のエリアに分かれる案件や、演目ごとに出し入れが検討される案件で特に効きます。
| 「一式」で書いてよいもの | 分けて書くべきもの |
|---|---|
| 中身が増減しない作業(会場図面の作成、企画構成) | 人数や日数で増減するもの(スタッフ、機材の日数) |
| 相手が中身の調整を望んでいないもの | 相手が削る候補に挙げそうなもの(装飾、映像の本数) |
| 細目を書くと逆に分かりにくい小額の雑費 | 外部への支払いが大きいもの(出演料、施工) |
注意
「一式」と書いた行には、備考で何が入っているかを一行添えてください。「設営・撤去作業一式(作業員◯名×◯時間を想定)」と書くだけで、後の増減が説明できます。
備考欄の文例:含まないもの・前提条件・追加費用
そのまま写して、◯を埋めて使えます。その案件で起こりそうなものを5〜8項目選び、過去に揉めた項目は必ず入れてください。
含まないもの
- 飲食費は含みません(会場と直接ご契約ください)。
- 参加者・出演者の交通費、宿泊費は含みません(出演者分は実費でご請求します)。
- 記録映像の編集、アーカイブ配信用の再編集は含みません。
- 写真・映像の二次利用に関する許諾の取得は含みません。
- 御社が直接発注される業者の手配・進行管理は含みません。
- 会場の原状回復のうち、通常の清掃を超える復旧は含みません。
前提条件
- 搬入は◯月◯日◯時以降、撤去は同日◯時までを前提としています。
- 使用する電源は会場の既設電源(◯系統)の範囲を前提としています。
- 参加人数◯名を前提としています。人数の確定は開催◯日前までにお願いします。
- 会場の指定業者がいる場合、その業者の費用は含みません。
追加費用の条件
- デザインの修正は初校+修正2回までを含みます。以降は1回あたり◯円です。
- ◯月◯日以降の仕様変更は、内容を伺ったうえで別途お見積りします。
- ◯時から翌朝◯時までの深夜帯の作業は、該当する人件費に割増(◯%)がかかります。
- 荒天による日程変更・中止の場合、それまでに発生した費用と、手配済みでキャンセルできない費用をご請求します。
- 人数が前提から増える場合、1名あたり◯円を追加します。
受け取った側が複数社を並べて比べるときの見方はイベント会社の見積書を比較する時のポイントに、契約書に移すときの論点はイベント制作の契約書にまとめています。
予備費と管理費の書き方
予備費と管理費は、割合をよそから借りてこないでください。自社の過去案件で、確定見積の総額と精算額がどれだけ離れたかを並べると、自社に必要な予備費の幅が出ます。過去案件が少ないうちは「予備費◯円(使わなかった分は精算時に減額)」と明示行にしておくと、相手にも説明しやすくなります。
| 書き方 | 向いている場面 | 注意 |
|---|---|---|
| 予備費を明示行にする | 仕様が固まりきっていない案件、初めての取引先 | 使い道と、使わなかったときの扱いを備考に書く |
| 各費目に含める | 仕様が固まった確定見積 | 減額交渉で根拠なく削られやすい |
| 管理費を割合で書く | 外部手配が多い案件 | 「外部手配分の合計×◯%」のように、掛ける対象を明記する |
公的な単価(公共工事設計労務単価など)を根拠に人件費を示したい場合は、イベント費用の公開単価を参照してください。
概算見積と確定見積を分ける
段階に応じて2種類の見積を使い分けます。混同すると「概算のつもりが確定と受け取られる」事故が起きます。
| 種類 | 出すタイミング | 金額の出し方 | 書面に書くこと |
|---|---|---|---|
| 概算見積 | 初回提案時、会場や人数が未確定 | 上下の幅(レンジ)で示す | 表題に「概算」、前提条件、確定見積を出す時期 |
| 確定見積 | 会場・仕様・人数の確定後 | 数量×単価で一点の金額 | 版番号、概算からの変更点 |
概算の段階では必ずレンジで出してください。一点の金額を出すと、後から増額するときに説明が難しくなります。レンジの幅は、類似の過去案件で概算と精算がどれだけ離れたかを根拠にすると伝わります。確定見積には「第1版の概算から変わった点」を一覧で添えると、承認が早くなります。
支払条件と消費税の書き方
- 税の表示:小計・消費税・合計を分け、合計が税込か税抜かを明記します。請求書の段階では、適格請求書発行事業者は登録番号や税率ごとの消費税額等を記載する必要があるため(消費税法第57条の4第1項)、見積の段階から税率ごとに分けて書いておくと請求書へ移しやすくなります。出演者に請求書を出してもらう場合の注意は出演者のインボイスと請求書を参照してください。
- 支払期日:自社が制作会社やフリーランスに発注する側で、下請法(現 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律)の対象となる取引では、支払期日は給付を受領した日から起算して60日の期間内で、できる限り短く定める必要があります(同法第3条第1項)。対象になるかは資本金の区分と取引の内容で決まるため、自社の取引で確認してください。
- 着手金:外部への支払いが先に発生する案件(出演料の前払い、施工資材)は、着手金の有無と時期を書きます。
見積書を送るときの文例
見積書は添付して送るだけでなく、本文に前提を一行添えると誤読が減ります。
概算見積を送る場合
件名:【概算見積】◯◯表彰式(◯月◯日開催)
◯◯株式会社 ◯◯様
先日はお打合せのお時間をいただき、ありがとうございました。ご相談いただいた内容をもとに、概算のお見積りをお送りします。会場と参加人数が未確定のため、金額は幅でお示ししています。前提条件は備考欄に記載しましたので、異なる点がございましたらお知らせください。条件が固まり次第、確定のお見積りをお送りします。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
条件変更で再見積を送る場合
件名:【再見積・第2版】◯◯表彰式
◯◯株式会社 ◯◯様
搬入時間の変更を承り、お見積りを改めました。変更点は、搬入が深夜帯になったことによる設営スタッフの人件費のみです。第1版との差額と内訳は、2ページ目にまとめています。ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
送付メールの文例は見積書送付メールに場面別でまとめています。
よくある失敗と対策
| 失敗 | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| 総額だけの見積 | 減額が値引きの交渉になり、粗利が削られる | 大項目→細目で数量×単価を出す |
| 何でも「一式」 | 仕様を減らしても金額が下がらないと疑われる | 増減するものは単位を付けて分ける |
| 含まないものが空欄 | 飲食・交通費・編集などを無償で求められる | その案件で起こりそうなものを5〜8項目書く |
| 版を付けない | 古い版の金額で発注書が届く | 見積番号に版を付け、変更点を添える |
| 概算を一点で出す | 確定時の増額が「話が違う」になる | 概算はレンジで、前提条件とセットで出す |
| リハーサル日を忘れる | 前日分の人件費・機材費が赤字になる | 日数を「本番◯日+リハーサル◯日」と書く |
| 税込・税抜の混在 | 細目は税抜、合計は税込などで差額が出る | 表の上部に税の扱いを一行で明記する |
| 有効期限なし | 半年後に同じ単価を求められる | 期限と、単価の基準時点を書く |
提出前チェックリスト
- 宛名・件名・開催日・会場名が正しい
- 見積番号に版が付いており、概算か確定かが表題で分かる
- 発行日と有効期限、単価の基準時点を書いた
- 大項目→細目の内訳になっており、数量×単価が分かる
- リハーサル日・搬入出日の人件費と機材費が入っている
- 「一式」の行には、中身を一行添えた
- 「含まないもの」を5項目以上書いた
- 前提条件(搬入出時間・電源・指定業者・人数)を書いた
- 追加費用の条件を、単価または計算方法で書いた
- 小計・消費税・合計が分かれ、税込か税抜かを明記した
- 支払条件(締め日・支払日・着手金)を書いた
- 社内の原価と粗利を確認した
- 過去の類似案件の精算額と比べ、極端に外れていない
即答できる状態をつくる
見積で価値が出やすいのは速さです。打合せの場で概算の幅を返せると、それだけで他社との差になります。そのためには、過去案件の費目別の精算がすぐ引き出せる状態が必要です。
PRODUCER AGENTは、案件規模と条件から類似案件の実績をもとに予算レンジを推計し、根拠を添えて返します。数値はすべてツールの計算結果をそのまま使い、暗算や推測での生成は行いません。見積のたたき台は .pptx で出力できます。詳しくは見積・予算の機能をご覧ください。費目一覧つきの予算管理表はテンプレート一覧から登録不要でダウンロードできます。
この記事の要点
- 見積書は①書式②内訳③条件の3層で書く。揉めるのは③が空欄のとき。
- 内訳は大項目→細目で数量×単価を出す。「一式」は増減しない作業だけにする。
- 「含まないもの」は案件に合わせて5〜8項目。過去に揉めた項目は必ず入れる。
- 概算はレンジで、前提条件と確定見積の時期をセットで出す。版番号を付ける。
- 予備費・管理費の割合は、自社の過去案件の見積と精算の差から決める。
FAQ
よくある質問
宛名・件名・見積番号・発行日・有効期限・合計金額などの書式、大項目と細目ごとの数量・単価・金額の内訳、含むもの・含まないもの・前提条件・追加費用の条件・支払条件です。なかでも「含まないもの」を具体的に書くほど、精算時の認識のズレが減ります。
会場費、企画・制作費、運営費、設営・施工費、音響・照明・映像、配信費、制作物・印刷、告知・集客費、出演費、管理費・諸経費・保険の10の大項目を固定し、その下に案件ごとの細目を立てると抜けに気づけます。
中身が増減しない作業なら問題ありません。スタッフの人数や機材の日数のように増減するものは、単位を付けて分けて書いてください。「一式」と書いた行にも、備考で中身を一行添えておくと、後から増減の説明ができます。
一律の正解はなく、単価が動く外部手配(会場・機材・出演者)が多いほど短めに設定します。開催が先の案件では「◯月時点の単価に基づく」と単価の基準時点も明記し、直前に再見積する前提を共有しておくと安全です。
金額だけを下げるのではなく、範囲を減らす形で応じてください。「装飾の範囲を主動線のみに絞ることで◯円下がります」と仕様とセットで示すと、粗利を守りながら合意できます。内訳が細目まで分かれていると、この提案がしやすくなります。
概算時の前提条件と、何が変わったかを対比で示すのが明快です。「当初は日中搬入の前提でしたが、会場の都合で深夜搬入となったため、人件費が◯円増えます」という形です。前提条件を見積書に書いておくことが、この説明を可能にします。
総額ではなく、含まれる範囲を比べる話に持ち込んでください。修正回数、立会日数、リハーサル日、予備費、保険の有無を並べると、他社の見積に入っていない項目が見つかることが多く、「同じ条件に揃えるといくらか」という議論に変わります。
費目一覧つきの予算管理表(Excel)をテンプレート一覧で配っています。相場の金額は入れていないので、取った見積の実額を入れて使ってください。この記事の記入例の表を写して使うこともできます。