社内文書
理由書の書き方と例文
社内・社外に出す理由書の基本形
理由書は、ある事柄について「なぜそうなったか」「なぜそうするのか」を説明するための文書です。書く順番は何についての理由書か→結論→理由→今後の対応→結び。謝罪や反省を中心に書く始末書と違い、理由書で大切なのは事実をそのまま、順を追って書くことです。たとえば次のような形です。
見本:「◯◯報告書の提出遅延について、下記のとおり理由を申し述べます。提出は◯月◯日となりました。理由は、集計に使う◯◯のデータが◯日まで確定しなかったためです。今後は、データが遅れる見込みの時点で期限の相談をいたします。」
このページでは、社内・社外に出す理由書の一般的な形と、場面別の記入例を並べました。提出先が様式や書く項目を決めている場合は、その指定に従ってください。
結論
理由書は①日付・宛名・差出人 ②件名(◯◯についての理由書) ③前文(下記のとおり理由を申し述べます) ④結論(何が・どうなったか/どうしたいか) ⑤理由(事実を順に) ⑥今後の対応 ⑦結び(以上)で構成します。役所や取引先に出すものは、提出先の様式・指定の項目を優先します。
理由書に書く項目の一覧
| 項目 | 書くこと | 書き方のコツ |
|---|---|---|
| 日付 | 提出する日 | 書類全体で和暦か西暦かをそろえる |
| 宛名 | 提出先の会社名・部署・役職・氏名 | 社内なら役職と氏名 |
| 差出人 | 会社名・部署・氏名(必要なら押印) | 押印の要否は提出先や会社の決まりに従う |
| 件名 | 何についての理由書か | 「◯◯の遅延に関する理由書」など対象を入れる |
| 結論 | 何が・どうなったか(どうしたいか) | 最初の一文で言い切る |
| 理由 | そうなった(そうする)事情 | 事実を時系列で。推測は推測と書く |
| 今後の対応 | 次にどうするか | 期日・担当を具体的に |
| 結び | 以上 | 社外ならお詫びやお願いの一文を添えることもある |
Point
理由は「事実」と「自分の考え」を分けて書きます。「◯日にデータが届いた」は事実、「もっと早く届くと思っていた」は考えです。理由書では事実を中心に書き、考えを書く場合は「〜と判断しました」と、そう判断したことが分かる書き方にします。
始末書・顛末書との違い
| 書類 | 中心になること | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 理由書 | なぜそうなったか・なぜそうするか | 期限の遅れ、例外的な手続き、変更の説明 |
| 顛末書 | 何が起きたかの経緯と原因・対策 | 事故やトラブルの報告 |
| 始末書 | 自分の過失への反省とお詫び | ミスや規則違反があったとき |
三つの呼び方や使い分けは会社や提出先によって違います。会社から書類の名前を指定されたら、その名前で出します。起きたことの流れを時系列で説明する書類は経緯書の書き方にまとめています。経緯を詳しく報告する書き方は顛末書の書き方、反省とお詫びを書く書き方は始末書の書き方にまとめています。
理由書のテンプレート(コピーして使える形)
社内向け
令和◯年◯月◯日
◯◯部長 ◯◯◯◯様
◯◯部 ◯◯◯◯
◯◯に関する理由書
◯◯について、下記のとおり理由を申し述べます。
記
1.事柄:◯◯(何が・どうなったか)
2.理由:◯◯のため。
3.今後の対応:◯◯いたします。
以上
社外向け
令和◯年◯月◯日
株式会社◯◯
◯◯部 ◯◯◯◯様
株式会社△△
◯◯部 ◯◯◯◯
◯◯に関する理由書
拝啓 平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、◯◯につきまして、下記のとおり理由をご説明申し上げます。
ご迷惑をおかけいたしますことを、深くお詫び申し上げます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
記
1.事柄:◯◯
2.理由:◯◯
3.今後の対応:◯◯
以上
注意
社外向けで「拝啓」を使ったら「敬具」で結び、その後に「記」として項目を並べます。社内向けでは頭語と結語は不要です。「記」を使ったら、最後に「以上」を書きます。
記入例(場面別)
社内:書類の提出が期限に遅れた理由
◯月分売上報告書の提出遅延に関する理由書
◯月分売上報告書の提出が、期限の◯月◯日から◯月◯日に遅れましたので、理由を申し述べます。
理由:集計に使う◯◯店のデータが、システムの不具合により◯月◯日まで確定しなかったためです。
今後の対応:データの確定が遅れる見込みの時点で、提出期限について◯◯部長にご相談いたします。
社内:領収書を提出できない理由
領収書未提出に関する理由書
◯月◯日の◯◯(◯◯円)について、領収書を提出できないため、理由を申し述べます。
理由:◯◯での支払いの際、領収書を受け取ったものの、帰社までに紛失したためです。支払いの記録として、◯◯の利用明細を添付いたします。
今後の対応:領収書は受け取った日のうちに精算用の封筒に入れて保管いたします。
領収書がない場合に経費として認めるかどうか、どの書類で代わりにするかは会社の決まりに従います。先に経理の担当者に相談してから書くと、二度手間になりません。
社内:指定以外の業者に発注したい理由
◯◯の発注先に関する理由書
◯◯の制作について、通常の発注先である◯◯社ではなく、△△社への発注を希望します。
理由:◯◯社に◯月◯日に問い合わせたところ、希望する納期(◯月◯日)に対応できないとの回答があったためです。△△社は同じ仕様で納期に対応でき、見積額は◯◯円(税込)です。
添付:両社の回答メールの写し、△△社の見積書
社内:通勤経路が最短でない理由
通勤経路に関する理由書
通勤経路を◯◯経由とすることについて、理由を申し述べます。
理由:最短の経路である◯◯線は、◯◯駅での乗り換えに階段の上り下りが多く、現在◯◯のため階段の利用が難しいためです。
期間:◯月◯日まで(その後は最短経路に戻します)
注意
通勤経路や通勤手当の扱いは会社ごとに違います。就業規則を確認し、人事・総務の担当者の指示に従ってください。
社外:見積額が前回から上がった理由
お見積額の変更に関する理由書
このたびお送りいたしました◯◯のお見積額が、前回より上がっておりますので、理由をご説明申し上げます。
理由:◯◯に使用する◯◯の仕入れ価格が、◯月から変更になったためです。作業の内容と工程は前回と同じです。
今後の対応:仕様を一部変更した場合のお見積りも、ご希望があれば併せてお出しいたします。
社外:納期が遅れる理由
納期変更に関する理由書
◯月◯日にお納めする予定でした◯◯につきまして、納期を◯月◯日に変更させていただきたく、理由をご説明申し上げます。
理由:◯◯の工程で使う部品の入荷が、仕入先の都合により◯月◯日となったためです。
今後の対応:部品の入荷後、すぐに作業を進め、◯月◯日には必ずお納めいたします。進み具合は◯日ごとにご報告いたします。
納期の遅れは、理由書を出す前に電話やメールで先に知らせて謝るのが先です。お詫びの伝え方は納期遅延のお詫びにまとめています。
避けたい書き方・言い方
| 避けたい書き方 | 理由 | こう書く |
|---|---|---|
| 忙しかったため | 何が起きたか分からない | ◯◯の対応が◯日まで続いたため |
| ◯◯さんが遅れたせいで | 人を責める書き方になる | ◯◯のデータの確定が◯日となったため |
| たぶん◯◯だと思います | 事実と推測が混ざる | 原因は確認中です。分かり次第ご報告いたします |
| 今後は気をつけます | 何をするか分からない | ◯◯の時点で◯◯に相談いたします |
| ご説明させていただきます(繰り返し) | 回りくどくなる | ご説明申し上げます/ご説明いたします |
理由書は、読んだ人が「事情は分かった。次はこうすればよい」と判断するための書類です。感情や言い訳を書くほど、肝心の事実が埋もれます。お詫びの気持ちは、社外向けなら結びの一文にまとめます。
後日のフォロー(お礼・お詫び)
理由書を受け取ってもらった後のお礼(社内)
◯◯部長
お疲れさまです。◯◯です。
先日は理由書をご確認いただき、ありがとうございました。
お伝えしたとおり、次回からは◯◯の時点でご相談いたします。
約束した対応を終えた報告(社外)
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の◯◯です。
先日ご説明いたしました◯◯につきまして、本日お納めいたしました。
このたびはご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
引き続きよろしくお願いいたします。
注意
理由書で「今後の対応」に書いたことは、終わったら一言でも報告します。報告が遅れたときのお詫びは報告が遅れたときのお詫びを参考にしてください。
この記事の要点
- 理由書は件名→結論→理由→今後の対応→以上の順。
- 理由は事実を時系列で書き、推測は推測と分かる書き方にする。
- 人のせいにする書き方や「忙しかったため」は避け、何が起きたかを書く。
- 社外向けは先に連絡・お詫びをしてから理由書を出す。
- 提出先に様式や指定の項目があればその指定に従う。
FAQ
よくある質問
理由書は「なぜそうなったか・なぜそうするか」を説明する書類で、事実を中心に書きます。始末書は自分の過失への反省とお詫びを中心に書きます。どちらを出すかは、会社や提出先の指示に従ってください。
件名の後に「◯◯について、下記のとおり理由を申し述べます」と書き、続けて「記」として事柄・理由・今後の対応を並べます。社外向けなら「拝啓」と挨拶の一文から始め、「敬具」で結ぶ形もあります。
「記」を使った場合は最後に「以上」と書きます。社外向けで「拝啓」から始めたときは、「記」より前の本文に「ご迷惑をおかけいたしますことを、深くお詫び申し上げます」「何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます」などの一文を入れ、「敬具」で結んでから「記」に続けます。
提出先に指定がなければ、パソコンで作って構いません。手書きや押印を求められている場合は、その指示に従ってください。
提出先が様式や書く項目を決めていることがあります。まず提出先の案内を確認し、指定があればそれに従ってください。指定がない場合は、このページの基本形(件名・結論・理由・今後の対応)が参考になります。