社内表彰
社内表彰の選考基準と選考方法
評価基準の例と決め方
選考会で意見が割れる原因の多くは、候補者の優劣ではなく基準があいまいなことです。「会社に大きく貢献した人」では、選考委員ごとに思い浮かべる人が変わります。このページでは、賞ごとの評価基準の例と、選考の進め方、公平性を保つための工夫をまとめました。
結論
社内表彰の選考基準は、①対象期間と対象者②評価の観点(何を見るか)③判断の材料(何で確かめるか)④除外の条件の四つで書きます。観点は「積極性」のような性格の言葉ではなく、観察できる行動で書くと、選考委員の判断がそろいやすくなります。
基準を書くときの四つの要素
| 要素 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 対象期間・対象者 | いつの取り組みを、誰が対象か | 今年度の取り組み。正社員・契約社員・パートを問わず全従業員 |
| 評価の観点 | 何を見て評価するか | 他部署を巻き込み、自部署だけでは解決できない課題を解決したか |
| 判断の材料 | 何で確かめるか | 推薦書、本人の取り組みの記録、関係者の声 |
| 除外の条件 | 対象外になる場合 | 選考委員本人、同じ賞の連続受賞をどう扱うか |
Point
観点は「性格」ではなく「行動」で書きます。「責任感がある」は人によって受け取り方が違いますが、「担当外の問い合わせも、担当者につなぐまで手を離さなかった」は誰が読んでも同じ場面を思い浮かべられます。
賞ごとの評価基準の例
以下は書き方の例です。自社の目的や行動指針に合わせて言葉を置き換えてください。
| 賞 | 評価の観点の例 |
|---|---|
| 最優秀賞・社長賞 | 会社の重点方針に沿った成果を上げたか/その成果にいたる行動がほかの社員の手本になるか |
| 新人賞 | 担当業務を自分のものにするために、自ら学び、工夫したか/周りに良い影響を与えたか |
| 業務改善賞・改善提案賞 | 業務のやり方を変え、手間やミスを減らしたか/改善が個人にとどまらず、手順として共有されたか |
| チャレンジ賞 | 前例のない取り組みに踏み出したか/結果にかかわらず、学びを社内に共有したか |
| 顧客対応賞 | お客様の課題に対し、できる方法を探して対応したか/その対応がお客様や社内から評価されたか |
| 縁の下賞 | 目立たない仕事を継続し、周りが本業に集中できる環境を支えたか |
| チーム賞 | メンバーが役割を分け、協力して成果を上げたか/立場の違うメンバーの力を引き出したか |
チームやプロジェクトを対象にする場合の基準はチーム表彰・プロジェクト表彰の進め方で詳しく扱っています。
選考の進め方
- 01
基準と推薦の受付を案内する
基準・対象期間・締切・推薦の方法を社内に示します。推薦依頼の文面は社内表彰の推薦書の書き方にあります。
- 02
推薦を集めて一覧にする
推薦書を同じ様式で集め、候補者・推薦者・推薦理由の要点を一覧にします。
- 03
一次選考で絞る
基準に照らして、明らかに対象外のものや根拠が不足しているものを整理します。必要なら推薦者に追加の事実を確認します。
- 04
選考会で決める
選考委員が基準の観点ごとに候補者を見て話し合います。決め方(合議・投票など)は事前に決めておきます。
- 05
選考理由を記録する
受賞者ごとに「どの観点で評価したか」を短く残します。これが表彰コメントと社内発表の元になります。
記録した選考理由から読み上げ用の文を作る方法は、表彰コメント・表彰理由の例文を参照してください。
公平性を保つための工夫
- 選考委員を複数の部署から出す:一つの部署の視点に偏らないようにする
- 選考委員が推薦した候補の扱いを決める:推薦者本人はその候補の議論から外れる、などの決まりを置く会社もある
- 部門ごとに枠を分ける:成果が数字に表れやすい部署と、表れにくい部署を同じ土俵で比べない
- 連続受賞の扱いを決める:何度でも受賞できるのか、別の賞を検討するのかを事前に決める
- 雇用形態や勤務地で対象を狭めない:対象外にする場合は、その理由を説明できるようにする
- 選ばれなかった推薦にも返事をする:推薦してくれた人にお礼を伝えると、次の推薦が集まりやすい
注意
人事評価と表彰を結びつけるかどうか(昇給・賞与への反映など)は会社の方針によります。結びつける場合は、人事部門や規程との整合を確認してください。
基準を社内に示す文面の例
社員各位
今年度の社内表彰の選考基準をお知らせします。今回から、成果だけでなく「行動」と「改善」を称える賞を加えました。
【対象】今年度に取り組んだ業務(雇用形態を問いません)
【各賞の観点】
・最優秀賞:会社の重点方針に沿った成果と、その成果にいたる行動
・業務改善賞:業務のやり方を変え、手順として共有した取り組み
・縁の下賞:周りが本業に集中できる環境を支えた継続的な仕事
【選考】各部署から選ばれた選考委員による選考会で決定します
推薦の方法と締切は、別途ご案内します。ご不明な点は人事部◯◯までお問い合わせください。
社内向けのお知らせ全般の書き方は社内通知・お知らせの文例にまとめています。
この記事の要点
- 選考基準は対象・観点・判断の材料・除外の条件の四つで書く。
- 観点は性格の言葉ではなく観察できる行動で書く。
- 選考理由を記録しておくと、表彰コメントと社内発表にそのまま使える。
- 選考委員を複数部署から出す、部門で枠を分けるなどで偏りを減らす。
- 基準は推薦を募る前に社内へ示す。
FAQ
よくある質問
対象期間と対象者、評価の観点、判断の材料、除外の条件の四つで書きます。観点は「責任感」のような性格の言葉ではなく、「担当外の問い合わせも担当者につなぐまで手を離さなかった」のような観察できる行動で書くと、選考委員の判断がそろいます。
会社によって違います。社長や役員が選ぶ、各部署から選ばれた選考委員会で選ぶ、社員の投票で選ぶ、などの方法があります。賞の性格に合わせて、賞ごとに選考方法を変えてもかまいません。
業務のやり方を変えて手間やミスを減らしたか、その改善が個人にとどまらず手順として共有されたか、などが観点の例です。提案だけで評価するのか、実施して効果が確かめられたものを評価するのかも決めておきます。
決まりはありません。何度でも受賞できるとする会社もあれば、連続受賞を避けて別の賞を検討する会社もあります。どちらにするかを事前に基準に書いておくと、選考で揉めにくくなります。