敬語
「ご迷惑をおかけしております」の意味と使い方
対応中・経過報告の一文例とメール例文
結論:「ご迷惑をおかけしております」は、自分の側が原因で相手に迷惑が及んでいて、その状態がいまも続いていることを詫びる言葉です。取引先・お客様・上司など、目上の相手にも使えます。そのまま使える一文は「現在、◯◯の件でご迷惑をおかけしており、誠に申し訳ございません。」。このあとにいまの状況と、次にいつ連絡するかを書きます。問題が片づいたら「ご迷惑をおかけしました」に切り替えます。このページでは、30秒でわかる要点、「おかけしました」との違い、使える場面の表、言い換え、場面別の一文例とメール例文、送る前のチェックリスト、よくある間違い、受け取ったときの返事をまとめました。お詫びの言葉全体の重さの段階はお詫びの言い換え一覧にあります。
結論
「迷惑をかける」に、自分の行為をへりくだる「お〜する」と、続いている状態を丁寧に言う「ております」を合わせた形です。相手に及ぶ「迷惑」なので、頭に「ご」を付けます。「ご迷惑をおかけしました」が済んだことへのお詫びなのに対し、「ご迷惑をおかけしております」はまだ終わっていないことへのお詫びになります。
30秒でわかる要点
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 意味 | 自分の側が原因の迷惑が、いまも相手に続いていることへのお詫び |
| 目上に使えるか | 使える。改まった場面では「ご迷惑をおかけしており、誠に申し訳ございません」 |
| 使う時点 | トラブルの対応中・経過報告(まだ解決していない) |
| 解決したら | 「ご迷惑をおかけしました」「ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした」 |
| 一緒に書くこと | お詫びの一言、いまの状況、次の連絡の時期、相手にお願いしたいこと |
| 近い言い換え | ご不便をおかけしております/お待たせしております/お手数をおかけしております |
| 受け取ったときの返事 | 報告へのお礼と、こちらで必要なことを一言で |
言葉の組み立て
| 部分 | はたらき |
|---|---|
| ご迷惑 | 相手が受けている迷惑。相手に関わることなので「ご」を付ける |
| お〜する(おかけする) | 自分の行為をへりくだる言い方(謙譲語) |
| 〜ております | 「〜ている」をへりくだって丁寧に言う形。状態が続いていることを表す |
「おります」で文を終えると、お詫びというより状況の説明に近く聞こえることがあります。お詫びの気持ちをはっきり伝えるなら、「ご迷惑をおかけしており、申し訳ございません」のように、お詫びの言葉を続けます。
「おかけしております」と「おかけしました」の違い
お詫びの言葉は、迷惑がいつの時点のものかで形が変わります。
| 言い方 | 使う時点 | 例 |
|---|---|---|
| ご迷惑をおかけしますが | これから迷惑がかかる(事前・依頼) | 工事期間中はご迷惑をおかけしますが、ご理解をお願いいたします。 |
| ご迷惑をおかけしております | 迷惑が続いている(対応中) | 現在、配送に遅れが出ており、ご迷惑をおかけしております。 |
| ご迷惑をおかけしました | 解決した・済んだ(事後) | このたびはご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。 |
Point
「おかけしております」は「まだ終わっていません」という報告でもあります。お詫びと一緒に、いまどうなっているか、いつまた連絡するかを書くと、相手は次の動きを決めやすくなります。
使える場面・使わないほうがよい場面
| 場面 | 「ご迷惑をおかけしております」 | 代わりに使う言葉 |
|---|---|---|
| システム障害の復旧作業中のお知らせ | 使える | ― |
| 納品の遅れが続いている経過報告 | 使える | ― |
| 誤った案内を出し、訂正と確認を進めている | 使える | ― |
| 工事・改修で会場や設備の一部が使えない期間 | 使える(「ご不便」も合う) | ご不便をおかけしております |
| 問い合わせの回答を調査中 | 使える | お待たせしており、申し訳ございません |
| 電話口で、障害の影響を受けたお客様に応対する | 使える | ― |
| 上司に、対応中のトラブルを報告する | 使える | ― |
| 解決したことの報告 | 合わない | ご迷惑をおかけしました |
| 相手に実害がなく、待ってもらっているだけ | 重く聞こえることがある | お待たせしております |
| 相手を不安にさせているのが主な状態 | 足りないことがある | ご心配をおかけしております |
| 特にトラブルがないときのあいさつ代わり | 意図が伝わりにくいことがある | お世話になっております |
注意
親しい取引先に、日ごろ無理を聞いてもらっていることへの気持ちとして「いつもご迷惑をおかけしております」と書く人もいます。ただ、トラブルがない相手に送ると「何かあったのか」と受け取られることもあるので、迷ったら「いつもお世話になっております」にしておくと無難です。
言い換え一覧(丁寧さの段階つき)
| 言い方 | 丁寧さ | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| 多大なるご迷惑をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます | 最も改まった言い方 | 多くのお客様へのお知らせ、会社としてのお詫び |
| ご迷惑をおかけしており、誠に申し訳ございません | 改まった言い方 | 取引先・お客様への経過報告 |
| 引き続きご迷惑をおかけしており、申し訳ございません | 改まった言い方 | 二通目以降の続報 |
| ご迷惑をおかけしております | 丁寧 | お知らせの冒頭、経過報告の書き出し |
| ご不便をおかけしております | 丁寧(やや軽い) | 使えない・待たせている状態が続いている |
| ご心配をおかけしております | 丁寧 | 相手が不安な気持ちでいる |
| お待たせしており、申し訳ございません | 丁寧 | 回答や対応を待ってもらっている |
| お手数をおかけしております | 丁寧 | 相手に代わりの作業をしてもらっている |
| 迷惑をかけていて、すみません | 標準 | 社内の同僚 |
実際に相手の仕事や予定に支障が出ているなら「ご迷惑」、使えない・待たせているといった不便な状態なら「ご不便」が合います。両方当てはまるときは「ご不便とご迷惑をおかけしております」と並べることもあります。言い換えごとの詳しい使い方は「ご心配をおかけしました」、「お手を煩わせて」の記事にもあります。
そのまま使える一文の例(場面別)
社外向け(メール・お知らせ)
- (障害)現在、◯◯サービスがつながりにくい状態となっており、ご迷惑をおかけしております。
- (納品遅れ)◯◯の納品が遅れており、貴社にはご迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
- (誤案内)先日ご案内した開始時刻に誤りがあり、ご迷惑をおかけしております。正しくは◯時です。
- (調査中)原因の特定に時間を要しており、ご迷惑をおかけしております。
- (欠品)◯◯の在庫が不足しており、ご注文いただいた皆様にご迷惑をおかけしております。
- (工事)改修工事のため、◯◯の一部がご利用いただけない状態となっており、ご不便とご迷惑をおかけしております。
- (続報)引き続きご迷惑をおかけしており、誠に申し訳ございません。現在の状況をご報告いたします。
- (依頼を添える)ご迷惑をおかけしているところ恐縮ですが、◯◯のご確認をお願いできますでしょうか。
電話・口頭
- (お客様からの電話)ただいま◯◯の件でご迷惑をおかけしており、申し訳ございません。状況をご説明いたします。
- (窓口)ご迷惑をおかけしております。現在、復旧作業を進めておりますので、もうしばらくお待ちください。
- (訪問先へ遅れの連絡)電車の遅れで到着が遅れており、ご迷惑をおかけしております。◯時ごろに伺います。
社内向け
- (上司へ)◯◯社の件で、課長にもご迷惑をおかけしており、申し訳ありません。
- (チームへ)私の担当分が遅れていて、皆さんにご迷惑をおかけしています。明日の午前中に仕上げます。
- (休暇中、代わりに対応してくれている同僚へ)不在の間、ご迷惑をおかけしています。戻りしだい、私が引き取ります。
経過報告メールの組み立て
- 01
件名に「対応中」「経過のご報告」と入れる
まだ解決していないことが、開く前に分かるようにする。
- 02
何が起きているかを一文で書く
いつから・何が・どうなっているか。初めて読む人にも分かるように。
- 03
お詫びを一回だけ書く
「ご迷惑をおかけしており、誠に申し訳ございません。」冒頭と結びで繰り返さない。
- 04
いまの状況と見込みを箇条書きにする
原因(分かっている範囲)、対応内容、復旧や納品の見込み。
- 05
相手にお願いしたいことを書く
対応不要か、代わりの手段を使ってほしいか、をはっきりさせる。
- 06
次の連絡の時期を書く
「本日◯時ごろ」「見込みが変わった時点で」など。
場面別のメール例文
システム障害の対応中に第一報を出す
件名:【障害発生】◯◯サービスにログインできない状態について(対応中)
◯◯をご利用の皆様
本日◯時ごろから、◯◯サービスにログインできない状態が続いております。
ご利用の皆様にはご迷惑をおかけしており、誠に申し訳ございません。
現在、原因の調査と復旧作業を進めております。
次回は本日◯時ごろに、状況をお知らせいたします。
納品の遅れが続いている経過報告(取引先)
件名:◯◯の納品遅れについて(経過のご報告)
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日ご連絡した◯◯の納品遅れにつきまして、現在の状況をご報告いたします。
貴社にはご迷惑をおかけしており、誠に申し訳ございません。
・現在の状況:◯◯の部品の入荷待ち
・お届けの見込み:◯月◯日(◯)
見込みが変わる場合は、分かった時点ですぐにご連絡いたします。
誤った案内を訂正し、確認を進めている
件名:【訂正】◯◯セミナーの開始時刻について
お申し込みの皆様
◯◯セミナー事務局の□□です。
先日お送りしたご案内で、開始時刻を誤って記載しておりました。
正しくは◯月◯日(◯)◯時開始です。
予定を調整いただいた方もいらっしゃるかと思います。ご迷惑をおかけしており、誠に申し訳ございません。
ご都合が合わなくなった方は、このメールにご返信ください。個別にご相談を承ります。
問い合わせの回答を調査中
件名:Re: ◯◯についてのお問い合わせ(確認中のご連絡)
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
お問い合わせいただいた◯◯の件は、現在、担当部署で確認を進めております。
ご回答までお待たせしてしまい、ご迷惑をおかけしております。
◯月◯日(◯)までに、改めてご連絡いたします。
改修工事の期間中、出展者に案内する
件名:◯◯会場の搬入口の一部閉鎖について
出展者各位
◯◯展事務局の□□です。
会場の改修工事のため、◯月◯日(◯)から◯月◯日(◯)まで、◯◯側の搬入口が使えない状態となっております。
出展者の皆様にはご不便とご迷惑をおかけしており、申し訳ございません。
期間中の搬入は、◯◯側の入口をご利用ください(地図を添付しております)。
ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
上司に、対応中のトラブルを報告する(社内)
件名:◯◯社への誤配送の件(対応状況のご報告)
◯◯課長
お疲れさまです。□□です。
◯◯社への誤配送の件について、本日の対応状況をご報告します。
課長にもご迷惑をおかけしており、申し訳ありません。
・先方へのお詫び:本日◯時に電話でお伝えしました
・正しい商品:明日の午前中に再送します
再送が完了しましたら、改めてご報告します。
解決したら「おかけしました」に切り替える
件名:【復旧】◯◯サービスの障害について
◯◯をご利用の皆様
本日◯時ごろから発生していた◯◯サービスの障害は、◯時に復旧いたしました。
ご利用の皆様には多大なるご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。
原因と今後の対策は、改めてお知らせいたします。
注意
障害のお知らせ全体の流れ(第一報・続報・復旧報告)はシステム障害のお詫びメール、納期の遅れは納期遅延のお詫びに詳しい例文があります。
送る前のチェックリスト
- 迷惑はまだ続いているか(解決済みなら「おかけしました」に替えたか)
- 原因は自分の側にあるか(相手側の都合なら、お詫びの言葉は要らない)
- 「おります」で止めず、「申し訳ございません」などのお詫びを続けたか
- いまの状況と見込みを書いたか
- 次にいつ連絡するかを書いたか
- 相手にしてほしいこと(対応不要・代わりの手段など)を書いたか
- 相手の状態に合う言葉か(不便なら「ご不便」、不安なら「ご心配」も)
- 冒頭と結びで同じお詫びを繰り返していないか
- 続報なら「引き続き」を添えたか
よくある間違い
| 書きがちな言い方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| (解決の報告で)ご迷惑をおかけしております | まだ続いているように読める | ご迷惑をおかけしました |
| お詫びの一文だけで、状況を書かない | 何が起きていて、いつ分かるのかが伝わらない | 現状と次の連絡の時期を添える |
| ご迷惑をおかけさせていただいております | 「させていただく」を重ねると不自然で、くどく感じる人もいる | ご迷惑をおかけしております |
| 冒頭と結びの両方で「ご迷惑をおかけしております」 | 同じ言葉が続き、くどくなる | 結びは「引き続き対応を進めてまいります」など |
| 待ってもらっているだけなのに「多大なるご迷惑」 | 大げさに聞こえる | お待たせしており、申し訳ございません |
| 続報のたびに同じ書き出し | 前回から進んでいないように見える | 「引き続き」+前回からの変化を先に書く |
「ご迷惑をおかけしております」と連絡を受けたときの返事
経過報告を受けた側は、受け取ったことと、こちらで必要なことを短く返します。相手は対応に追われているので、お詫びへの返事は一言で十分です。こちらの予定に影響が出る場合は、いつまでに分かれば助かるかを伝えると、相手も優先順位をつけやすくなります。
□□様
お世話になっております。株式会社◯◯の◯◯です。
状況のご報告をありがとうございます。承知いたしました。
お届けの見込みが分かり、安心いたしました。
こちらでは◯◯の日程を調整してお待ちしますので、入荷が確定しましたらご連絡ください。
- (影響が小さいとき)ご丁寧にありがとうございます。こちらは急ぎませんので、どうぞお気になさらないでください。
- (期限があるとき)ご報告ありがとうございます。◯日までに見込みが分かると助かります。
- (社内で)共有ありがとうございます。先方への説明が必要なら言ってください。
この記事の要点
- 「ご迷惑をおかけしております」は迷惑がまだ続いているときのお詫び。目上にも使える。
- 済んだことには「ご迷惑をおかけしました」。解決したら切り替える。
- 「おります」で止めず、「申し訳ございません」と、いまの状況・次の連絡の時期を添える。
- 不便な状態なら「ご不便」、待たせているなら「お待たせしており」、不安にさせているなら「ご心配」。
- 続報では「引き続き」を添えて、前回からの変化を先に書く。
FAQ
よくある質問
自分の側が原因で相手に迷惑が及んでいて、その状態がいまも続いていることを詫びる言葉です。「迷惑をかけている」をへりくだって丁寧に言った形です。
「おかけしております」は迷惑がまだ続いているとき、「おかけしました」は解決した・済んだときに使います。障害の対応中や遅れの経過報告では「おかけしております」、復旧や解決の報告では「おかけしました」と切り替えます。
使えます。取引先・お客様・上司のいずれにも使える丁寧な言い方です。より改まった場面では「ご迷惑をおかけしており、誠に申し訳ございません」とします。
相手の仕事や予定に実際の支障が出ているときは「ご迷惑」、使えない・待たせているなど不便な状態にしているときは「ご不便」が合います。両方当てはまるときは「ご不便とご迷惑をおかけしております」と並べることもあります。
「誠に申し訳ございません」と続けるのが基本です。そのあとに、いまの状況と、次にいつ連絡するかを書きます。
使えます。電話口では「ただいま◯◯の件でご迷惑をおかけしており、申し訳ございません」と伝え、続けて状況を説明します。
日ごろの感謝をへりくだって伝える意味で使う人もいますが、「何かあったのか」と受け取られることもあります。迷ったら「いつもお世話になっております」にしておくと無難です。