メール
振込先口座変更のお知らせ 例文
文書・メールの書き方となりすましへの注意
振込先口座の変更のお知らせは、取引先の経理担当者に支払先の登録を変えてもらうための連絡です。どの支払いから新しい口座になるのかが曖昧だと、旧口座に振り込まれたり、確認のために支払いが止まったりします。また、振込先の変更はなりすましの詐欺と見分けがつきにくい連絡でもあるため、受け取った側が本物かどうか確かめられる書き方が欠かせません。このページでは、結論と短い文例を先に示し、文書・メールの例文、件名、チェックリスト、場面別の例文、避けたい言い方、後日のフォローの順にまとめます。
結論
いつ:切り替える支払いの締め日より前に、相手が登録を変える時間をとれるように(時期は会社の決まりに従う)。誰に:自社に支払いをする取引先の経理担当者と、普段の窓口の担当者。何で:書面(またはPDF)とメールで送り、担当者から電話でも伝える。必ず書く項目:①新しい振込先(金融機関名・支店名・預金種別・口座番号・口座名義) ②どの支払いから新しい口座になるか ③旧口座の扱い ④変更の理由(一言) ⑤問い合わせ先と、なりすましへの注意の一文。
結論:そのまま使える短い文例
このたび、弊社の振込先口座を下記のとおり変更いたします。
令和◯年◯月◯日以降にお支払いいただく分より、新しい口座へのお振込みをお願い申し上げます。
新しい振込先:◯◯銀行 ◯◯支店 普通預金 口座番号◯◯◯◯◯◯◯ 口座名義 カ)◯◯
なお、弊社から振込先の変更をメールのみでお願いすることはございません。本状と異なるご連絡がございましたら、お手数ですが、これまでお使いの弊社の電話番号にて担当者までご確認ください。
Point
「どの支払いから」を日付で書くのがいちばん大切です。「近日中に」「来月から」では、相手の経理が判断できません。「◯月◯日以降にお支払いいただく分より」「◯月分のご請求より」のように、相手が支払いの登録をいつ変えればよいか分かる書き方にします。
注意
最後の一文は、自社の実際の運用に合わせて書いてください。確認の電話番号は、新しく書いた番号ではなく「これまでお使いの番号」を案内します。なりすましの連絡に偽の電話番号が書かれていても、相手が惑わされずに済みます。
文書(書面・PDF)の例文
基本の文書
令和◯年◯月◯日
お取引先各位
株式会社△△
経理部
振込先口座変更のお知らせ
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、弊社ではこのたび、取引金融機関の見直しに伴い、お支払いの振込先口座を下記のとおり変更することとなりました。
お手数をおかけいたしますが、ご登録の変更をお願い申し上げます。
敬具
記
一、新しい振込先 ◯◯銀行 ◯◯支店 普通預金 口座番号◯◯◯◯◯◯◯
口座名義 カ)◯◯
一、適用日 令和◯年◯月◯日以降のお支払い分より
一、旧振込先 ◯◯銀行 ◯◯支店 普通預金 口座番号◯◯◯◯◯◯◯
一、旧口座の扱い 令和◯年◯月◯日までにお振込みいただいた分は、旧口座でお受けいたします
一、お問い合わせ先 経理部 ◯◯(電話 ◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯)
なお、弊社から振込先の変更をメールや電話のみでお願いすることはございません。本状と異なる内容のご連絡がございましたら、お手数ですが、これまでお使いの弊社の電話番号にてご確認ください。
以上
書面に押印するか、誰の名前で出すか(社長名・経理部長名・部署名)は会社の決まりに従います。PDFで送る場合も、紙と同じ文面にしておくと、相手が社内で回覧するときに扱いやすくなります。「ご高配」の使い方は「ご高配」と「ご愛顧」の違いにまとめています。
会社の掲示・ホームページに載せる場合(お客様向け)
振込先口座変更のお知らせ
平素より◯◯をご利用いただき、誠にありがとうございます。
令和◯年◯月◯日より、ご利用代金のお振込先を変更いたします。新しい振込先は、ご請求書またはお届けしている書面にてご確認ください。
当社がメールやSMSで、振込先の変更や、個別の口座へのお振込みをお願いすることはございません。不審な連絡を受けた場合は、お振込みの前に当社窓口(◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯)までお問い合わせください。
注意
不特定の人が見るページには、口座番号そのものを載せない書き方もあります。載せるかどうかは会社の決まりに従ってください。
メールの例文
件名:【重要】振込先口座変更のお知らせ(株式会社△△)
株式会社◯◯
経理部 ご担当者様
いつもお世話になっております。株式会社△△経理部の□□です。
このたび、弊社の振込先口座を変更することとなりましたので、ご案内いたします。
詳細は添付の「振込先口座変更のお知らせ」をご確認ください。
■新しい振込先
◯◯銀行 ◯◯支店 普通預金 口座番号◯◯◯◯◯◯◯
口座名義 カ)◯◯
■適用日
令和◯年◯月◯日以降のお支払い分より
■旧口座の扱い
令和◯年◯月◯日までのお振込みは、旧口座でもお受けいたします。
本件は、営業担当の◯◯からもお電話でご連絡いたします。
なお、弊社から振込先の変更をメールのみでお願いすることはございません。内容にご不明な点がございましたら、これまでお使いの弊社の電話番号にてご確認ください。
お手数をおかけいたしますが、ご登録の変更をお願い申し上げます。
Point
メールだけで済ませず、担当者から電話でも伝えます。受け取る側にとっては、いつもの担当者の声で聞くことが、本物の連絡だと判断する手がかりになります。電話では「本日メールと書面をお送りしました」と、送った手段と日付を伝えます。
署名は普段と同じものを使います。署名の電話番号や部署名がいつもと違うと、相手が不審に思うことがあります。署名の作り方はメールの署名の書き方を参照してください。
件名の付け方
| 場面 | 件名の例 |
|---|---|
| 取引先へ一斉に知らせる | 【重要】振込先口座変更のお知らせ(株式会社△△) |
| 適用日を件名で示す | ◯月◯日お支払い分からの振込先変更について(株式会社△△) |
| 名義だけが変わる | 振込先口座名義変更のお知らせ(株式会社△△) |
| 請求書の送付と同時に知らせる | ◯月分ご請求書送付と振込先変更のご案内(株式会社△△) |
| お知らせした口座の訂正 | 【訂正】振込先口座変更のお知らせについて(株式会社△△) |
| 相手からの確認の問い合わせに答える | Re:振込先変更のご連絡について |
件名には「振込先」と自社名を必ず入れます。経理担当者は件名で探して登録の根拠を残すことが多いので、「ご連絡」「お知らせ」だけの件名では後から見つけにくくなります。件名の考え方はメールの件名の付け方にまとめています。
書く項目のチェックリスト
- 新しい振込先の金融機関名・支店名・預金種別・口座番号・口座名義(カナ)
- どの支払いから新しい口座になるか(日付か、何月分の請求からか)
- 旧口座の扱い(いつまで受け付けるか。扱いは経理・金融機関と相談して決める)
- 変更の理由(一言でよい)
- 問い合わせ先(部署・担当者・これまでの電話番号)
- なりすましへの注意の一文(自社の運用に合わせる)
- 書面・メールの発信者(誰の名前で出すかは会社の決まりに従う)
- 担当者から電話でも伝える段取り
- 請求書の書式の振込先欄を、適用日に合わせて切り替えたか
場面別の例文
①取引を始めたばかりの相手(初めてのお知らせ)
件名:振込先口座変更のお知らせ(株式会社△△)
株式会社◯◯
経理部 ご担当者様
お世話になっております。株式会社△△経理部の□□と申します。
先日はお取引を始めていただき、誠にありがとうございます。
ご登録いただいたばかりのところ恐縮ですが、弊社の振込先口座を変更することとなりました。令和◯年◯月◯日以降にお支払いいただく分より、下記の口座へのお振込みをお願い申し上げます。
(新しい振込先・適用日)
営業担当の◯◯からも、お電話でご連絡いたします。
②長く取引のある相手
件名:【重要】振込先口座変更のお知らせ(株式会社△△)
株式会社◯◯
経理部 ◯◯様
いつも大変お世話になっております。株式会社△△経理部の□□です。
このたび、弊社の振込先口座を変更することとなりました。◯月分のご請求より、新しい口座へのお振込みをお願いいたします。
長くお使いいただいている口座を変えることとなり、お手数をおかけいたします。
(新しい振込先・旧口座の扱い)
③次の支払いが迫っているとき(急ぎ)
件名:【至急】◯月◯日お支払い分の振込先について(株式会社△△)
株式会社◯◯
経理部 ◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△経理部の□□です。
直前のご連絡となり、誠に申し訳ございません。
◯月◯日にお支払いいただく分より、振込先が下記の口座に変わります。
すでにお支払いの手続きがお済みの場合は、旧口座でお受けいたしますので、改めてのお手続きは不要です。
(新しい振込先)
本日、お電話でもご連絡いたします。
急ぎのときこそ、すでに手続きを済ませた相手が何をすればよいかを書きます。「至急」の使い方は依頼メールの期限の書き方も参考にしてください。
④お知らせした口座に誤りがあった(訂正)
件名:【訂正】振込先口座変更のお知らせについて(株式会社△△)
株式会社◯◯
経理部 ◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△経理部の□□です。
◯月◯日にお送りした「振込先口座変更のお知らせ」の口座番号に誤りがございました。ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
正しくは下記のとおりです。
誤:口座番号◯◯◯◯◯◯◯
正:口座番号◯◯◯◯◯◯◯
すでにご登録を変更された場合は、お手数ですが再度のご変更をお願いいたします。
念のため、担当の◯◯からお電話でもご説明いたします。
注意
訂正はなりすましの連絡と特に見分けにくいので、必ず電話を添えます。請求書の金額や宛名を誤ったときのお詫びは請求書の誤りのお詫びにまとめています。
⑤口座はそのままで名義だけが変わる
このたび、社名の変更に伴い、振込先口座の名義が令和◯年◯月◯日より下記のとおり変わります。金融機関名・支店名・口座番号に変更はございません。
旧名義:カ)◯◯
新名義:カ)△△
お振込みの際の名義の登録につきまして、ご確認をお願いいたします。
社名変更そのもののお知らせは社名変更のお知らせ 例文を参照してください。
⑥請求書の送付と一緒に知らせる
件名:◯月分ご請求書送付と振込先変更のご案内(株式会社△△)
株式会社◯◯
経理部 ご担当者様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯月分のご請求書をお送りいたします。
なお、今回のご請求分より振込先口座が変わっております。ご請求書に記載の新しい口座へのお振込みをお願いいたします。
変更の詳細は、別途お送りした「振込先口座変更のお知らせ」をご覧ください。
請求書の送付メールの基本は請求書送付メールの例文にあります。
⑦個人で仕事を受けている人が発注元へ知らせる
件名:振込先口座変更のご連絡(◯◯ □□)
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。□□です。
私の報酬の振込先口座を変更いたしましたので、ご連絡いたします。
◯月分のお支払いより、下記の口座へのお振込みをお願いできますでしょうか。
(新しい振込先)
ご登録に必要な書類がございましたら、お知らせください。
注意
発注元によっては、振込先の変更に所定の届出書を求められることがあります。手続きは相手の会社の決まりに従います。
言ってはいけない・避けたい言い方
| 避けたい言い方 | 理由 | 言い換え |
|---|---|---|
| 「至急、新しい口座にお振込みください」だけ | 急がせる連絡は、なりすましと同じ形に見える | 適用日と理由を書き、電話でも伝える |
| 「近日中に口座が変わります」 | いつの支払いから変えればよいか分からない | 「◯月◯日以降のお支払い分より」 |
| 「詳しくは下記のリンクからご確認ください」 | リンクを押させる連絡は、受け取る側が警戒する | 書面を添付し、本文にも要点を書く |
| 「ご確認させていただきたく」(相手に確認を頼むとき) | 「させていただく」は自分が確認する意味になり、頼みたい内容と合わない | 「ご確認をお願いいたします」 |
| 「弊社の◯◯部長がおっしゃるには」 | 自社の人に尊敬語を使っている | 「弊社の◯◯が申しますには」「部長の◯◯から改めてご説明いたします」 |
「させていただく」を使ってよい場面は「させていただく」の使い方にまとめています。
後日のフォロー(お礼・お詫び)
新しい口座への初めての入金を確認したとき(お礼)
株式会社◯◯
経理部 ◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△経理部の□□です。
◯月分のお支払いについて、新しい口座へのご入金を確認いたしました。
このたびは、振込先のご登録変更にご対応いただき、誠にありがとうございました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
旧口座に振り込まれたとき(責めない案内)
◯月◯日のお支払いについて、旧口座へのご入金を確認いたしました。ありがとうございます。
次回のお支払いより、◯月◯日にお知らせした新しい口座へのお振込みをお願いできますと幸いです。お知らせの書面を改めて添付いたします。
旧口座に入った分をどう扱うかは、経理・金融機関と相談し、会社の決まりに従います。相手の手違いを責める書き方は避け、次にどうしてほしいかだけを伝えます。
お知らせが遅れ、相手に手間をかけたとき(お詫び)
このたびは、振込先変更のお知らせが直前となり、ご登録のお手続きでご負担をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。今後は、変更が決まり次第、早めにご案内いたします。
この記事の要点
- 必ず書くのは新しい口座・どの支払いから・旧口座の扱い・問い合わせ先。
- 適用日は「◯月◯日以降のお支払い分より」と日付で書く。
- 書面とメールで送り、担当者から電話でも伝える。
- 確認の連絡先は「これまでお使いの電話番号」を案内する。
- 訂正や急ぎの連絡ほど、なりすましと見分けにくいので電話を添える。
FAQ
よくある質問
切り替える支払いの締め日より前に、相手が支払先の登録を変える時間をとれるように送ります。具体的な時期は会社の決まりに従い、急ぎになってしまう場合は電話でも伝えます。
メールだけで済ませるのは避けたほうが安心です。振込先の変更はなりすましの詐欺と見分けにくい連絡なので、書面(PDF)を添え、担当者から電話でも伝えると、相手が本物の連絡だと判断しやすくなります。
「弊社から振込先の変更をメールのみでお願いすることはございません。本状と異なるご連絡がございましたら、これまでお使いの弊社の電話番号にてご確認ください」のように書きます。自社の実際の運用と違うことは書かないでください。
旧口座で受け付ける期間は、経理担当と金融機関に確認し、会社の決まりに従って決めます。決めた期間は「◯月◯日までのお振込みは旧口座でもお受けいたします」と日付で書きます。
メールに書かれた連絡先ではなく、これまでやり取りしている担当者の電話番号などで、本当に変更があったのか確かめてから登録を変えます。確認の手順は自社の経理の決まりに従ってください。