メール
接待の断り方 例文
取引先・上司・二次会・キャンセル
取引先からの接待や会食の誘いを断るときに大切なのは、お誘いへの感謝と、断っていることがはっきり伝わることの二つです。あいまいに返すと、相手は日程を変えて何度も誘い直すことになり、かえって負担をかけます。まず下の一文で返せるか確かめ、場面に合わせて例文を選んでください。
結論
接待・会食の断り方は①お誘いへのお礼 ②お断りの結論 ③理由(短く) ④今後につながる一言で組み立てます。理由は詳しく書きすぎないこと。次の機会を望むなら代わりの日程を出し、望まないなら日程は出さない。決まっていた会食を直前に取りやめるときは、電話で伝えてからメールでもお詫びします。
すぐ使える一文(結論)
迷ったら、まずこの形で返せば失礼になりません。〔 〕の中を場面に合わせて差し替えます。
お食事のお誘いをいただき、ありがとうございます。あいにく〔先約があり/社内の決まりで〕、今回は見送らせていただきます。〔◯日か◯日でしたら伺えます/また機会がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします〕。
| 場面 | 返し方の要点 | 手段 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 日程だけが合わない(次は行きたい) | 代わりの日程を二つほど出す | メール | 日程が合わないとき |
| 予定がまだ分からない | いつまでに返事をするかを先に伝える | メール | 予定が未定のとき |
| 今後も受けるつもりがない | 日程は出さず「またの機会に」で結ぶ | メール | はっきり辞退する |
| 社内の決まりで受けられない | 厚意は受け取り、決まりであることを伝える | メール | 社内の決まり |
| 上司や社内から頼まれた接待に出られない | 代わりの出席者や、自分にできることを添える | 口頭・チャット | 社内・上司 |
| 電話や対面でその場で誘われた | お礼を言い、その場で答えにくければ持ち帰る | 口頭 | 電話・口頭 |
| 二次会に誘われた | 一次会へのお礼を先に、短く明るく | 口頭 | 二次会 |
| 決まっていた会食を取りやめる | 分かった時点ですぐ。直前なら電話のあとメール | 電話+メール | キャンセル |
断りメールの組み立て
メールで断るときは、次の順に部品を並べます。お礼と結論が冒頭の数行にあれば、相手は最後まで読まなくても返事が分かります。
| 部品 | 書くこと | フレーズの例 |
|---|---|---|
| 件名 | 何の返事か分かるように | 「◯月◯日のお食事のお誘いについて(◯◯株式会社 ◯◯)」 |
| 宛名・挨拶 | 社外は会社名・部署・氏名。社内は名前だけでよい | 「いつもお世話になっております」(社内なら「お疲れさまです」) |
| お礼 | 誘ってもらったこと自体への感謝 | 「お声がけいただき、誠にありがとうございます」 |
| 結論 | 断ることをはっきり | 「今回は見送らせていただきます」「伺うことができません」 |
| 理由 | 一言で。詳しくは書かない | 「先約があり」「社内の決まりにより」 |
| お詫び | せっかくの申し出に応えられないこと | 「ご期待に添えず、申し訳ございません」 |
| 今後の一言 | 次を望むなら日程、望まないなら関係を続けたい気持ち | 「◯日でしたら伺えます」「引き続きよろしくお願いいたします」 |
| 署名 | 会社名・部署・氏名・連絡先 | いつもの署名で可 |
Point
次の機会を本当に望むなら、代わりの日程を出します。 望まないなら「またの機会に」にとどめ、具体的な日程は書きません。ここをはっきりさせると、相手も次に動きやすくなります。
返事は誘いを受けたらなるべく早く出します。相手は店の予約や人数の調整を待っているので、断る返事ほど早いほうが相手の手間が減ります。仕事の依頼や取引のお断りはお断りメールの例文に、社内の飲み会の断り方は忘年会の断り方にまとめています。
日程・予定で断るときの例文
別の日なら受けたい
件名:◯月◯日のお食事のお誘いについて(◯◯株式会社 ◯◯)
◯◯株式会社
◯◯部 ◯◯様
いつもお世話になっております。◯◯株式会社の◯◯です。
このたびはお食事のお誘いをいただき、誠にありがとうございます。
あいにくご提示いただいた日程はいずれも先約があり、伺うことができません。
大変恐縮ですが、◯月◯日(◯)か◯日(◯)の夜でしたら調整できます。
ご都合が合わないようでしたら、また改めてお声がけいただけますと幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。
しばらく忙しく、時期をずらしたい
お心遣いをいただき、ありがとうございます。しばらく繁忙期が続いており、落ち着いてご一緒できる時間がとれそうにありません。◯月に入りましたら、こちらから改めてご連絡させてください。
予定がまだ分からない(いったん保留する)
お誘いをいただき、ありがとうございます。◯月◯日は出張の予定が調整中で、まだ伺えるかどうかお約束できない状況です。◯日(◯)までに改めてお返事いたしますので、少しお待ちいただけますでしょうか。ご都合によっては、今回は見送っていただいて構いません。
保留した場合は、伝えた期日までに必ず返事をします。行けないと分かったら、期日を待たずにすぐ連絡します。
はっきり辞退する(次の日程は出さない)
このたびはお食事のお誘いをいただき、ありがとうございます。大変ありがたいお話ですが、今回は辞退させていただきます。お気持ちだけ、ありがたく頂戴いたします。今後とも、お仕事の面で引き続きよろしくお願いいたします。
お酒の席が苦手なので、昼の打ち合わせにしたい
お誘いいただき、ありがとうございます。夜の席はご遠慮しているのですが、ぜひ一度ゆっくりお話を伺いたいと思っております。もしよろしければ、ランチか、弊社での打ち合わせの時間をいただけないでしょうか。
理由別の言い方
理由は短く、事実の範囲で伝えます。うその理由はあとで食い違いが出やすいので避けます。
| 理由 | 伝え方の例 | 避けたい言い方 |
|---|---|---|
| 先約がある | 「あいにく先約があり」 | 先約の中身を細かく書く |
| 仕事が立て込んでいる | 「繁忙期が続いており」 | 「忙しいので無理です」 |
| 家庭の事情 | 「家庭の事情で、夜の予定が入れにくく」 | 事情を詳しく説明する |
| 体調 | 「体調を整えている時期のため」 | 病名を書く |
| お酒が飲めない | 「夜の席はご遠慮しているのですが」+昼の提案 | 「お酒が苦手なので」だけで終える |
| 社内の決まり | 「弊社の決まりにより、お受けできないことになっております」 | 「上から止められているので」 |
| 選定・検討期間中 | 「◯◯の件の検討期間中のため」 | 検討の状況に触れる |
社内の決まりで受けられないとき
会社によっては、取引先からの接待や贈答を受けることに決まりを設けている場合があります。そのときは、相手の厚意を否定しない言い方で、会社の決まりであることを伝えます。
このたびはお食事のお誘いをいただき、誠にありがとうございます。まことに恐縮ながら、弊社では取引先の皆さまからのおもてなしをお受けしないことになっております。どうかご理解いただけますと幸いです。お気持ちは大変うれしく、ありがたく頂戴いたします。今後とも、打ち合わせの場で引き続きよろしくお願いいたします。
注意
選定や入札の期間中など、時期によって受けられない場合は「◯◯の件の検討期間中のため」と一言添えると、相手も事情が分かります。自社の決まりの内容は、社内の規程や担当部署に確認してください。国家公務員の場合は、国家公務員倫理規程 第3条第1項第6号で、利害関係者から供応接待を受けることが禁止行為として定められています。
社内・上司から頼まれた接待を断るとき
上司から「来週の◯◯様との会食に同席してほしい」と頼まれて出られないときは、断る理由と、代わりにできることをセットで伝えます。
お声がけいただき、ありがとうございます。あいにく◯日の夜は◯◯の納品対応が入っており、同席が難しい状況です。申し訳ありません。◯◯様にお渡しする資料の準備や、お店の手配でしたらお手伝いできますので、お申し付けください。
取引先から上司あてに誘いがあり、上司の代わりに自分が返事をする場合は、上司の名前で断りを伝えます。
このたびは弊社◯◯にお食事のお誘いをいただき、誠にありがとうございます。◯◯に申し伝えましたところ、大変喜んでおりました。ただ、あいにく当日は出張が入っており、今回は見送らせていただきたいとのことでございます。◯◯からも、改めてお礼を申し上げるとのことです。
電話・対面で誘われたときの断り方
その場で誘われたら、まずお礼を言います。すぐ答えられないときは、無理にその場で決めず、いつ返事をするかを伝えて持ち帰ります。
ありがとうございます。ぜひと言いたいところなのですが、その日はあいにく先約がありまして。もしよろしければ、別の日を改めてご相談させてください。
お誘いありがとうございます。予定を確認して、明日中にメールでお返事してもよろしいでしょうか。
注意
口頭で断ったあとも、相手が日程を押さえている可能性があるときは、メールで一言「先ほどはお誘いいただきありがとうございました」と送っておくと行き違いを防げます。
二次会の断り方(その場で)
接待の一次会のあとに二次会へ誘われたときは、一次会へのお礼を先に伝えてから断ります。その場で言うので、短く、明るく。
ありがとうございます。今日は本当に楽しかったです。ただ、明日の朝が早いので、私はここで失礼させていただきます。また次の機会にぜひご一緒させてください。
お誘いありがとうございます。名残惜しいのですが、今日はこれで失礼いたします。本日はごちそうさまでした。
接待する側が二次会を辞退するとき
本日はお忙しいところお時間をいただき、ありがとうございました。私どもはこちらで失礼いたしますが、タクシーを呼んでおりますので、どうぞお気をつけてお帰りください。
注意
接待する側が相手を二次会に誘うときも、相手が断りやすいように「もしお時間があれば」と添え、断られたらすぐにタクシーを手配します。当日の段取りは接待の流れとマナーにまとめています。
決まっていた会食をキャンセルするとき
すでに日程が決まっていた会食を取りやめるときは、分かった時点ですぐに連絡します。前日や当日なら、まず電話で伝え、そのあとメールでも改めてお詫びします。
電話で伝えるとき
◯◯株式会社の◯◯です。いつもお世話になっております。◯日にお約束しておりました会食の件で、お詫びのお電話をいたしました。急な社内の事情で、伺うことができなくなってしまいました。直前のご連絡となり、誠に申し訳ございません。改めてメールでもご連絡いたします。
自分の都合でキャンセルするお詫びメール
件名:◯月◯日の会食についてのお詫び(◯◯株式会社 ◯◯)
◯◯株式会社
◯◯部 ◯◯様
いつもお世話になっております。◯◯株式会社の◯◯です。
先ほどお電話でもお伝えいたしましたが、◯月◯日(◯)にお約束しておりました会食につきまして、急な社内の事情により伺うことができなくなりました。
お時間をいただいていたにもかかわらず、直前のご連絡となり誠に申し訳ございません。
お店のご予約などでお手数をおかけしてしまい、申し訳ございません。キャンセル料が発生する場合は、ご遠慮なくお知らせください。
ご迷惑をおかけしたお詫びも兼ねて、改めて日程をご相談させていただけますと幸いです。
まずは取り急ぎ、お詫び申し上げます。
招いた側として延期をお願いする
大変申し訳ないのですが、◯月◯日(◯)の会食を延期させていただけないでしょうか。弊社◯◯に急な出張が入り、出席がかなわなくなりました。改めて、下記の日程でご都合を伺えますと幸いです。
相手からキャンセルの連絡が来たときの返信
ご丁寧にご連絡いただき、ありがとうございます。どうぞお気になさらないでください。お店のほうはこちらで対応いたします。また落ち着かれましたら、改めてご一緒できる日を楽しみにしております。
お店の予約は、招いた側が責任を持って取り消します。お詫びの書き方の全体はお詫びメールの例文も参考にしてください。
言い換え表(あいまい・失礼になりやすい言い方)
| 避けたい言い方 | なぜ避けるか | 言い換え |
|---|---|---|
| 「行けたら行きます」 | 相手が人数を決められない | 「◯日までにお返事いたします」 |
| 「無理です」「行けません」 | 結論だけで冷たく響く | 「伺うことができません」+お礼とお詫び |
| 「またいつか」(次を望むのに) | 相手が誘い直してよいか迷う | 「◯日か◯日でしたら伺えます」 |
| 「ぜひまた」(次を望まないのに) | 相手がまた誘ってくる | 「お気持ちだけ、ありがたく頂戴いたします」 |
| 理由を長々と書く | 言い訳に見え、条件を変えて誘い直される | 「先約があり」程度にとどめる |
| 返事を数日放っておく | 相手の予約や調整が止まる | 断る返事ほど早く出す |
よくある失敗
- 結論が最後にある:お礼と前置きが長く、断っていることが伝わらない。結論はお礼のすぐあとに。
- 次を望むのに日程を出さない:相手は社交辞令だと受け取り、二度と誘われなくなる。
- 上司経由の誘いに自分の判断で返す:上司が行くつもりだった場合に食い違う。返す前に上司に確認する。
- 直前のキャンセルをメールだけで済ませる:相手がメールを見ずに店へ向かってしまう。
- 口頭で断ったきりにする:相手が店の予約を押さえたままになることがある。
送信前のチェックリスト
- 冒頭でお誘いへのお礼を伝えている
- 断ることが一文ではっきり分かる
- 理由は一言で、うそや細かすぎる説明が入っていない
- 次を望むなら代わりの日程を、望まないなら日程を書いていない
- 上司や同席者の名前で断る場合、本人に確認済み
- 件名で何の返事か分かる
- 前日・当日のキャンセルなら、先に電話で伝えた
- お店の取り消しを誰がするか書いてある(招いた側なら自分)
この記事の要点
- 断り方はお礼→結論→理由は短く→今後につながる一言。
- 次を望むなら代わりの日程を出す。望まないなら「またの機会に」にとどめる。
- 予定が未定ならいつ返事をするかを先に伝える。
- 社内の決まりで受けられないときは相手の厚意を否定しない言い方で。
- 二次会は一次会へのお礼を先に、短く明るく断る。
- キャンセルは分かった時点ですぐ、電話のあとメールでもお詫びする。
FAQ
よくある質問
お誘いへのお礼を最初に伝え、結論ははっきり、理由は短く書きます。最後に「打ち合わせの場で引き続きよろしくお願いいたします」など、関係を続けたい気持ちを添えると角が立ちません。
詳しく書く必要はありません。「先約があり」「社内の決まりで」程度で十分です。理由を細かく書くと、相手がそれに合わせて条件を変えて誘い直すことになりかねません。
メールで誘われたならメールで返して構いません。電話や対面で誘われたらその場でお礼を言い、すぐ答えられなければ持ち帰ってメールで返します。決まっていた会食を前日や当日に取りやめるときは、まず電話で伝えます。
「◯日までにお返事いたします」と、返事をする期日を伝えて保留します。行けないと分かった時点で、期日を待たずに連絡します。
断って構いません。ただ、関係を続けたいなら「夜の席はご遠慮しているのですが」と伝えたうえで、ランチや打ち合わせなど別の形を提案すると、誘ってくれた気持ちに応えられます。
前日や当日のキャンセルは、まず電話で伝え、そのあとメールでも改めてお詫びします。相手がメールを見るのが遅れると、店に向かってしまうおそれがあるためです。