ビジネス用語
コンセプトとは?意味と使い方
企画での立て方と例文
「コンセプト」は、企画や商品の中心にある考え方、つまり「誰に、何を、どんな価値として届けるか」をひと言にまとめたものです。日本語に言い換えるなら「基本の考え方」「方針」「狙い」。使った一文は「この企画のコンセプトは『初めての人が一人でも来やすい交流会』です。」。コンセプトが決まっていると、会場・内容・告知の言葉を選ぶときに「これはコンセプトに合っているか」で判断できるようになります。このページでは、意味と語源、会議・メール・チャットの例文、「テーマ」「目的」との違い、企画のコンセプトの立て方と例、社外で使うときの言い換えをまとめました。
結論
「コンセプト」は英語のconceptから来た言葉です。concept は一般に概念・考え・構想を表す語です。日本の職場では、企画・商品・お店・イベントなどを貫く、中心となる考え方を指して使われます。
「コンセプト」の意味と語源
英語の concept は、物事について頭の中で作られたまとまった考えを表す語として使われます。ビジネスの「コンセプト」は、そこから転じて「この企画は何のために、誰のためにあるのか」という芯を指して使われます。
職場では、次のような組み合わせで使われます。
| 使われ方 | 指しているもの | 例 |
|---|---|---|
| 企画のコンセプト | 企画全体を貫く考え方 | 「忙しい人が昼休みに学べるセミナー」 |
| 商品コンセプト | 商品が誰のどんな悩みに応えるか | 「片手で使える◯◯」 |
| 店舗・空間のコンセプト | お店や会場で感じてほしい雰囲気・体験 | 「仕事帰りに一人で寄れる店」 |
| コンセプトアート・コンセプトカー | 完成前の構想を形にした見本 | デザインの方向を示す試作 |
Point
「コンセプト」は「迷ったときに立ち返る、企画の芯」。響きのよい言葉より、判断に使える言葉になっているかが大切です。
使い方の例文(会議・メール・チャット)
会議で(社内)
今回の交流会のコンセプトは「初めての人が一人でも来やすい会」にしたいと考えています。そのため、名札と、最初の十五分の自己紹介の進め方を工夫します。
立食にするか着席にするかで迷ったら、コンセプトに戻って考えましょう。一人で来る人が話しやすいのはどちらでしょうか。
チャットで(社内)
企画書の一枚目に、コンセプトをひと言で書いてもらえますか?部長が最初にそこを見るので。
このゲストの案、いい方だと思いますが、今回のコンセプトとは少しずれる気がします。
メールで(社内の上司へ)
件名:秋のお客様向けイベントの企画案
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
秋のお客様向けイベントの企画案をお送りいたします。
コンセプトは「導入して間もないお客様が、明日から使い方に迷わなくなる会」としました。
そのため、講演は少なめにし、担当者に直接質問できる時間を長めにとっております。
ご確認のうえ、ご意見をいただけますでしょうか。
メールで(取引先へ・言い換えた形)
件名:会場装飾のご相談
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯月のイベントの会場装飾について、ご相談させてください。
今回は「初めての方でも気軽に入れる、明るく開かれた雰囲気」を大切にしたいと考えております。
入口まわりの見せ方を中心に、ご提案をいただけますと幸いです。
注意
コンセプトを企画書のどこに書くかはイベント企画書の書き方、ひな形はイベント企画書のテンプレートを参考にしてください。
似た言葉との違い
| 言葉 | 表す内容 | 例(交流会の企画) |
|---|---|---|
| コンセプト | 誰に・何を・どんな価値として届けるかという芯 | 初めての人が一人でも来やすい交流会 |
| 目的 | その企画で達成したいこと | 参加者同士の取引のきっかけを作る |
| テーマ | 扱う題材・話題 | 新しい働き方 |
| ビジョン | 長い目で見て目指す姿 | 地域の事業者がつながり続ける場をつくる |
| キャッチコピー | 人の目を引き、覚えてもらうための言葉 | 「ひとりで来て、ふたりで帰ろう。」 |
| ターゲット | 届けたい相手の範囲 | 地域で独立して間もない事業者 |
「テーマ」は何についての会か、「コンセプト」は誰にとってどんな会か、と分けると区別しやすくなります。「キャッチコピー」はコンセプトを外向けに言い表した言葉で、コンセプトそのものとは役割が違います。
企画のコンセプトの立て方と例
コンセプトは、次の順に考えると言葉にしやすくなります。
- 01誰に:届けたい相手をできるだけ具体的に思い浮かべる(ペルソナを作るのも一つの方法)
- 02その人の困りごと・望み:相手が今どんなことに困っていて、何があればうれしいか
- 03何を届けるか:企画の中身で、その困りごとにどう応えるか
- 04ひと言にまとめる:「◯◯な人が、△△できる□□」の形に当てはめてみる
- 05判断に使えるか確かめる:会場・内容・告知を選ぶとき、その言葉で決められるか
立て方の例:社内向け勉強会
| 考えること | 書き出した内容 |
|---|---|
| 誰に | 入社して間もない、他部署の人と話す機会が少ない社員 |
| 困りごと・望み | 誰に何を聞けばよいかわからない |
| 何を届けるか | 各部署の担当者が自分の仕事を短く紹介し、質問できる時間を作る |
| ひと言にまとめる | 「新しく入った人が、明日から聞きに行ける相手を見つけられる勉強会」 |
立て方の例:お客様向けのセミナー
| 考えること | 書き出した内容 |
|---|---|
| 誰に | 商品を導入して間もないお客様の担当者 |
| 困りごと・望み | 基本の使い方はわかるが、自分の業務にどう当てはめればよいかわからない |
| 何を届けるか | 業務の場面ごとの使い方の紹介と、個別の質問の時間 |
| ひと言にまとめる | 「導入したばかりの担当者が、自分の仕事での使い方を持ち帰れるセミナー」 |
社外・目上の人に使ってよいか
「コンセプト」は広く定着している言葉で、社外や目上の人に使っても失礼にはあたりません。ただ、相手によっては「雰囲気」「テーマ」の意味で受け取ることもあるので、大事にしたいことを文で書き添えると伝わりやすくなります。
| 相手・場面 | おすすめの言い方 |
|---|---|
| 社内の会議・企画書 | コンセプト |
| 社内の上司へのメール | コンセプト(ひと言の中身を添える)/基本の考え方 |
| デザイン会社・会場 | 大切にしたい雰囲気/狙い |
| 取引先・お客様 | ◯◯を大切にしております/◯◯のための会です |
| カタカナ語に慣れていない相手 | 基本の考え方/狙い/方針 |
使うときに気をつけたいこと
| ありがちな言い方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| コンセプトは「つながり」です | どんな企画にも当てはまり、判断の基準にならない | 「◯◯な人が、△△できる会」と相手と中身を入れる |
| コンセプトとテーマを同じ意味で混ぜて使う | 話し合いで、題材の話と方針の話が混ざることがある | テーマは題材、コンセプトは誰にとってどんな会か、と分ける |
| キャッチコピーをコンセプトとして共有する | 響きはよいが、内部の判断に使いにくいことがある | 内部向けのコンセプトと外向けのコピーを分けて書く |
| 途中でコンセプトが変わったのに共有しない | 関係者がそれぞれ違う基準で決めてしまう | 変えたときは理由とともに全員に知らせる |
この記事の要点
- 「コンセプト」は誰に・何を・どんな価値として届けるかをひと言にまとめた企画の芯。
- 日本語なら「基本の考え方」「方針」「狙い」。
- 「テーマ」は何について、「コンセプト」は誰にとってどんな会か。
- 立て方は誰に → 困りごと → 何を届けるか → ひと言 → 判断に使えるか確かめる。
- 社外には「◯◯を大切にしております」など文で書き添える。
FAQ
よくある質問
企画や商品の中心にある考え方のことです。「誰に、何を、どんな価値として届けるか」をひと言にまとめたもので、内容を決めるときに立ち返る基準として使われます。
「テーマ」は扱う題材や話題のことで、「コンセプト」はその企画が誰にとってどんな価値を持つかという芯のことです。同じテーマでも、コンセプトが違えば内容や雰囲気は変わります。
届けたい相手を具体的に思い浮かべ、その人の困りごとや望みを書き出し、企画の中身でどう応えるかを考えたうえで、「◯◯な人が、△△できる□□」の形にまとめると言葉にしやすくなります。最後に、会場や内容を選ぶときの判断に使えるかを確かめます。
「基本の考え方」「方針」「狙い」「大切にしたいこと」などがあります。社外には「◯◯を大切にしております」のように文で伝えると誤解が起きにくくなります。
役割が違います。「コンセプト」は企画の内部で判断に使う芯で、「キャッチコピー」はそれを外向けに、目を引き覚えてもらえる言葉で言い表したものです。