四字熟語
一石二鳥の意味とは?
由来・英語・例文25と類語
「一石二鳥」は、一つのことをして、同時に二つの得を得ることです。読み方は「いっせきにちょう」。例文は「移動中に資料を読めば、時間の節約と準備が一度にできて一石二鳥だ。」。このページでは、意味と由来の早見表、場面別の例文25、朝礼・新年の抱負・送別会でそのまま読めるスピーチ例、類語・反対の表現の比較表、間違えやすい使い方、社外に使うときの言い換え、使う前のチェックリストをまとめました。
結論
「一石二鳥」は、一つの行い・手間で、二つの目的や利益を同時に果たすことを表す言葉です。「一石二鳥になる」「一石二鳥の方法」「一石二鳥を狙う」の形でよく使います。同じ意味の四字熟語に「一挙両得(いっきょりょうとく)」があります。
一石二鳥の意味を早見表で
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | いっせきにちょう |
| 意味 | 一つの行い・手間で、二つの得や目的を同時に果たすこと |
| たとえの元 | 一つの石を投げて、二羽の鳥を同時に捕らえる |
| よく使う形 | 一石二鳥になる/一石二鳥だ/一石二鳥の方法/一石二鳥を狙う |
| 由来 | 英語のことわざ「kill two birds with one stone」を訳した言葉とされる |
| 類語 | 一挙両得(ほぼ同じ意味) |
| 反対の表現 | 二兎を追う者は一兎をも得ず/虻蜂取らず |
| 英語 | kill two birds with one stone |
| 混同しやすい言葉 | 一石を投じる(問題を投げかける、という別の意味) |
Point
ポイントは「一つの手間」と「得が二つ、同時に」の両方がそろうこと。得が一つだけのときや、別々に手間をかけて二つの成果を得たときには合いません。
「一石二鳥」の由来
文字どおりには「一つの石で二羽の鳥を捕らえる」という意味で、そこから少ない手間で二つの成果を得ることを表すようになりました。
由来については、英語のことわざ「kill two birds with one stone」を日本語に訳した言葉だとする説明が一般的です。漢字四文字なので中国の古典から来た言葉と思われがちですが、そうではなく英語から入った言葉とされる点が、ほかの多くの四字熟語と違うところです。いつ誰が訳したかなど細かい経緯は説明によって違いがあるため、ここでは英語のことわざから来たとされる言葉、という程度にとどめます。
スピーチで由来に触れるなら、「英語のことわざから来たと言われています」のように言い切らない形にしておくと安心です。
一石二鳥の例文25(場面別)
そのまま使える短い例文を、場面ごとに並べました。どれも「一つの行い」と「二つの得」が一文の中で分かるようにしています。
日常生活
- 自転車で通勤すれば、交通費が浮くうえに運動不足も解消できて一石二鳥だ。
- 作り置きのおかずを多めに作っておけば、夕食と翌日の弁当の両方に使えて一石二鳥だ。
- 部屋の片づけついでに不要な本を売ったら、部屋が広くなってお小遣いも増え、一石二鳥だった。
- 犬の散歩を朝にすると、犬も喜ぶし自分の目も覚めるので一石二鳥だ。
- 家庭菜園は、野菜が採れるうえに気分転換にもなる一石二鳥の趣味だ。
仕事・会議
- 議事録を共有フォルダに置いておけば、欠席者への連絡と記録の保管が一度に済んで一石二鳥です。
- 研修の教材を作りながら業務マニュアルも更新できたので、一石二鳥でした。
- お客様へのアンケートをフォームにすれば、集計が楽になるうえに次回の案内先リストにもなり、一石二鳥です。
- 出張先で取引先を二社回れば、移動の手間が一度で済むので一石二鳥だ。
- 新人に資料の整理を任せると、本人の勉強にもなり、チームの手間も減るので一石二鳥だ。
- 社内勉強会の録画を残しておけば、参加できなかった人の学びと、次回の講師の準備の両方に役立って一石二鳥です。
勉強・自己研鑽
- 英語のニュースを聞けば、英語の練習と情報収集が同時にできて一石二鳥だ。
- 読んだ本の要点を社内に共有すると、自分の復習にもなって一石二鳥だ。
- 資格の勉強を業務に関係する分野にすれば、試験対策と仕事の知識が同時に身について一石二鳥だ。
- 通勤電車での音声学習は、移動時間の活用と学習時間の確保ができて一石二鳥だ。
健康・暮らしの工夫
- 階段を使えば、エレベーター待ちの時間がなくなり、運動にもなって一石二鳥だ。
- 水筒を持ち歩くと、出費が減るうえにこまめに水分を取る習慣もつき、一石二鳥だ。
- 早寝早起きにしたら、朝の時間に余裕ができて体調もよくなり、一石二鳥だった。
- 昼休みに少し歩くようにしたら、気分転換になるうえに午後の眠気も減って一石二鳥だ。
「一石二鳥を狙う」「一石二鳥とはいかない」の形
- 今回のイベントは、新規のお客様の獲得と既存のお客様へのお礼の両方を狙った、一石二鳥の企画です。
- コスト削減と品質向上の一石二鳥を狙ったが、思ったほど品質は上がらなかった。
- 二つの目的を一つの施策で果たそうとしたが、なかなか一石二鳥とはいかなかった。
- 欲張って一石二鳥を狙うより、まずは一つの目的を確実に達成しよう。
- この方法なら一石二鳥どころか、三つの課題が一度に片づきそうだ。
- 一石二鳥に見えても、どちらの成果も中途半端になるなら別々に進めたほうがよい。
注意
「〜して一石二鳥だ」の前に、何を一つしたのか、何が二つ得られたのかを入れるのが自然な形です。
一石二鳥を英語で言うと
英語では、由来とされることわざそのままの「kill two birds with one stone」が使われます。
| 日本語 | 英語の例 |
|---|---|
| それなら一石二鳥ですね。 | That would kill two birds with one stone. |
| 帰りに郵便局に寄って、ついでに買い物もしよう。一石二鳥だ。 | I'll stop by the post office and do some shopping on the way home. That kills two birds with one stone. |
| この方法なら一石二鳥になります。 | This way, we can kill two birds with one stone. |
英語のメールの書き方は英語の依頼メールの書き方でも紹介しています。
朝礼・年頭の挨拶・送別会・座右の銘としての使い方
スピーチでは、身近な工夫の話と組み合わせると聞き手がイメージしやすくなります。以下はゆっくり読んで1分前後の例です。原稿の長さはスピーチ原稿の時間計算ツールで確かめられます。
朝礼で(業務の工夫を共有する)
おはようございます。今日は「一石二鳥」という言葉を紹介します。一つのことで二つの得をする、という意味です。
先週から、お客様からの問い合わせをチームで共有する表を作りました。同じ質問にすぐ答えられるようになっただけでなく、どんな質問が多いかが見えてきて、案内の資料を直すきっかけにもなりました。まさに一石二鳥です。
皆さんの手元にも、ちょっとした工夫で二つ得をする方法があるかもしれません。思いついたら、ぜひ教えてください。今日もよろしくお願いします。
朝礼で(由来に触れる)
おはようございます。「一石二鳥」は四字熟語なので中国の古い言葉だと思っていたのですが、英語のことわざから来た言葉だと言われているそうです。
言葉にも、外から取り入れて自分たちのものにしてきた歴史があるのだと思うと、仕事でもよその部署のやり方を取り入れてみる価値がありそうです。今日は隣のチームの工夫を一つ聞いてみようと思います。よろしくお願いします。
年頭の挨拶・新年の抱負で
明けましておめでとうございます。今年の私の目標は、一つの仕事から二つの成果を生む、「一石二鳥」の働き方です。
たとえば、社内向けにまとめた資料を、少し手を加えてお客様への説明にも使えるようにする。一度の準備で二つの場面に役立てられれば、そのぶん新しいことに時間を使えます。
今年一年、手間の使い方を見直していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
送別会で(退職する先輩へ)
◯◯さん、長い間お世話になりました。◯◯さんに教わったことの中で一番心に残っているのは、「せっかく手を動かすなら、一石二鳥を考えよう」という言葉です。
会議の記録を取りながら、次の提案のメモも作っておく。そんな工夫を、私たちはたくさん真似させてもらいました。これからもその知恵を受け継いでいきます。新しい毎日が充実したものになりますよう、お祈りしています。
注意
「一石二鳥」は前向きで軽やかな響きなので、朝礼や新年の抱負には使いやすい一方、座右の銘にすると「楽をしたい」と受け取られることもあります。座右の銘として紹介するなら、「手間を無駄にしない」という考え方を一言添えると伝わりやすくなります。朝礼の話題の選び方は朝礼スピーチのネタと例文、新年の抱負は仕事の新年の抱負の例文も参考にしてください。
ビジネスでの使い方の例文(会議・メール・面談)
会議で(提案の利点を伝える)
展示会の来場者アンケートを紙からフォームに変えれば、集計の手間が減るうえに、そのまま次回の案内の送り先にも使えます。一石二鳥だと思います。
面談で(上司から部下へ)
今回の資料作りは、◯◯さんの勉強にもなるし、チームの引き継ぎ資料にもなるので、一石二鳥だと思って取り組んでみてください。
メールで(社内への提案)
件名:定例会議の資料共有方法のご提案
◯◯課長
お疲れさまです。□□です。
定例会議の資料を、印刷ではなく共有フォルダで配る形に変えてはどうかと考えております。
印刷の手間が減るだけでなく、欠席した人も同じ資料を確認できるようになります。
ご検討いただけますと幸いです。
注意
メールでは「一石二鳥です」と書くより、二つの得を具体的に並べるほうが説得力が出ます。相乗効果を表す言葉はシナジーの意味と使い方にまとめています。
類語・言い換え・反対の表現
| 表現 | 意味・ニュアンス | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| 一石二鳥 | 一つの手間で二つの得をすること | 会話・会議・スピーチ |
| 一挙両得(いっきょりょうとく) | 一つの行いで二つの利益を得ること(ほぼ同じ意味) | 文章・スピーチ |
| 一石三鳥 | 三つの得を言いたいときに一石二鳥をもじった言い方 | くだけた会話 |
| 相乗効果 | 二つ以上のものが合わさって、それぞれ以上の効果が出ること | 提案書・報告 |
| 一度に二つの効果がある | 一石二鳥を具体的に言い換えた形 | 社内外のメール |
| 二兎を追う者は一兎をも得ず(反対) | 二つを同時に狙うと、どちらも得られない(ことわざ) | 欲張りをいさめるとき |
| 虻蜂取らず(あぶはちとらず・反対) | 両方を狙って、どちらも取り逃がすこと | 会話・スピーチ |
「一石二鳥」と「一挙両得」はほぼ同じ意味で使われます。「一挙両得」のほうがやや改まった響きなので、文章や改まったスピーチでは「一挙両得」を選んでもよいでしょう。
反対の表現は、「一石二鳥を狙ったつもりが、結果は二兎を追う者は一兎をも得ずになった」のように、狙いすぎを振り返る場面で一緒に使えます。
間違えやすい使い方とよくある失敗
| 言い方・書き方 | 気になる点 | 一般的な形 |
|---|---|---|
| 一石二丁/一席二鳥 | 漢字の書き間違い | 一石二鳥 |
| いっこくにちょう/いっせきにとり | 読み間違い | いっせきにちょう |
| 一石を投じて一石二鳥になった | 「一石を投じる」(問題を投げかける)は別の言葉 | 一度の工夫で一石二鳥になった |
| (一つしか得がないのに)一石二鳥だ | 得が二つ同時にあるときに使う言葉 | 効率がよい/手間が省ける |
| (別々に手間をかけたのに)一石二鳥だ | 「一つの手間で」という条件が抜けている | 両方とも片づいた |
| 一石三鳥 | 辞書の見出しにない場合もある派生的な言い方。改まった文書では避けるのが無難 | 一度に三つの効果がある |
仕事でありがちな失敗
- 二つ目の得があいまい:「一石二鳥です」とだけ言って、何と何が得られるのかを言わない。聞き手は納得しにくくなります。
- どちらも中途半端になる:一つの施策に二つの目的を背負わせすぎて、どちらの成果も小さくなる。この場合は反対の表現どおりの結果です。
- 相手の手間を増やして一石二鳥と言う:自分の側だけ得をして、相手の作業が増える提案を「一石二鳥」と呼ぶと反発を招きます。
「一石を投じる」との混同はよく起こります。違いは「一石を投じる」の意味と使い方にまとめています。
目上・社外に使うときの注意
「一石二鳥」は失礼な言葉ではありませんが、「こちらが得をする」という響きがあります。取引先に「当社にとっても一石二鳥です」と言うと、損得を計算しているように聞こえることがあります。また、目上の人の工夫を「一石二鳥ですね」と言うと、軽い感想に聞こえることもあります。
| 相手・場面 | おすすめの言い方 |
|---|---|
| 取引先に双方の利点を伝える | 双方にとってよい形になるかと存じます |
| 取引先に提案の利点を伝える | ◯◯と△△の両方にお役立ていただけます |
| 上司の工夫に感心したとき | 一度に二つの課題が片づく方法で、大変勉強になりました |
| 社内の同僚との会話 | それは一石二鳥ですね |
使う前のチェックリスト
- 表記は「一石二鳥」、読みは「いっせきにちょう」になっている
- 「一つの行い」が何かが一文の中で分かる
- 得られるものが二つ、同時にそろっている(一つだけ、または別々の手間ではない)
- 二つの得を具体的に言えている
- 「一石を投じる」と混ぜていない
- 取引先・目上の人には「双方にとってよい形」などの言い換えを検討した
- 由来に触れるときは「〜と言われています」の形にしている
この記事の要点
- 「一石二鳥(いっせきにちょう)」は一つの手間で二つの得を得ること。
- 由来は英語のことわざ「kill two birds with one stone」を訳した言葉とする説明が一般的。
- 同じ意味の四字熟語は「一挙両得」、反対は「二兎を追う者は一兎をも得ず」「虻蜂取らず」。
- 例文では「何を一つしたか」「何が二つ得られたか」を一文に入れると自然。
- 取引先には「双方にとってよい形」のように言い換えると損得勘定が前に出ない。
FAQ
よくある質問
「いっせきにちょう」と読みます。一つのことをして、同時に二つの得を得ることを表す言葉です。
英語のことわざ「kill two birds with one stone」を日本語に訳した言葉だとする説明が一般的です。中国の古典から来た言葉ではないとされますが、細かい経緯は説明によって違いがあります。
「kill two birds with one stone」です。「That would kill two birds with one stone.(それなら一石二鳥ですね)」のように使います。
どちらも一つの行いで二つの得を得ることを表し、ほぼ同じ意味で使われます。「一挙両得」のほうがやや改まった響きがあります。
三つの得を言いたいときに一石二鳥をもじって使われる言い方です。会話では通じますが、辞書の見出しにない場合もあるので、改まった文書では「一度に三つの効果がある」と書くのが無難です。
失礼な言葉ではありませんが、損得を計算しているように聞こえることがあります。「双方にとってよい形になるかと存じます」などに言い換えると無難です。
二つを同時に狙ってどちらも得られないことを表す「二兎を追う者は一兎をも得ず」「虻蜂取らず」が、反対の意味としてよく挙げられます。