四字熟語
言語道断の意味と読み方
使い方の例文と目上への注意
「言語道断」の読み方は「ごんごどうだん」です。意味は言葉にできないほどひどいこと、もってのほか。使った一文は「お客様の個人情報を持ち出すなど言語道断だ。」。「言語」を「げんご」と読みたくなりますが、この言葉では「ごんご」と読みます。非難の気持ちがとても強い言葉なので、誰の何に向けて使うかに注意が要ります。このページでは、読み方と意味、もとの意味、朝礼・年頭の挨拶での使い方、会議・メール・面談の例文、言い換え、目上・社外に使うときの注意をまとめました。
結論
「言語道断」は、あまりにひどくて言葉で言い表せないこと、とんでもないことを表す四字熟語です。「言語道断の振る舞い」「〜など言語道断だ」の形で、許されない行いを強く非難するときに使います。
「言語道断」の読み方・意味と由来
読み方は「ごんごどうだん」です。「言語」を「ごんご」と読むのは、仏教の言葉などで使われてきた古い読み方とされます。ふだんの「言語(げんご)」と同じ字なので、「げんごどうだん」と読み間違えやすい言葉です。
もとは仏教の言葉とされ、「言語の道が断たれる」、つまり奥深い真理は言葉では言い表せないという意味で使われていたと説明されます。それが後に、言葉にできないほどひどい、もってのほかだという意味で使われるようになりました。
Point
今の「言語道断」は強い非難の言葉。もとは「言葉で表せないほど奥深い」という意味だったとされますが、いまは悪い意味で使うのが一般的です。ほめ言葉としては使いません。
朝礼・年頭の挨拶での使い方(送別会・座右の銘には向かない)
「言語道断」は強い非難の言葉なので、スピーチでは決して許されない行いを示して、ルールの大切さを伝える場面に向いています。特定の誰かを名指しする形にはせず、全員への心がけとして話すのが基本です。以下はゆっくり読んで1分前後の例です。
朝礼で(情報の取り扱いを呼びかける)
おはようございます。今日は情報の取り扱いについてお話しします。
お客様からお預かりした名簿や連絡先を、許可なく持ち出したり、私用のメールに転送したりすることは、どんな理由があっても言語道断です。一度起きてしまえば、お客様の信頼を取り戻すのは簡単ではありません。
迷ったときは自分で判断せず、必ず上長に相談してください。今日もよろしくお願いします。
年頭の挨拶で(安全や法令を守る意識を共有する)
新年おめでとうございます。年の初めに、改めてお伝えしたいことがあります。
会場の設営や搬入では、急いでいるときほど安全の手順を省きたくなります。しかし、時間を優先して安全をおろそかにすることは言語道断です。
決められた手順は、皆さん自身と、イベントに来てくださる方を守るためのものです。今年も一つひとつの手順を大切にしていきましょう。本年もよろしくお願いいたします。
注意
送別会や座右の銘など、相手を送り出す・自分の信条を語る場面には向きません。「言語道断」を座右の銘にすると、意味が伝わりにくいうえに強すぎる印象になります。安全の呼びかけの話し方は安全大会の挨拶の例文、朝礼の組み立ては朝礼スピーチのネタと例文も参考にしてください。
ビジネスでの使い方の例文(会議・メール・面談)
会議で(社内のルールを確認する)
見積もりの数字を確認しないまま先方に送るのは言語道断なので、今後は必ず二人で確認してから送る流れにしましょう。
会議で(社内の再発防止策を話す・言い換えた形)
今回の件は、決してあってはならないことでした。原因を整理したうえで、同じことが起きない仕組みを話し合いたいと思います。
面談で(上司から部下へ・言い換えた形)
締め切りに遅れたこと自体よりも、遅れると分かった時点で連絡がなかったことが問題です。次からは、分かった時点ですぐに相談してください。
メールで(社外へのお詫び・言い換えた形)
件名:◯◯の誤送付についてのお詫び
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
このたびは、弊社の確認不足により、◯◯を誤ってお送りしてしまい、誠に申し訳ございません。
本来あってはならない誤りであり、深く反省しております。
今後は送付前の確認を二重に行い、再発防止に努めてまいります。
注意
面談で部下に「言語道断だ」と言うと、人格を否定されたように受け取られるおそれがあります。指導では、何が問題だったかを具体的に伝えるほうが改善につながります。お詫びの文面では「言語道断」よりも、「本来あってはならない」「誠に申し訳ございません」のほうが落ち着いて伝わります。お詫びの言い回しはお詫びの言葉の言い換え一覧にまとめています。
似た表現・言い換え・反対の表現
| 表現 | 意味・ニュアンス | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| 言語道断 | 言葉にできないほどひどい(非難がとても強い) | 社内の注意喚起・規律の話 |
| もってのほか | とんでもない、許されない | 会話・社内の文書 |
| 論外 | 話にならない、議論の対象にもならない | 社内の会話(突き放した響きになりやすい) |
| 決してあってはならない | 強い戒めを、やわらかく言った形 | 社内外の文書 |
| 誠に遺憾に存じます | 残念で受け入れがたいという気持ち(改まった言い方) | 社外への文書 |
| 言語に絶する(混同注意) | 言葉で言い表せないほどであること(よい意味にも悪い意味にも使う) | 文章 |
| 当然のこと/もっともなこと(反対) | 道理にかなっていること | 反対の意味として |
「言語に絶する」は字面が似ていますが、程度がはなはだしいことを表し、悪い意味に限りません。「言語道断」は非難の言葉なので、取り違えないようにしましょう。
間違えやすい使い方
| 言い方・書き方 | 気になる点 | 一般的な形 |
|---|---|---|
| げんごどうだん | 読み間違い | ごんごどうだん |
| 言語同断/言後道断 | 漢字の書き間違い | 言語道断 |
| (すばらしい景色を見て)言語道断の美しさ | 今は非難の意味で使うのが一般的。ほめ言葉には合わない | 言葉にできないほどの美しさ/筆舌に尽くしがたい |
| (少しの遅刻に)言語道断だ | 非難がとても強い言葉なので、小さなミスに使うと大げさ・きつく聞こえる | 次から気をつけてください |
目上・社外に使うときの注意
「言語道断」は相手を強く非難する言葉です。上司や取引先の言動に向けて使うと、関係を損なうほど強い表現になります。目上・社外の相手については使わず、どうしても問題を伝える必要があるときは、事実と困っている点を落ち着いて伝える形にします。
| 相手・場面 | おすすめの言い方 |
|---|---|
| 取引先の対応に問題があったとき | 今回の件につきまして、事実関係をご確認いただけないでしょうか |
| 取引先に強い遺憾の意を伝える | 今回の件は誠に遺憾に存じます |
| 上司に、社内で起きた問題を報告する | 決してあってはならない事態と受け止めております |
| 自社の不手際を社外にお詫びする | 本来あってはならない誤りであり、誠に申し訳ございません |
| 社内の規律として全員に伝える | ◯◯することは言語道断です(名指しはしない) |
自社の不祥事のお詫びで「言語道断」と書かれることもありますが、強い言葉を使うほど誠意が伝わるわけではありません。何が起きたか、どう防ぐかを具体的に書くほうが、相手には伝わります。苦情への返信の書き方はクレームへの返信メールの例文も参考にしてください。
この記事の要点
- 読み方は「ごんごどうだん」。「げんごどうだん」は一般に誤読とされる。
- 意味は言葉にできないほどひどいこと、もってのほか。強い非難の言葉。
- もとは仏教の言葉とされ、「言葉で表せないほど奥深い」という意味だったとされるが、今は悪い意味で使う。
- 朝礼では名指しせず、全員への戒めとして。送別会・座右の銘には向かない。
- 目上・社外の相手には使わず、「誠に遺憾に存じます」「本来あってはならない」などに言い換える。
FAQ
よくある質問
「ごんごどうだん」と読みます。「言語」をふだんどおり「げんご」と読むのは読み間違いとされます。
言葉で言い表せないほどひどいこと、もってのほかであることを表します。許されない行いを強く非難するときに使う四字熟語です。
もとは仏教の言葉とされ、奥深い真理は言葉では言い表せない、という意味で使われていたと説明されます。今は悪い意味で使うのが一般的です。
相手の言動に向けて使うのは避けましょう。非難がとても強く、関係を損なうおそれがあります。問題を伝えるときは「今回の件は誠に遺憾に存じます」など、改まった言い方にするのが無難です。
自社の不手際について使われることもありますが、強い言葉を使うほど誠意が伝わるわけではありません。「本来あってはならない誤りであり、誠に申し訳ございません」のように書き、原因と再発防止策を具体的に添えるほうが伝わります。