料金比較
gpt-4o-transcribeの料金は$0.006/分
全モデルの単価と会議1本の実費
結論:gpt-4o-transcribeの料金は、公式pricingページで1分あたりの目安(Estimated cost)が$0.006です。60分の音声なら$0.006×60分=$0.36になります。同じページでは、100万トークンあたり入力$2.50・出力$10.00というトークン単価も併記されています。
ただし、公式ガイドではgpt-4o-transcribe・gpt-4o-mini-transcribe・gpt-4o-transcribe-diarize・whisper-1が非推奨(deprecated)とされ、2027年2月26日に提供終了と案内されています。録音ファイルの文字起こしで公式が推奨しているのはgpt-transcribe($0.0045/分)です。既存の連携は終了日まで動きますが、新しく組むならgpt-transcribeを第一候補にしてください。
判断に必要な比較も先に示します。Whisper(whisper-1)は、pricingページには載っておらず、モデルページに$0.006/分と記載されています。話者識別つきのgpt-4o-transcribe-diarizeは、モデルページに100万トークンあたり入力$2.50・出力$10.00(gpt-4o-transcribeと同じ)のトークン単価だけが記載され、分あたりの目安は公式に記載されていません。最安はgpt-4o-mini-transcribeの$0.003/分、gpt-transcribeは$0.0045/分、ライブ用は$0.017/分です。録音ファイルを後から処理する用途なら、比べる単価は$0.003〜$0.006/分の範囲に収まります。
この記事ではOpenAIの公式pricingページと各モデルページに記載されている数値だけを使い、会議1本・月あたりの実費を計算過程つきで示したうえで、Pythonでの呼び出し例と、ファイルサイズなど実装時の注意点をまとめます。本記事は2026年10月時点の情報です。単価は改定されるため、発注や設計の前に公式ページでご確認ください。
結論
OpenAIの文字起こしAPIはモデル単位で単価が設定されています。公式pricingページの「Estimated cost」欄には1分あたりの目安として、gpt-4o-transcribeが$0.006/分、gpt-transcribeが$0.0045/分、最安のgpt-4o-mini-transcribeが$0.003/分、ライブ用のgpt-live-transcribeとgpt-realtime-whisperが$0.017/分と記載されています。gpt-4o-transcribeとgpt-4o-mini-transcribeには、これに加えて100万トークンあたりの入力・出力単価も記載されています。Whisper(whisper-1)はpricingページになく、モデルページに$0.006/分と記載されています。話者識別を含むgpt-4o-transcribe-diarizeは、モデルページに入力$2.50・出力$10.00(100万トークンあたり、gpt-4o-transcribeと同じ)とあるだけで、分あたりの目安は記載されていません。なお、公式ガイドではgpt-transcribeが録音ファイル向けの推奨モデルとされ、gpt-4o系の3モデルとwhisper-1は2027年2月26日に提供終了の予定です。選定の軸は「話者識別が要るか」と「精度と単価のどちらを優先するか」の2つで、この2点が決まればモデルは自動的に絞り込めます。
先に結論:4つの価格帯で考える
モデル名を全部覚える必要はありません。イベント運営の会議録という用途に限れば、判断は次の4つの価格帯のどれを選ぶかに集約されます。単価は公式pricingページと各モデルページに記載されているものです。
- $0.003/分(gpt-4o-mini-transcribe):一覧の中で最安です。誰の発言かを分ける必要がなく、会議の流れと決定事項を拾えれば足りる用途の候補です。ただし非推奨で、2027年2月26日に提供終了の予定です。
- $0.0045/分(gpt-transcribe):公式ガイドが録音ファイルの文字起こしに推奨しているモデルです。prompt、keywords、languagesで社名や専門用語のヒントを渡せます。新しく組むならここが出発点です。
- $0.006/分(Whisper / gpt-4o-transcribe):この2つは同じ単価です(Whisperはモデルページの記載)。話者識別つきのgpt-4o-transcribe-diarizeは分単価の記載がありませんが、トークン単価がgpt-4o-transcribeと同じなので、費用は同程度になる見込みです。3つとも非推奨で、2027年2月26日に提供終了の予定です。
- $0.017/分(gpt-live-transcribe / gpt-realtime-whisper):ライブ用のモデルです。会議終了後にファイルを投げる運用であれば、この価格帯を選ぶ理由はありません。
Point
録音ファイルを後から処理する運用なら、比べる単価は$0.003〜$0.006/分の範囲です。話者識別つきのgpt-4o-transcribe-diarizeは、公式には分あたりの目安が記載されていません。トークン単価(入力$2.50・出力$10.00/100万トークン)がgpt-4o-transcribeと同じなので費用は同程度になる見込みですが、実際の額は利用明細で確認してください。また公式ガイドでは非推奨で、2027年2月26日までの提供です。新規の構成はgpt-transcribe($0.0045/分)を基本にし、話者識別が要る場合だけ、終了日までの利用と移行の計画を前提にdiarizeを使うのが安全です。
注意
この記事では、公式pricingページと各モデルページに記載のない数値は扱いません。時間あたりの単価、無料クレジットの有無、認識精度の数値は、いずれも公式pricingページに記載がありません。本文中の金額のうち、公式に記載された分単価とトークン単価以外はすべて分単価からの計算であり、計算過程をその場に書いています。
公式に記載されている分単価
公式pricingページに記載されている文字起こしモデルの単価を、そのまま表にします。pricingページに載っていないWhisperと話者識別つきのgpt-4o-transcribe-diarizeは、それぞれのモデルページ(whisper-1、gpt-4o-transcribe-diarize)の記載を使っています。順序は単価の安い順に並べ替えています。
| モデル | 単価 | 位置づけ |
|---|---|---|
| gpt-4o-mini-transcribe | $0.003/分 | 一覧の中で最安(非推奨) |
| gpt-transcribe | $0.0045/分 | 公式ガイドの推奨モデル |
| Whisper | $0.006/分 | APIのモデル名はwhisper-1。モデルページの記載(非推奨) |
| gpt-4o-transcribe | $0.006/分 | Whisperと同単価(非推奨) |
| gpt-live-transcribe | $0.017/分 | ライブ |
| gpt-realtime-whisper | $0.017/分 | ライブ |
| gpt-4o-transcribe-diarize | 記載なし(トークン課金) | 文字起こし+話者識別。モデルページの記載(非推奨) |
この表を眺めて最初に気づくべきは、「Whisper」が特別に安いわけでも高いわけでもないということです。Whisperという名前が広く知られているため、文字起こしAPIの費用の話がWhisperの単価だけで語られがちですが、同じ$0.006/分の枠にgpt-4o-transcribeが並んでおり、さらに半額の$0.003/分のモデルが存在します。「Whisperを使うかどうか」ではなく「どの単価帯を使うか」で考えるほうが、見積もりも設計も正確になります。
注意
表の「非推奨」は、公式ガイド(Speech to text)でdeprecatedとされ、2027年2月26日に提供終了と案内されているモデルです。なお、2026年10月時点のpricingページには、gpt-4o-transcribe-diarizeとWhisperの行がありません。
分単価は「目安」、gpt-4o系にはトークン単価もある
公式pricingページの文字起こしモデルの表は「Input」「Output」「Estimated cost」の列で構成され、表には「Prices per 1M tokens unless noted」と注記されています。つまり上の表の分単価は「Estimated cost」、1分あたりの目安です。gpt-4o-transcribeとgpt-4o-mini-transcribeには、次のトークン単価も記載されています。gpt-4o-transcribe-diarizeはモデルページのトークン単価を併記します。
| モデル | 入力(100万トークンあたり) | 出力(100万トークンあたり) | 目安(1分あたり) |
|---|---|---|---|
| gpt-4o-transcribe | $2.50 | $10.00 | $0.006 |
| gpt-4o-transcribe-diarize | $2.50 | $10.00 | 記載なし |
| gpt-4o-mini-transcribe | $1.25 | $5.00 | $0.003 |
gpt-transcribeは、入力・出力の欄が空欄で、分単価だけが記載されています。Whisperはモデルページに分単価($0.006/分)だけが記載されています。gpt-4o-transcribe-diarizeはトークン単価がgpt-4o-transcribeと同じなので、費用は同程度になる見込みですが、公式の分単価がないため実際の額は利用明細で確認してください。見積もりは分単価の目安で立て、実際の請求額は利用状況の画面で確かめるという順序が現実的です。本記事の試算はすべて分単価の目安による計算です。
注意
文字起こしAPIの単価は改定されます。本記事の数値は2026年10月時点で公式pricingページと各モデルページに記載されていたものです。見積もりに使う際は、その時点の公式ページで再確認してください。
会議1本あたりいくら払うのか
分単価は、そのままでは業務の判断材料になりません。実際に扱う会議の長さを掛けて、1本あたりの金額に直します。以下はすべて公式の分単価に会議の分数を掛けただけの計算で、計算式をその場に併記しています。
| 会議の長さ | $0.003/分(gpt-4o-mini-transcribe) | $0.006/分(Whisper / gpt-4o-transcribe) |
|---|---|---|
| 30分 | $0.003×30分=$0.09 | $0.006×30分=$0.18 |
| 60分 | $0.003×60分=$0.18 | $0.006×60分=$0.36 |
| 90分 | $0.003×90分=$0.27 | $0.006×90分=$0.54 |
| 120分 | $0.003×120分=$0.36 | $0.006×120分=$0.72 |
中間の価格帯であるgpt-transcribeは$0.0045/分なので、60分の会議なら$0.0045×60分=$0.27です。ライブ用のgpt-live-transcribeを60分使った場合は$0.017×60分=$1.02になります。話者識別つきのgpt-4o-transcribe-diarizeは公式に分単価の記載がないため、この表には含めていません。
この金額をどう読むか
60分の打ち合わせ1本が、最安のモデルで$0.18、Whisperやgpt-4o-transcribeでも$0.36。会議1本あたりのコストとしては、人が手で議事録を起こす時間と比べる次元にありません。費用が導入の障壁になるケースは、月に扱う本数がよほど多い場合に限られます。
逆に言えば、単価の安いモデルを選んで節約できる金額も、会議1本単位では小さいということです。60分の会議で$0.006/分と$0.003/分の差は$0.36−$0.18=$0.18にすぎません。1本ずつ見ているかぎり、モデル選定を費用で決める意味はほとんどないのです。判断の軸は次章の月間ボリュームと、その次の章で扱う話者識別の要否に移ります。
月あたりの試算とボリュームの効き方
イベント運営の実務では、1つの案件でキックオフ、進行確認、会場との打ち合わせ、協力会社との調整、振り返りと、60分前後の打ち合わせが何本も走ります。案件が複数並行すれば、月に扱う会議は簡単に積み上がります。
60分の会議を月20本処理した場合
計算の前提を置きます。60分の会議を月20本、合計で60分×20本=1,200分の音声を処理するとします。この場合の月額は次のとおりです。
- gpt-4o-mini-transcribe:$0.003×1,200分=$3.6
- Whisper / gpt-4o-transcribe:$0.006×1,200分=$7.2
- gpt-4o-transcribe-diarize:分単価の記載なし(トークン課金)。トークン単価はgpt-4o-transcribeと同じなので同程度の見込みだが、実額は利用明細で確認
差額は$7.2−$3.6=$3.6です。月に1,200分という、イベント運営としてはかなり多いほうのボリュームを処理しても、モデルの単価差で生まれる金額はこの程度にとどまります。費用を理由に安いモデルを選ぶ判断は、この規模では合理性がありません。手直しに1時間余分にかかれば、その人件費だけで差額を上回ります。
Point
モデル選定は「品質と機能」で決め、費用は上限管理の問題として別に扱う。これがこの記事の実務的な結論です。月間の処理分数が読める範囲であれば、単価の差より、話者識別の有無と手直し工数のほうが金額インパクトが大きくなります。
費用が問題になるのはどういうときか
分単価が小さいからといって、請求額が小さいままとは限りません。金額が膨らむのは、単価ではなく処理する分数が想定外に増えたときです。よくあるのは次のパターンです。
- 01同じファイルを何度も処理してしまう。自動化スクリプトの重複起動や、リトライ処理の設計ミスで、同じ音声が繰り返し課金対象になります。処理済みファイルの記録を残し、二重処理を防ぐ仕組みを最初に入れてください。
- 02テストと本番を同じ経路で流す。プロンプトや出力形式を調整する過程で、同じ長時間音声を何度も投げることになります。調整段階では短く切り出した音声で試すのが基本です。
- 03無音や待機時間まで送ってしまう。分単価で見積もる以上、開始前の雑談や終了後の放置録音もそのまま処理する分数に乗ります。前後の不要部分を切ってから送るだけで、処理する分数は確実に減ります。
- 04ライブ用モデルを、後処理の用途に使ってしまう。$0.017/分は$0.003/分の水準とは別物です。リアルタイム表示が要件でないなら、選ぶ理由はありません。
いずれも単価の問題ではなく、運用の設計で防げる問題です。見積もりの精度を上げたいなら、モデルの比較より先に「月に何分の音声を処理するのか」を実測することをおすすめします。
どのモデルを選ぶか:判断の順序
ここまでの内容を、選定の手順にまとめます。上から順に答えていけば、選ぶべきモデルが1つに決まります。
- 01リアルタイムで文字が出る必要があるか。会議中の画面に文字起こしを表示する、同時に翻訳を出すといった要件があるなら、$0.017/分のライブ用モデル(gpt-live-transcribe / gpt-realtime-whisper)が対象になります。会議終了後にファイルを処理するだけなら、この時点で候補から外れます。
- 02誰の発言かを分ける必要があるか。必要なら、話者識別を含むgpt-4o-transcribe-diarizeが対象です。公式に分単価の記載はなく、トークン単価(入力$2.50・出力$10.00/100万トークン)がgpt-4o-transcribeと同じなので、費用は同程度になる見込みです。実際の額は利用明細で確認してください。ただし2027年2月26日に提供終了の予定なので、それまでに移行先を決める前提で使います。
- 03話者識別が不要な場合は、まずgpt-transcribe($0.0045/分)。公式ガイドの推奨モデルで、提供終了の予定もありません。既存の連携で単価を最優先するならgpt-4o-mini-transcribe($0.003/分)、$0.006/分の帯にWhisperとgpt-4o-transcribeがありますが、いずれも2027年2月26日に提供終了の予定です。
- 04最後に、実際の音声で比べる。単価が決め手にならない以上、残るのは自社の音声での出来ばえです。本番と同じ会場・同じマイク構成で録った音声を、候補モデルすべてに同じ条件で通してください。
比較はコストではなく手直し時間で行う
前章で見たとおり、モデル間の費用差は小さい。したがって比較の指標は金額ではなく、出力をそのまま使えるか、どれだけ手を入れる必要があるかに置くべきです。同じ音声を複数モデルで処理し、次の観点で見比べてください。
- 固有名詞の変換:社名、製品名、会場名、登壇者名が正しく出るか。イベント関連の音声で最も差が出る部分です。
- 数字の扱い:金額、人数、日時が正確か。契約に関わる数字の誤りは、手直し工数の問題では済みません。
- 言い淀みの処理:「えー」「あの」といった発話がどう扱われるか。読み物として使うなら、ここの差がそのまま編集時間になります。
- 話者の切り替わり:話者識別つきのモデルを使う場合、切り替わりが実際の発話と一致しているか。
この4点を、実際に使う予定の音声で確認すること。単価表の比較で決められるのは候補の絞り込みまでで、最終判断は自社の音声でしかできません。
gpt-4o-transcribe・gpt-transcribeの呼び出し方と注意点
料金を確かめたら、次は実際に1本流して出来ばえを見る段階です。OpenAIの公式ガイド(Speech to text)の呼び出し方に沿って、Python SDKでの最小構成を示します。APIキーは環境変数に設定しておきます。
from openai import OpenAI
client = OpenAI()
with open("meeting.m4a", "rb") as f:
result = client.audio.transcriptions.create(
model="gpt-transcribe",
file=f,
)
print(result.text)例では公式が推奨するgpt-transcribeを指定しています。model を "gpt-4o-transcribe" に書き換えれば、同じ形でgpt-4o-transcribeを呼べます(gpt-4o-mini-transcribe、whisper-1も同様)。候補モデルの比較は、この1行を変えて同じ音声を流すだけで始められます。gpt-4o系とwhisper-1は2027年2月26日に提供終了の予定なので、比較は移行の検証も兼ねて行うと無駄がありません。
話者識別つき(gpt-4o-transcribe-diarize)で呼ぶ場合
公式ガイドでは、gpt-4o-transcribe-diarizeは既存の連携向けに2027年2月26日まで使えるモデルで、通常の文字起こしには推奨しないと位置づけられています。そのうえで、30秒を超える音声では chunking_strategy を "auto" などに設定すること、話者・開始・終了の情報つきで受け取るには diarized_json の応答形式を指定することが案内されています。
with open("meeting.m4a", "rb") as f:
result = client.audio.transcriptions.create(
model="gpt-4o-transcribe-diarize",
file=f,
response_format="diarized_json",
chunking_strategy="auto",
)
print(result)実装前に確認しておくこと
- ファイルサイズ:公式ガイドでは、アップロードできるファイルは25MBまでです。長時間の会議録音は、超える場合に分割してから送る設計にする
- ファイル形式:対応する入力形式は mp3、mp4、mpeg、mpga、m4a、wav、webm。ほかの形式で録った音声は変換してから送る
- 分割したときの費用:分割しても処理する音声の合計分数は変わらないため、分単価の目安による試算はそのまま使える
- 固有名詞:公式ガイドでは、gpt-transcribe で prompt、keywords、languages を使うと専門用語や多言語の音声の文字起こしを改善できると案内されている。社名・会場名が多い会議では試す価値がある
話者識別をAPI側でやるか、運用側でやるか
話者識別(誰の発言かを分ける処理)は、会議録の使い道を大きく左右します。決定事項に責任者が紐づくかどうかが変わるためです。APIを使わずにサービスとして使う選択肢との比較はAI議事録ツールの選び方、文字起こしの後に議事録へ仕上げる確認の手順は議事録を手早く仕上げる手順にまとめています。
API側でやる場合
gpt-4o-transcribe-diarizeは、文字起こしと話者識別を1つのモデルで行います。料金はモデルページに100万トークンあたり入力$2.50・出力$10.00と記載されており、gpt-4o-transcribeと同じトークン単価です。公式には分あたりの目安が記載されていないため、断定はできませんが、費用はgpt-4o-transcribe($0.006/分)と同程度になる見込みです。実際の額は、短い音声で試したうえで利用明細で確認してください。費用の差は小さい見込みなので、話者を分ける可能性があるなら、このモデルで処理しておく価値はあります。ただし2027年2月26日に提供終了の予定です。終了後も話者を分けられるよう、音声ファイルは残しておくこと、そして次の運用側の手当ても並行して用意しておくことをおすすめします。
運用側で補う場合
最安のgpt-4o-mini-transcribe($0.003/分)を使うなら、話者の情報は運用でつくることになります。現実的な手当ては次のとおりです。
- 発言の冒頭で名乗る運用にする。「営業の田中です」と言ってから話す習慣をつけると、テキストだけでも追跡できます。参加者が少ない打ち合わせでは十分に機能します。
- 参加者ごとにマイクを分ける。収音経路が分かれていれば、そもそも話者の混在が起きません。ただし機材と手間がかかります。
- 会議冒頭に出席者を読み上げる。後から聞き返して照合する際の手がかりになります。
注意
話者識別の精度に関する数値は、公式pricingページにもモデルページにも記載がありません。「何人までなら正確に分離できる」といった数値を断定している情報は、公式の裏づけを確認してください。分離のしやすさは、収音方法や発話の重なり方に強く依存します。
ライブ用モデルを選ぶ場面
gpt-live-transcribeとgpt-realtime-whisperは、いずれも$0.017/分です。後処理用のモデルと比べると単価の水準が違うため、要件がある場合だけ使います。
60分の使用で$0.017×60分=$1.02。会議録の作成だけが目的なら、この価格帯を選ぶ必要はありません。一方で、次のような場面ではライブ用が要件そのものになります。
- 登壇中の字幕表示:会場のスクリーンやオンライン配信に、発話をそのまま文字で出す。アクセシビリティ対応として求められる場合があります。
- 進行中の確認:長時間のパネルディスカッションで、進行担当が発言内容を追いながら次の質問を組み立てる。
- その場で議事を確定させる会議:終了時点で決定事項の文面を確定させ、参加者にその場で確認してもらう運用。
これらに該当しないなら、会議終了後に録音ファイルを送る構成のほうが、単価の面でも運用の安定性の面でも有利です。リアルタイム処理は回線状況の影響を受けるため、確実性が求められる記録用途では後処理のほうが向いています。
見積もりと運用で確認すべきこと
最後に、検討段階でそのまま使えるチェックリストにまとめます。
- 月に処理する音声の分数を実測したか(会議の本数×1本の長さで概算し、前後の不要部分を除いた分数で計算したか)
- 話者識別が必要な業務かを整理したか。必要ならgpt-4o-transcribe-diarize(トークン課金・分単価の記載なし)の実額を短い音声で確かめ、提供終了日(2027年2月26日)も踏まえて見積もったか
- 使う予定のモデルが非推奨(2027年2月26日に提供終了予定)でないかを公式ガイドで確認したか
- リアルタイム表示が要件に含まれるか。含まれないなら$0.017/分のモデルを候補から外したか
- 本番と同じ会場・同じマイク構成で録った音声を、候補モデルすべてに同じ条件で通して比較したか
- 固有名詞と数字の誤変換を、手直し時間として実測したか(単価差より影響が大きい)
- 同じファイルを二重に処理しない仕組み(処理済みの記録)を入れたか
- 利用額の上限設定と、日々の利用状況を確認する手順を決めたか
- 音声データの取り扱いについて、社内規程と参加者への録音告知の運用を決めたか
費用以外に決めておくこと
APIを使う以上、音声データは外部に送信されます。イベント運営の会議には、未公開の開催情報、出演者の条件、協力会社との取引条件といった、社外に出せない内容が含まれます。単価の検討より前に、その音声を外部APIに送ってよいかを社内で確定させてください。これは料金表からは判断できない部分で、社内規程と契約条項の確認が必要になります。
また、録音そのものについて参加者への告知が必要です。会議の冒頭で記録する旨を伝え、記録の共有範囲を明示する運用を、ツール選定とは別に決めておいてください。
まとめ
OpenAIの文字起こしAPIについて、2026年10月時点で公式pricingページと各モデルページに記載されている事実と、そこから計算できることを整理します。
- 単価はモデルごとに異なる。gpt-4o-mini-transcribeが$0.003/分で最安、gpt-transcribeが$0.0045/分、gpt-4o-transcribeが$0.006/分、ライブ用のgpt-live-transcribeとgpt-realtime-whisperが$0.017/分。Whisperはpricingページになく、モデルページに$0.006/分と記載。
- 話者識別つきのgpt-4o-transcribe-diarizeは、公式に分あたりの目安の記載がない。モデルページのトークン単価は入力$2.50・出力$10.00(100万トークンあたり)でgpt-4o-transcribeと同じため、費用は同程度の見込みだが、実額は利用明細で確認する。
- 公式ガイドの推奨はgpt-transcribe($0.0045/分)。gpt-4o-transcribe・gpt-4o-mini-transcribe・gpt-4o-transcribe-diarize・whisper-1は2027年2月26日に提供終了の予定。
- 60分の会議1本なら$0.003×60分=$0.18(最安)または$0.006×60分=$0.36(Whisper / gpt-4o-transcribe)。
- 60分×20本=1,200分を月に処理しても、$0.003×1,200分=$3.6と$0.006×1,200分=$7.2で、差は$3.6にとどまる。
- 時間あたりの単価、無料クレジットの有無、認識精度の数値は、いずれも公式pricingページに記載がない。
結論として、モデル選定を費用で決める局面はほとんどありません。新規の構成は推奨モデルのgpt-transcribeを基本にし、話者識別が要るかどうかで追加の手当てを決め、候補は自社の音声で比べる。費用は上限設定と二重処理の防止という運用の問題として、別に管理する。この整理がいちばん実態に合います。
単価は改定されます。見積もりを提出する前に、必ず公式pricingページで最新の数値をご確認ください。
この記事の要点
- gpt-4o-transcribeの料金は1分あたりの目安で$0.006(100万トークンあたり入力$2.50・出力$10.00)。60分なら$0.006×60分=$0.36(2026年10月時点)。
- OpenAIの文字起こしモデルは分単価が異なる。最安はgpt-4o-mini-transcribeの$0.003/分、Whisperはgpt-4o-transcribeと同じ$0.006/分(モデルページの記載)。
- Whisperの$0.006/分はモデルページの記載。話者識別つきのgpt-4o-transcribe-diarizeは分単価の記載がなく、トークン単価(入力$2.50・出力$10.00/100万トークン)がgpt-4o-transcribeと同じ。費用は同程度の見込みだが、実額は利用明細で確認する。
- gpt-4o系の3モデルとwhisper-1は公式ガイドで非推奨とされ、2027年2月26日に提供終了の予定。新規なら推奨モデルのgpt-transcribe($0.0045/分)が第一候補。
- 60分の会議1本は$0.003×60分=$0.18、または$0.006×60分=$0.36。モデル間の差額は小さい。
- 月に60分×20本=1,200分を処理しても、$0.003×1,200分=$3.6と$0.006×1,200分=$7.2で差は$3.6。費用でモデルを決める意味は薄い。
- ライブ用は$0.017/分と別の価格帯。リアルタイム表示が要件でなければ選ぶ必要はない。
FAQ
よくある質問
2026年10月時点の公式pricingページでは、1分あたりの目安(Estimated cost)が$0.006です。60分の音声なら$0.006×60分=$0.36の計算になります。同じページには、100万トークンあたり入力$2.50・出力$10.00のトークン単価も記載されています。
公式pricingページの文字起こしモデルの表には「Prices per 1M tokens unless noted」と注記があり、gpt-4o-transcribeとgpt-4o-mini-transcribeには入力・出力のトークン単価と、1分あたりの目安(Estimated cost)の両方が記載されています。gpt-transcribeは分単価のみの記載です。pricingページにないWhisperはモデルページに分単価($0.006/分)のみ、gpt-4o-transcribe-diarizeはモデルページにトークン単価のみが記載されています。見積もりは分単価の目安で立て、実際の請求額は利用状況で確認してください。
2026年10月時点では、gpt-4o-transcribeは公式pricingページ、Whisperはモデルページに、どちらも1分あたり$0.006と記載されており同額です。費用を下げたい場合は、$0.003/分のgpt-4o-mini-transcribe、または$0.0045/分のgpt-transcribeが候補になります。なお両方とも、公式ガイドでは2027年2月26日に提供終了の予定とされています。
公式ガイド(Speech to text)では、gpt-4o-transcribe、gpt-4o-mini-transcribe、gpt-4o-transcribe-diarize、whisper-1が非推奨(deprecated)とされ、2027年2月26日に提供終了と案内されています。既存の連携はそれまで使えますが、録音ファイルの文字起こしで公式が推奨しているのはgpt-transcribe($0.0045/分)です。
公式ガイドでは、アップロードできるファイルは25MBまでと案内されています。超える場合は分割して送ります。分割しても処理する音声の合計分数は変わらないため、分単価の目安による費用の試算は変わりません。
OpenAIの文字起こしAPIのモデルのうち、文字起こしに話者識別(誰の発言かを分ける処理)を含むモデルです。2026年10月時点ではpricingページに掲載がなく、モデルページに100万トークンあたり入力$2.50・出力$10.00と記載されています。これはgpt-4o-transcribeと同じトークン単価ですが、公式には分あたりの目安が記載されていません。費用はgpt-4o-transcribeと同程度になる見込みですが、実際の額は利用明細で確認してください。なお、公式ガイドでは非推奨とされ、2027年2月26日に提供終了の予定です。
2026年10月時点の公式pricingページでは、gpt-4o-mini-transcribeの$0.003/分が一覧の中で最安です。次いでgpt-transcribeが$0.0045/分、gpt-4o-transcribeが$0.006/分、ライブ用のgpt-live-transcribeとgpt-realtime-whisperが$0.017/分と記載されています。Whisperはモデルページに$0.006/分と記載されています。gpt-4o-transcribe-diarizeは分単価の記載がなく、トークン単価のみです。
公式には断定できません。話者識別を含むgpt-4o-transcribe-diarizeは、モデルページに100万トークンあたり入力$2.50・出力$10.00と記載されており、gpt-4o-transcribeと同じトークン単価です。ただし分あたりの目安は記載されていないため、費用はgpt-4o-transcribe($0.006/分)と同程度になる見込み、というところまでしか言えません。実際の額は、短い音声で試して利用明細で確認してください。
公式に記載されているのは分単価(目安)とトークン単価で、時間あたりの金額は記載されていません。分単価から計算すると、gpt-4o-mini-transcribeで$0.003×60分=$0.18、Whisperおよびgpt-4o-transcribeで$0.006×60分=$0.36、gpt-transcribeで$0.0045×60分=$0.27、ライブ用のgpt-live-transcribeで$0.017×60分=$1.02となります。gpt-4o-transcribe-diarizeは分単価の記載がないため計算していません。
公式pricingページには、初回登録時の無料クレジットに関する記載がありません。付与の有無を前提にした導入計画は立てず、実際の課金条件は申込み時に公式の案内でご確認ください。
2026年10月時点の情報です。文字起こしAPIの単価とモデル構成は変更されることがあるため、最新の内容は公式pricingページ(https://developers.openai.com/api/docs/pricing)でご確認ください。